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アウトプットが苦手な人のための効果的なトレーニング方法~脳科学にこだわった勉強法

2020-10-08

アウトプット-A1

アウトプットとインプットではどちらを重視した方が脳科学的により効果的な勉強法なの?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

  • 脳科学で効果的とされるアウトプットを有効活用した勉強法を習得するためのトレーニング方法がわかります。

 

アウトプットを重視した勉強法にこだわれ!

アウトプット-1-min

アウトプットを有効活用した勉強法を習得しよう

  • ひたすらインプットに集中するのではなくアウトプットを重視した勉強法にこだわりましょう。
  • アウトプットを重視した勉強法は脳科学的に証明された方法です。
  • より効果的なアウトプットを目指すのであれば新たな知識をインプットする際に過去の記憶と紐づけして脳に刻み込んでいくとより効果的です。

脳科学的勉強法のススメ

脳科学的に効果的な勉強法はインプットよりもアウトプットを重視した勉強法です。

 

ひたすら頭に知識を詰め込んでインプットの作業を繰り返すよりもアウトプットを繰り返す方が脳の回路への定着は圧倒的に有効です。

 

つまり教科書や専門書を何度も繰り返して読みまくるよりも問題を解いたり成果を発表したりと実践的に行動する方が効果的な勉強法なのです。

 

とはいっても何も知識のないところからいきなりアウトプットを実践することはやはり難しく最低限の知識は必要です。

 

そのためには効率的に知識を身につけてある程度の知識を記憶しておく必要があります。

 

アウトプットのための下準備をするにはまずはこちらの記事をご参照ください。

 

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へなお
ある程度の知識を記憶したらとりあえずアウトプットをしていきましょう。

 

へなみさん
そんないきなりアウトプットして大丈夫なの?

 

インプットで得た知識が定着しないうちにアウトプットをすることは最初は不安でしょう。

 

しかし慣れていけばアウトプットを重要視した勉強法がいかに効率的な方法なのかがご理解いただけると思います。

 

アウトプットが苦手な人のための効果的なトレーニング方法

アウトプット-2-min

アウトプットが苦手な人はとても慎重な脳を持っていると言えます。

 

へなみさん
準備を万全に整えて知識をしっかり定着させてからでないと行動にはうつしません。

 

へなお
インプットが完璧に脳に刻み込まれているのであればそれでもよいのかもしれません。

 

インプットが完璧であればアウトプットもきっと完璧でしょうから大きな成果がいきなり上げられる可能性は大です。

 

しかしインプットで得た知識を定着した記憶とするのはそう簡単なことではありません。

 

一方でいきなりどんどんアウトプットしていく方法は一見すると無謀に思えるかもしれません。

 

しかしアウトプットを重視した勉強法は脳科学的に証明された方法なのです。

 

へなお
ここで脳科学の研究をご紹介しましょう。

 

学生達にスワヒリ語40個を暗記する試験を行います。

当然学生たちはスワヒリ語をまったく知りません。

学生たちを4つのグループにわけて暗記をしてもらいます。

最終的にどのグループがもっとも試験の成績が良かったかを調べる研究です。

Karpicke JD, et al, Science 319:966-968, 2008

 

第1グループは40個の単語をひたすら覚えてもらった後に試験を行います。

試験は毎回40個すべての単語を行います。

すべての単語を覚えるまで学習と試験を繰り返します。

 

第2グループは試験で思い出せなかった単語のみを学習して再び試験を繰り返します。

試験は毎回40個すべての単語を行います。

 

第3グループは試験で思い出せなかった単語があった場合40個すべての単語を学習しなおして再び試験を繰り返します。

試験は思い出せなかった単語のみ行います。

 

第4グループは試験で思い出せなかった単語があった場合その単語のみを学習しなおして再び試験を繰り返します。

試験は思い出せなかった単語のみ行います。

 

どのグループも全問正解するまで学習と試験を繰り返します。

 

へなお
果たして結果はどうだったでしょう?

 

40語の単語をすべて覚えて試験に全員合格するまでの時間にはほとんど差はありませんでした。

 

試験を5~6回繰り返すとどの勉強法でも知識をインプットすることは可能です。

 

へなみさん
なんだあ…どうやって勉強しても結果は同じなんじゃない…

 

へなお
ここからがこの研究の本題です。

 

この研究では1週間後に再び試験を行います。

 

へなお
1週間後に行った試験の成績に違いはあったのでしょうか?

 

第1グループと第2グループは差はほとんどなくいずれも80点くらいでした。

 

しかし第3グループと第4グループはともに30点くらいしか取れませんでした。

 

へなお
この結果が意味するところはなんでしょう?

 

第1と第2グループに共通するプロセスは40個すべての単語を毎回試験したことです。

一方で第3と第4クループに共通するプロセスは思い出せなかった単語のみを試験したことです。

 

この結果が意味することはインプットの方法はどうであれどのようなアウトプットをするかがカギになるということです。

 

アウトプットを重視した勉強法-その1

覚えているいないに関わらずインプットした情報を何度もアウトプットすることで長期間にわたって安定した情報を脳に保存することが可能になるのです。

つまりインプットの方法をいろいろ探って時間を費やすよりもわかりきったことでも何度もアウトプットを繰り返す方が勉強法としては効果的なのです。

インプットよりもアウトプットを重視するように脳は設計されているのです。

 

へなお
この項の最初にも言いましたがアウトプットが苦手な人は慎重な脳を持っています。

 

多くの人はたいていインプットの情報を脳に完璧に刻み込むことについ集中してしまいます。

 

しかしインプットの情報がたとえ完璧でなくてもとりあえずアウトプットを繰り返して今の自分を評価してみることの方が大切なのです。

 

脳にため込んだ情報はアウトプットしないと時間の経過とともにかすんでいってしまいます。

 

へなお
当たり前のようにできていたことでもしばらくやっていないと忘れてしまうことってありますよね。

 

アウトプットが苦手な人は言うならばどこかで完璧主義を求めているのでしょう。

 

へなお
ですからインプットの情報が不安定でもとりあえず自分の脳からその情報を発信してみてください。

 

たとえ完璧でなくても何度も発信しているうちにその情報は確実に脳に刻み込まれていきます。

 

最初はうまくいくか不安かもしれません。

 

しかしアウトプットを増やすことがあなたの脳をより活発に働かせて効率アップにつながることは脳科学が保証します。

 

脳科学にこだわった勉強法

アウトプット-3-min

へなお
脳科学にこだわった勉強法とは今まで説明してきた“アウトプットを重視した勉強法”に他なりません。

 

しかしアウトプットをより効果的にするためにはまだまだ方法があります。

 

脳科学的勉強法のススメ

アウトプットをより効果的にする方法のの1つが脳に刻み込む記憶をしっかり分類してそれぞれに合ったアウトプットを行う方法です。

 

記憶にも色々な種類があります。

 

記憶をその保持期間で大まかに分けると”短期記憶”と”長期記憶”に分類されます。

 

へなお
わたしたちが通常”記憶”として考えているのは長期記憶”です。

 

”長期記憶”とは情報が長い時間脳の中に刻み込まれ固定される状態です。

 

へなみさん
だんだん話がややこしくなってきましたねえ…

 

長期記憶はさらに細かく分類され陳述記憶”非陳述記憶”の2つに分けられます。

通常勉強して身につける知識は”陳述記憶”になります。

”陳述記憶”とは言葉や映像として表現できる記憶です。

一方で”非陳述記憶”とはその反対で言葉や映像として表現できない記憶です。

 

へなお
まずは非陳述記憶について考えてみましょう。

 

例えば”どうやって自転車に乗れるようになったか”や”どうやってパズルを解いたか”などは感覚的な記憶であり言葉ではうまく表現できません。

 

しかし自転車の乗り方やパズルの解き方は脳が無意識的に記憶しているので何となくできてしまいます。

 

非陳述記憶は言うならばわたしたちが生きていくうえで必要な記憶です。

 

へなお
一方で陳述記憶はどうでしょう?

 

陳述記憶は生きていく上では決して必要としない記憶です。

 

例えば”教科書や参考書で勉強して学んだ記憶”や”昨日何をして過ごした”とか”朝ご飯は何を食べたか”といった体験した記憶です。

 

陳述記憶は薄れてなくなってしまうといわゆる”認知症”になってしまいます。

 

認知症の人は陳述記憶は薄れますが非陳述記憶はしっかり残っています。

 

生きていくうえで必要な食事の仕方や布団に入って寝る方法などの記憶は残っているので生きていけます。

 

しかし”何を食べたか?”や”寝たかどうか”など生きていく上では決して必要としない記憶は消え去ってしまいます。

 

アウトプットを重視した勉強法に必要な知識は”陳述記憶”になります。

 

陳述記憶には脳のさまざまな部分が関与していますが大切なことは陳述記憶は脳の中に“連続した活動”を引き起こすことです。

 

記憶がすでに過去のものとなっていてもアウトプットを再び繰り返すようになると連続した活動が活発になります。

 

すると最終的にはちょっとしたきっかけさえあれば脳の連動によって過去の記憶が次々と活発に活動を始めるようになるのです。

 

へなお
ちょっとややこしい話ですがこのような脳の連続した活動には常に脳の発火が必要です。

 

アウトプットを重視した勉強法-その2

いくら知識を記憶としてため込んでいても脳が発火して外に発信しなければ知識は大量の記憶の中にどんどん埋もれていってしまいます。

しかし記憶どうしに何かしらの関連付けがあればいったん発火が起こると次から次への発火が起こる仕掛けになっているのです。

ですからただやみくもにインプットするのではなく過去の陳述記憶と何かしらの結びつきを持たせた状態でインプットを行っておくことが大切なのです。

 

へなお

みなさんも何かのきっかけで過去の記憶が次々と湧き出るようによみがえってきた…

なんて経験を1度くらいはしたことがあるのではないでしょうか…

 

脳の連続した活動は過去の経験を追体験する手段である。

 

なんて言葉もあります。

 

脳科学的勉強法のススメ

脳科学にこだわったアウトプットをするのであれば新たな知識をインプットする際には過去の記憶と紐づけして脳に刻み込んでいくことが効果的です。

 

まったく新しい知識としてではなく記憶として脳に刻まれた過去の知識と少しでもつながりを持たせてインプットしておけばアウトプットの際に脳の中では自動的に“興奮のループ”が作動してくれます。

 

多くの方は無意識的に脳の興奮のループを活用して学習を行っているはずです。

 

へなお
語呂合わせで暗記する…なんてそのいい例です。

 

普段から脳の興奮のループを意識したインプットとアウトプットを繰り返し行うトレーニングを積み重ねていればあなたにきっと有益な効果をもたらすこと間違いなしです。

 

有効なアウトプットの方法についてもっと学びたい方はこちらを読んでみてください。

 

きっと大きなヒントが見つかりますよ。

 

 

“アウトプットを有効活用した勉強法を習得するためのトレーニング方法”のまとめ

まとめ-conclusion1-N1

脳科学で効果的とされるアウトプットを有効活用した勉強法を習得するためのトレーニング方法を脳科学で探ってみました。

 

アウトプットを重視した脳科学的勉強法は何も難しいトレーニング方法ではありません。

 

意識して繰り返しアウトプットをすることであなたの脳は大いに刺激されて発火してくれます。

今回のまとめ

  • ひたすらインプットに集中するのではなくアウトプットを重視した勉強法にこだわりましょう。
  • アウトプットを重視した勉強法は脳科学的に証明された方法です。
  • より効果的なアウトプットを目指すのであれば新たな知識をインプットする際に過去の記憶と紐づけして脳に刻み込んでいくとより効果的です。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、血管内治療、放射線治療を中心に某総合病院で勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、あなたのまわりのありふれた日常を長年の経験からつちかった情報をもとに脳科学で探っていきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

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