脳の病気

認知症について考えよう~認知症といえばアルツハイマー!?いろいろな認知症を知ろう~

へなお
こんにちは、脳神経外科医のへなおです。

 

このブログでは脳神経外科専門医であるアラフィフおじさんの視点から、主に一般の方に向けて脳の病気や治療について解説していきたいと思っています。

基本的な知識については、ネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉を用いてわかりやすく解説していきいます。

 

 

今回の脳の病気は、「認知症について考えよう~認知症といえばアルツハイマー!?いろいろな認知症を知ろう~」と題して、認知症の代名詞ともなっているアルツハイマー型認知症をはじめとして、代表的な認知症を解説しますのでよろしくお願いします。

 

今回の記事をこの記事を読んでわかることはコレ!

  • 認知症はアルツハイマーだけではない!そのほかのいろいろな種類の認知症がわかります。

 

認知症にはいろいろな種類があります

脳神経外科の外来には認知症が心配で受診される方が非常に増えています。

 

へなぞうさん
最近物忘れが増えていて心配です…

 

そんな訴えをよく聞きます。

 

一概に認知症といっても色々な種類があります。

 

へなお
認知症の半数以上は皆さんよくご存じの「アルツハイマー型認知症」です。

 

しかし認知症にはそのほかにもいろいろな種類があり、それぞれで特徴や症状が違ってきます。

 

認知症は今後皆さんが生きていくうえで関わり合いが増えてくるであろう重要な病気です。

 

代表的な認知症の特徴をなんとなくでも知っていると、今後役に立つことがきっと出てくるはずです。そこで今回は、

 

へなお
いろいろな認知症の特徴をご紹介しますね。

 

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症はもっとも有名な認知症で、「認知症と言えばアルツハイマー」のようなイメージではないでしょうか。

 

それではアルツハイマー型認知症とはどのような認知症なのでしょうか。

 

ココがポイント

アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も多く、認知症全体の約60%を占め、女性に多い認知症です。

 

脳の中にアミロイドβというタンパク質がたまってしまい、これが正常な脳の細胞を破壊して脳が委縮してしまう病気です。

 

脳の萎縮は徐々に進行していきます。

 

へなお
テレビなどで「海馬(かいば)」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

ココがポイント

アルツハイマー型認知症では海馬が委縮してうまく働かなくなります。

記憶の機能を持つ海馬が働かなくなると、新しいことが覚えられなくなります

自分がしたこと、言ったことを忘れてしまいます。これが初期の特徴的な症状です。

 

通常の物忘れでは最初忘れていても最終的には思い出します。

 

しかし海馬が壊れてしまうと、記憶が脳にインプットされていないので思い出すことはありません。

 

忘れるというよりそもそも覚えていないので、最初から情報が脳に入っていない状態です。

 

へなぞうさん
傘をどこかにおいてきてしまったのだけ、どこに置いてきたか忘れてしまった…

 

というのが通常の物忘れですが、海馬の障害では、

 

へなぞうさん
傘を持っていたこと自体覚えていない、記憶にございません!

 

そんな状態になります。

 

ココがポイント

症状が進行すると、日付、曜日、時間、場所などの今自分が置かれている状況がわからなくなります。これを見当識障害と言います。

 

出かけた際にどこにいるのかわからなくなり迷子になったり、家に帰れなくなったりします。

 

また判断力も低下します。

 

たとえば料理をしていて味の調整ができなくなります。

 

塩をどれくらい入れて胡椒をどれくらい入れて…などがわからなくなります。ですから、

 

へなぞうさん
最近味付けが変わったんじゃない?

 

なんてことで気づかれることもあります。

 

ココがポイント

さらに症状が進行すると、人の認識ができなくなり知っている人を見ても誰だかわからなくなります。

 

そのほかに特徴的な症状は、感情が敏感になり怒りやすくなったり、頑固になって他人の提案をかたくなに拒んで受け入れなくなったりします。

 

これらの症状が急に悪くなることはありませんが、徐々に進行していきます。

 

基本的には治りません。しかし、

 

ココがポイント

早期に症状を見極めて環境を整えて治療薬を内服することで症状の進行を緩やかにすることは可能です。

 

レビー小体型認知症

ココがポイント

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症の次に多い認知症で20%くらいです。

 

へなぞうさん
レビー小体型認知症なんて聞いたことないよ…

 

なんて方が多いのではないでしょうか。

 

レビー小体型認知症は日本人(横浜市立大学精神科 名誉教授 小阪憲司先生)が発見した認知症で、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症と並んで「3大認知症」と言われていますが、一般的にはほとんど知られていません。

 

へなお
なぜアルツハイマーだけこんなに有名なんでしょうね???

 

レビー小体というタンパク質が脳の中の一部に異常に集まり脳を破壊していきます。

 

レビー小体はパーキンソン病でも見られるタンパク質です。ですから、

 

ココがポイント

レビー小体型認知症ではパーキンソン病に似た症状が出てきます。手足が小刻みに震えたり、動きが遅くなったり、体のバランスが悪くなり転びやすくなります。

 

レビー小体型認知症の認知機能の症状の特徴としては、

 

ココがポイント

アルツハイマー型認知症のような記憶障害ではなく、実際には見えていないものが見えている感じがする幻視(げんし)が特徴的です。

 

本当は誰もいないのに、「家の中に人がいる! 犬や猫がいる!」

 

などと訴えます。

 

そのほかには、妄想(勝手に自分の中で想像したことが現実に起きたことと錯覚する)、精神的に落ち込んでうつになる、眠りが浅くなりぐっすり眠れず夢うつつの状態でぼーっとしている…などさまざまな症状が出てきます。

 

レビー小体型認知症も急に悪くなることはなく徐々に症状が進行していきます。

 

脳血管性認知症

ココがポイント

脳血管性認知症もレビー小体型認知症と同じ頻度で認知症全体の20%くらいです。

 

脳血管性認知症の原因は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中です。

 

脳卒中によって脳が破壊され、それによって認知症が引き起こされます。

 

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は特殊なタンパク質が脳にたまり脳を破壊して認知症を発症します。

 

一方で、脳血管性認知症は主に動脈硬化によって脳の血管が破綻しその結果脳卒中をおこすことで脳が破壊されて発症します。そのため、

 

ココがポイント

脳血管性認知症は動脈硬化を進行させる危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙などの生活習慣病によって引き起こされるので、ある程度予防が可能な認知症です。

 

認知症状の特徴としてはこれまでの認知症と違い、急激に出現して良くなったり悪くなったりを繰り返します

 

また脳卒中で壊れた脳の一部分のみが障害されているだけなので、その他の脳の機能は保たれています。したがって、

 

ココがポイント

脳血管性認知症では物忘れが増えたり、計算できなくなったりしますが、もともとの記憶はしっかり残っていたり物事の正確な判断ができるなど、できることとできないことがはっきりしています。これを「まだら認知症」と言います。

 

感情のコントロールができなくなることがあり喜怒哀楽が激しくなります。すぐに喜んだり怒ったり泣いたり笑ったりします。

 

前頭側頭型認知症(ピック病)

脳の前頭葉側頭葉という部分の機能が委縮しておこる認知症です。

 

ココがポイント

前頭側頭型認知症は他の認知症と違い難病に指定されています。

 

へなお
難病指定されている理由は脳が委縮する細かい原因が不明だからです。

 

ココがポイント

前頭側頭型認知症は40~60代の若いうちから発症しやすい若年性認知症のひとつです。

 

前頭葉は主に情動や思考や感情をコントロールしています。

 

したがって前頭葉の機能が低下すると理性的な行動がとれなくなり感情のおもむくままに行動し社会生活が困難になってきます。

 

側頭葉言葉、聴力(耳から聞こえたものの理解)、味覚などをコントロールしています。

 

ココがポイント

前頭側頭型認知症の特徴は物忘れの進行は目立ちにくいのですが、理性的な振る舞いを保ちにくくなります

 

つまり、

 

もっと詳しく

前頭側頭型認知症では、欲望に対して制御が効かなくなると自分勝手な振る舞いを取るようになりますが、逆に自発性が低下するとぼんやりしたりひきこもったりするようになったりするのが特徴です。

 

症状が進行すると同じことを繰り返すようになります。

 

同じ言葉言い続けたり、同じ行動を何度もするようになったりします。

 

さらに進行すると意欲の低下が強くなり寝たきりの状態となってしまいます。

 

まとめ

今回はいろいろな種類の認知症について解説してみました。

 

へなお
途中難しい言葉が出てきて難しかったですね。

 

へなぞうさん
もっとうまく解説できるようにまだまだ日々努力ですね。

 

ここで今回の内容をまとめてみました。

 

今回のまとめ

  • もっとも多い認知症は皆さんよくご存じのアルツハイマー型認知症です。
  • 次いでレビー小体型認知症、脳血管性認知症があります。
  • 前頭側頭型認知症は頻度は低いですが難病指摘されています。

認知症には様々な種類があります。

 

少しでも認知症の知識を身につけておくことが、今後の自分を守り、まわりの方に迷惑をかけない生活を送る手助けになると思います。

 

今回の記事がみなさんに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も『脳の病気』、『脳の治療』について現場に長年勤めた脳神経外科医の視点で皆さんに情報を提供していきたいと思っています。

 

引き続きよろしくお願いいたします。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、放射線治療を中心に勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、脳の病気や治療から脳科学まで幅広い分野にわたって長年の経験からつちかった情報を提供していきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

おすすめ記事

バレンタインジャンボ2021-A1 1

宝くじって当たる確率が低いってわかっているのになんで買うんでしょう?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20年… ...

じゃんけん-A3 2

じゃんけんで勝つ確率って上げられるの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い手術、 ...

自己責任-1 3

ストレスに満ちた自粛しながらの生活の中で自己責任ってどんな意味があるの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20 ...

メラビアンの法則-A2 4

第一印象は見た目で決まるって本当なの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い手術、 ...

がんばれ-A4 5

大事な試験や試合の時に“頑張れ”って応援するのは相手にプレッシャーをかけて苦しめてつらくさせるだけで逆効果なの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 &nbsp ...

-脳の病気
-,

© 2021 殻に閉じこもった脳神経外科医が行く Powered by AFFINGER5