脳の病気

しびれて困ってます!?その1:しびれってなんだろう?

へなお
こんにちは、脳神経外科医のへなおです。

 

このブログでは脳神経外科専門医であるアラフィフおじさんの視点から、主に一般の方に向けて脳の病気や治療について解説していきたいと思っています。

基本的な知識については、ネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉を用いてわかりやすく解説していきいます。

 

 

今回の『脳の病気』は、

 

へなこさん
しびれて困ってます!?

 

という方のために、しびれについて探ってみたいと思います。

 

へなお
しびれは奥が深くて1回では説明しきれないので、何回かにわけて説明しますね!

 

第1回目は、

 

へなこさん
しびれってなんなんだろう…

 

という疑問にお答えしたいと思います。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

  • しびれの正体がわかります。
  • どうしてしびれがおこるのかそのメカニズムがわかります。
  • しびれの感じ方をどう伝えたらよいかがわかります。

しびれの意味

へなお
”しびれ”は頭痛、めまいとならんで脳神経外科の外来に受診される患者さんの3大あるあるの1つです。

 

多くの方がしびれに悩み苦しんでいますが、

 

へなお
しびれの原因を突き止めるのは本当に大変です!

 

なぜなら、しびれの原因は体のあらゆる場所にひそんでいるからです

 

プライマリ・ケアという言葉あります。簡単に言えば、

 

へなお
すべての病気に対して総合的、統轄的、継続的に診療およびケアしていくことです。

 

ちょっとわかりにくいですね…。もっと簡単に言えば、

 

へなお
最初に患者さんに接触して病気に対する医療や看護の入り口を見つけることです。

 

しびれの原因は多岐にわたるため、このプライマリ・ケアを間違えると、どんどん深みにはまって迷入していってしまい、

 

へなこさん
しびれが全然よくならないよお…

 

なんてことになります。では、

 

へなお
しびれるとはどういうことなのでしょう?

 

医学的に言えば次の3つに分類されます。

 

ココがポイント

知覚鈍麻(感覚がにぶっている)

知覚鈍麻異常知覚(正常ではない異常な感覚がする)

知覚鈍麻運動麻痺(自分の意志通りに動かない)

 

これらのいずれも人はしびれと感じて訴えます。知覚鈍麻と異常知覚はしびれと感じることはわかりますが、手足が動かない運動麻痺もしびれと訴える人もいるのです。

 

へなお
しびれの本当の感覚はしびれている本人しかわかりません。

 

その感覚をなんとか引き出して、自分のもっているさまざまな病気と照らし合わせて原因をさぐっていくのですから難しい作業になるわけです。

 

しびれの原因

一般的にはしびれの原因は、脳、脊髄(首や胸や腰の背骨の中にある神経のかたまり)しびれのある手足のいずれかと考えることが多く、そのため脳神経外科整形外科の外来を受診する人が実際にはとても多いです。

 

へなお
これは一般の方に限った話ではなく、医師でもそのように考える人が多いと思います。

 

確率的にはそうなのですが、しかし、

 

へなお
実際にはもっとさまざまな原因があります!

 

脳神経外科や整形外科などの外科で担当する病気は、CTやMRIなどの検査をすればその病気は画像に映し出されて目で見ることができます。

 

へなお
ここがしびれの原因だよ!

 

そんなふうに指で指し示すことができます。しかし、

 

へなお
内科的な病気でしびれている場合にはなかなかそうもうまくはいきません。

 

金属や薬物による中毒、糖尿病やビタミン不足などの代謝性の病気、甲状腺などの内分泌性の病気、ウイルスや細菌などによる感染性の病気神経が変性してしまう病気がんによる神経障害…などなど、

 

へなお
検査してもなかなかしびれの原因がわかりづらく、はっきりと目で見える形で示すことができない病気がたくさんあります。

 

しびれの感じ方

人はいろいろな方法でしびれを表現します。ただこれをまんぜんと聞き流しているのではなく、その表現を分類していかなくてはなりません。

 

ココがポイント

医学的にしびれを大きく2つ分けると、

「じんじん、びりびり」としたしびれ

「ちくちく、ぴりぴり」したしびれ

に分けられます

 

それぞれのしびれについて考えてみます。

 

“じんじん、びりびり”としたしびれ

末梢神経の“じんじん、びりびり”

へなお
末梢神経とは、”脳と連続する脊髄(背骨の中にある太い神経)から手足にむかってのびていく細い末端の神経”のことです。

 

末梢神経の“じんじん、びりびり”のしびれがもっともわかりやすいのは、

 

へなお
正座のときのしびれです。

 

さらに詳しく

長時間正座している足がじんじん、びりびりとしびれてきます。そのままがんばって星座を続けいているとだんだん足の感覚がなくなってきます。その状態で立ち上がろうとすると思うように足が動かず麻痺していることに気が付きます。しばらくするとかんかくがもどってきて再びじんじん、びりびりしてきて、そして普通に歩けるようになります。

 

へなお
正座をしていると、足の血のめぐりが悪くなって神経にうまく血が行き届かなくなります

そうすると、

 

さらに詳しく

 

ですから、

 

へなお
触覚がなくなると痛みをおさえる働きがなくなってしまい、痛みを感じるようになります!

 

痛みを伝える神経は元気に働いているので、脳はこれを“じんじん、びりびり”としたしびれや痛みとして感じるようになります。

 

へなお

その後に運動の神経がやられてきます。

そうなると足が動かなくなります!

 

そこまでくるとついに痛みを伝える神経もやられてしまい痛みさえも感じなくなり、

 

へなお
最終的には“じんじん、びりびり”は消失してなにも感じなくなります。

 

次に正座から立ち上がろうとすると、足に血がめぐり始めます。そうすると神経にも血がいきわたり神経の働きが復活してきます

 

さらに詳しく

神経の働きが復活する順番は神経がやられていく順番の逆なのです!まずは“じんじん、びりびり”とした痛みを感じるようになり、足が動くようになり、最後に触覚の神経が回復して痛みをおさえこんでさわった感じがもどってくるようになります。

 

ほかにもこのタイプのしびれを感じることがあります。

 

へなお
それは“かゆみ”です!
へなこさん
えええ?かゆみ?

 

かゆいと感じたことがない人はほとんどいないと思いますが、

 

へなお
かゆみもしびれの一種なんです。

 

先ほど”触覚を伝える神経は痛みを伝える神経の働きをおさえる仕事もしている”と書きましたが、

 

さらに詳しく

痛みをおさえる機能が少しだけ低下すると、人は痛みではなくかゆみを感じるんです!痛みをおさえる機能がもっと低下すると“じんじん、びりびり”とした痛みになるんです!異端の前にはかゆみを感じるのです!

 

へなお
かゆいとかくよね!

 

かくことによって触覚を伝える神経が刺激されて痛みをおさえる働きが回復すると、

 

へなこさん
かゆみが消えて気持ち良いい!

 

そんな風にかんじるようになるのです。これがかゆみの仕組みです。

 

中枢神経の“じんじん、びりびり”

へなお
中枢神経とは、”脳”と”脊髄”のことで、神経の中枢(神経の本丸みたいなもの…)です。

 

中枢神経で感覚の最高レベルの本丸は、”視床”と呼ばれる脳神経外科のど真ん中にある部分です。

 

脳の中でも視床は脳出血や脳梗塞を起こしやすい場所であり、

 

へなお
脳出血や脳梗塞を起こすと、最初は触覚の神経も痛みを伝える神経もこわされてしまい何も感じなくなります

 

しかし時間がたってくると、

 

へなお
触覚の神経の痛みをおさえる働きが低下したまま痛みを伝える神経だけが回復してくるので、“じんじん、びりびり”としたしびれや痛みを手足に感じるようになります。

 

”じんじん、びりびり”を痛みととらえる場合としびれととらえる場合があり、人によりその表現の仕方はさまざまです。

 

“ちくちく、ぴりぴり”としたしびれ

“じんじん、びりびり”の痛みは、触覚の神経の痛みをおさえる機能が低下したことで痛みを伝える神経だけが働いておこるしびれでしたが、

 

ココがポイント

“ちくちく、ぴりぴり”としたしびれは、触覚の神経とは関係なく痛みを伝える神経が刺激されて起こる、いわば強い痛みのしびれです。

 

痛みを伝える神経そのものの神経痛であったり、なにかの中毒によって過剰に痛みを伝える神経が過剰に痛みを伝えるようになったりすると、“ちくちく、ぴりぴり”よりも強いしびれとして感じるようになります。

 

へなお
ですから印象としては、“ちくちく、ぴりぴり”は弱いしびれ、“ちくちく、ぴりぴり”は強いしびれという感じになります。

 

まとめ

今回は「しびれの原因を探ってみました」の第1回として、『しびれってなんだろう?』について解説してみました。

 

へなお
今回はいつも以上に難しい言葉が出てきてしまいすいません…
へなこさん
もっとうまく解説できるようにまだまだ日々努力ですね!

 

ここで今回の内容をまとめてみました。

 

今回のまとめ

  • 自分のしびれを人に伝えることはとても難しいです。
  • 人のしびれをよく理解して診断につなげることはとても難しいですがとても大切なことです。
  • 自分のしびれを人にうまく伝えるためには、まずはしびれとはどういうものなのかを知っておく必要があります。

 

しびれは日常生活においてよく経験する感覚です。しかししびれと一言で言ってもなかなか人には伝わりません。なにげなくしびれを感じている人もいれば、しびれに苦しみ悩んでいる人もいます。少しでもしびれについての理解が深まり今後の生活にお役に立てれば幸いです。

 

へなお
「しびれの原因を探ってみました」の第2回もご期待ください。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

今後も『脳の病気』、『脳の治療』について現場に長年勤めた脳神経外科医の視点で皆さんに情報を提供していきたいと思っています。

引き続きよろしくお願いいたします。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、放射線治療を中心に勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、脳の病気や治療から脳科学まで幅広い分野にわたって長年の経験からつちかった情報を提供していきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

おすすめ記事

バレンタインジャンボ2021-A1 1

宝くじって当たる確率が低いってわかっているのになんで買うんでしょう?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20年… ...

じゃんけん-A3 2

じゃんけんで勝つ確率って上げられるの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い手術、 ...

自己責任-1 3

ストレスに満ちた自粛しながらの生活の中で自己責任ってどんな意味があるの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20 ...

メラビアンの法則-A2 4

第一印象は見た目で決まるって本当なの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い手術、 ...

がんばれ-A4 5

大事な試験や試合の時に“頑張れ”って応援するのは相手にプレッシャーをかけて苦しめてつらくさせるだけで逆効果なの?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 &nbsp ...

-脳の病気

© 2021 殻に閉じこもった脳神経外科医が行く Powered by AFFINGER5