- 江戸時代のお風呂って、今みたいに肩までたっぷりのお湯に浸かるスタイルじゃなかったって本当…?
- 『戸棚風呂』という名前を聞いたことがあるけど、一体どんな構造で、現代のサウナや半身浴にどう繋がっているの…?
- 戸棚風呂を現代の施設で体験できる場所があるって聞いたけど、どんな脳科学的・心理学的なリラックス効果があるの…?
そんなモヤッとした疑問や日常の謎を、サウナ好きの脳神経外科医が脳科学の視点からやさしくひもといていきます。
私たちが毎日何気なく入っているお風呂。
実は江戸時代初期には、現代のサウナと半身浴を掛け合わせたような「戸棚風呂」と呼ばれる画期的なスタイルが大流行していました。
今回は、その歴史的背景から現代のお風呂やサウナへの進化の過程、蒸気に包まれることで分泌される脳内ホルモン(オキシトシン)の秘密、そして話題の施設「サウナ東京」や「毎日サウナ東京 幕張店」で体験できる現代版・戸棚風呂の魅力まで、圧倒的なボリュームで徹底的に説き明かします。
無影灯の緊張を解く、時代を超えた「温浴」への探求

私は日々、病院の脳神経外科医として、無影灯の下でミリ単位の神経や血管と格闘しています。
過酷な手術が終わると、張り詰めた脳の緊張を解放するために、愛する銭湯やサウナへと吸い込まれるように足を運びます。
熱いサウナ室で静かに目を閉じ、自分の心音だけに耳を澄ませていると、ふと思うことがあります。
へなお先生昔の人々は、この『温まってリラックスする』という究極の快感を、どうやって手に入れていたのだろう?
現代の日本では、ボタン一つでバスタブにたっぷりのお湯が張られ、肩までしっかり浸かる「全身浴」が当たり前です。
しかし、水道もガスもなかった時代、
お湯を大量に沸かすことはとてつもない労力と燃料(薪)を消費する超ゼイタクな行為でした。
そこで江戸時代の人々が生み出したのが、少量の水で最大限に体を温め、脳をリラックスさせる「戸棚風呂(とだなぶろ)」という画期的なシステムでした。





現代のサウナーも驚く江戸時代の「ととのい」のルーツを、タイムスリップするように解き明かしていきましょう!
【歴史と基礎知識】「戸棚風呂」とは何か?江戸初期のエコサウナ事情


「戸棚風呂」とは、江戸時代初期(慶長年間ごろ)に登場し、流行したお風呂のスタイルです。
その名の通り、まるで押し入れや戸棚のような四角い箱型の構造をしていました。
蒸気を逃がさない「引き戸」の工夫
浴槽の底には膝丈くらい(約20〜30cm)の浅いお湯が張られています。
人はそこに入り、下半身はお湯に浸かり、上半身は下から立ち上る湯気(蒸気)を浴びて温まります。
最大の特徴は、蒸気が外に逃げないように、出入り口にピタリと閉まる「引き戸」がついていたことです。
暗い戸棚の中にこもり、蒸気でじっくりと体を蒸す……まさに、現代のスチームサウナの原型とも言える構造でした。
水と薪を節約する究極の「エコ・システム」
当時の江戸の町は、井戸水や薪が非常に貴重でした。
肩まで浸かる「据え風呂(すえぶろ:鉄砲風呂や五右衛門風呂)」が一般に普及するのはもう少し後の時代です。
少ないお湯で済む戸棚風呂は、極めて合理的でエコなシステムでありながら、人々の冷えた体と心をしっかりと温めるための「究極の知恵」だったのです。
現代のお風呂・サウナへの進化〜下半身浴+蒸気浴が生み出す究極のハイブリッド〜


この戸棚風呂、単なる「節約術」と侮ってはいけません。
現代の医学や生理学の視点から見ると、のちの「半身浴」や「スチームサウナ」へと進化していく非常に理にかなったハイブリッド入浴法なのです。
心臓への負担(静水圧)を減らす「半身浴」の源流
肩までお湯に浸かる全身浴は、水圧によって全身の血管が圧迫され、心臓に大量の血液が戻ってくるため、体に大きな負担がかかります。
しかし戸棚風呂は、下半身だけがお湯に浸かるスタイルです。
心臓や肺への水圧負担(静水圧)が少なく、血圧の急激な変動を防ぐことができます。



現代の私たちが長風呂を楽しむために行う「半身浴」の健康効果を、江戸時代の人々は無意識に実践していたのです。
効率的な発汗を促す「スチームサウナ」への進化
戸棚風呂の上半身は、密閉された空間に充満する高温多湿な蒸気に包まれます。
100℃近い現代のドライサウナとは違い、湿度が高いスチーム状態は、比較的低い温度(40〜50℃程度)でも空気を介して体に熱が伝わりやすく、毛穴を開いてスムーズに発汗を促します。
息苦しさを感じることなく、体の芯からじっくりと温まることができるこの仕組みは、現代のミストサウナやスチームサウナのメカニズムそのものです。


【脳科学と心理学】蒸気の「包まれ感」がオキシトシンを分泌させる





ここからは、脳神経外科医としてのハイライトです。
戸棚風呂のような「暗くて狭い空間で、温かい蒸気に包まれる」という環境は、私たちの心理と脳にどのような影響を与えていたのでしょうか。
「胎内回帰」による究極の安心感(心理学)
薄暗い戸棚の中で、温かいお湯と蒸気に優しく全身を包み込まれる感覚。
心理学的なアプローチから見ると、これは私たちが母親の胎内(羊水の中)にいた時の環境に非常に似ていると言われています(胎内回帰)。
外界の視覚的・聴覚的なノイズが遮断され、温かく湿った空気に触れ続けることで、皮膚の触覚センサーから脳へと「ここは安全で安心な場所だ」という信号が送られます。
安らぎのホルモン「オキシトシン」の放出(脳科学)
この究極の安心感を脳の視床下部が感知した時、脳内では愛情と安らぎのホルモンである「オキシトシン」が豊かに分泌されます。
現代の高温ドライサウナ×極冷水風呂が、交感神経を刺激してアドレナリンとβ-エンドルフィンを爆発させる「動的なととのい(覚醒)」だとすれば、戸棚風呂の蒸気浴は、副交感神経を100%優位にして深い安らぎへと沈み込む「静的なととのい(癒やし)」です。



日々の過酷な労働やストレスに晒されていた江戸の人々にとって、この戸棚風呂の時間は、傷ついた脳の細胞をゼロから修復するための絶対的な防空壕だったに違いありません。
現代に蘇る!「サウナ東京」と「毎日サウナ東京 幕張店」で江戸の蒸気浴を体験しよう





「江戸時代の戸棚風呂、実際に体験してみたい…!」と思った方に朗報です。
実は、この歴史的な入浴文化を現代風に再構築し、極上のサウナ体験として蘇らせた施設が存在します。
江戸の戸棚風呂を現代サウナ界に鮮烈に蘇らせた本家「サウナ東京(赤坂)」と、そのDNAを受け継ぐ2026年春オープンの「毎日サウナ東京 幕張店」です。
⛩️ サウナ東京 赤坂(東京都港区)の「戸棚蒸風呂」
関東最大級のサウナ施設である「サウナ東京」のスチームサウナは、ズバリ「伝統の再現」をコンセプトに作られています。
- 完全再現されたハイブリッド構造: 江戸時代の戸棚風呂の仕組みを忠実に現代風にアレンジしています。段になった浴槽に膝が浸かるほどの浅いお湯が張られており、下半身はお湯の温もりで、上半身はスチームの高温蒸気でしっかりと蒸される仕様です。
- 圧倒的な蒸気の熱さ: スチームサウナというと「温度が低くて物足りない」というイメージがあるかもしれませんが、ここの蒸気は非常に高温に設定されています。腰を浮かせたり立ち上がったりすると火傷しそうなほどの熱気が上半身を包み込むため、入退室の際も低姿勢を保つことが推奨されるほどの本格派です。
- オキシトシンの大放出: お湯の浮力と温かさによる安心感と、強烈な蒸気の熱による交感神経の刺激が混ざり合い、ドライサウナとはまた違った「深いととのい(脳内麻薬の分泌)」を体験できます。
🌿 毎日サウナ東京 幕張店(千葉県千葉市)の「薬草戸棚蒸風呂」
サウナ界を牽引する人気ブランドがタッグを組んで創り上げた新店舗では、戸棚風呂がさらに独自の進化を遂げています。
- 絶妙な温度とハイブリッド構造: サウナ室の中央には約33℃のぬる湯(浅い湯船)が配置され、室温は約50℃のスチームで満たされています。胡座をかいて低温サウナとして楽しむもよし、足を下ろして足湯サウナにするもよし、湯船に浸かって半身浴として楽しむもよし。自分好みのスタイルで「下半身はお湯、上半身は蒸気」という戸棚風呂の真髄を味わえます。
- 脳を癒やす薬草の香り: 蒸気口には薬草袋がセットされており、室内は上質な薬草のアロマに包まれています。嗅覚は脳の感情・記憶を司る「扁桃体」に直接届くため、薬草の香りがオキシトシンの分泌をさらにブーストし、深いリラックス効果をもたらします。
薪火サウナなどでの強烈なアウフグース(交感神経の刺激)を楽しんだ後、これらの「戸棚蒸風呂」でじっくりと副交感神経を優位に切り替える(静的なととのい)というローテーションは、脳神経外科医の視点から見ても、脳疲労を完璧にリセットする最強のサウナフルコースと言えます。
まとめ:温故知新の入浴法で、真の「ととのい」を手に入れる





「江戸時代の知恵『戸棚風呂』が、現代の脳疲労を癒やす魔法!」…いかがでしたでしょうか。
毎日当たり前のように入っているお風呂やサウナも、その歴史と科学的なメカニズムを知ると、全く違った景色が見えてきます。
- 【歴史と進化】 戸棚風呂は江戸時代初期に流行。下半身はお湯、上半身は蒸気で温まるスタイルは、現代の「半身浴」と「スチームサウナ」のルーツである。
- 【生理学】 水圧による心臓への負担が少なく、低い温度でも高湿度によって効率よく体が温まり、発汗を促す。
- 【心理学・脳科学】 暗く狭い蒸気空間は「胎内回帰」の安心感を生み、脳内に癒やしのホルモン「オキシトシン」を大量に分泌させる(静的なととのい)。
- 【現代の体験施設】 本家「サウナ東京」の熱々スチームや、「毎日サウナ東京 幕張店」の薬草香る蒸風呂など、江戸の知恵を現代に再構築した脳疲労回復の究極空間が存在する。
サウナ室の強烈な熱波でドーパミンを出す日もあれば、戸棚風呂のような優しい蒸気でオキシトシンに包まれる日もあっていい。
先人たちの知恵に思いを馳せながら、自分の脳の疲労度に合わせて入浴スタイルを使い分ける。
それこそが、現代のストレス社会を生き抜く「真のサウナー」の姿ではないでしょうか。
今度の週末は、「サウナ東京」や「毎日サウナ東京 幕張店」へ足を運び、江戸の蒸気浴を味わってみてはいかがでしょうか?
あなたの脳は、いつもより深く、そして穏やかに「ととのう」はずです。



最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点から、あなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り、皆さんに情報を提供していきます。
「こんな日常のモヤモヤやサウナの疑問、脳科学で解明して!」というリクエストもお待ちしています。


















