効率的に知識を身につけて頭が良くなる方法って何かありますか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきますね。
この記事を読んでわかることはコレ!
- 効率的に知識を身につけて頭が良くなる方法を脳科学で説き明かします。
効率的に知識を身につけられないあなたへ
効率的に知識を身につけて頭が良くなる方法
- 効率的に知識を身につけるためには知識の『獲得』、『固定』、『再生』の3つのステップを確実におさえましょう。
- 頭が良くなるためには知識を再生する時に第4のステップである『再固定化』が欠かせません。
- 知識の再固定化を常に心がけてすごしていれば頭はきっとよくなります。
そんな人たくさんいますよね。
子供のころから”復習をちゃんとやりなさい!”なんて言われ続けてきてがむしゃらに復習しているのになかなか覚えられない…
そんな風に思ってませんか?
とりあえず”今すぐにでも記憶力をアップさせたい…”なんて人はこちらの記事をまずはご参照ください。
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効率的に知識を身につける…
一見すると難しそうに思えるかもしれませんがちゃんとそのための準備をすれば簡単に知識は身につきます。
それではまずは効率的に知識を身につけるための準備を始めてみましょう。
効率的に知識を身につけるための準備
初めてあった人の名前を覚えなければならないという状況を考えてみましょう。
最初のステップは相手の名前を知ることです。
知識を身につける-その1
“知ること”は情報を脳に送信することです。
“知ること”は知識を身につけるための第1ステップ…知識の『獲得』です。
次にすることはこの情報を脳に保存することです。
知識を身につける-その2
脳に情報を登録して刻み込む行程が知識を身につけるための第2ステップ…知識の『固定』です。
最後は知識の思い出しです。
知識を身につける-その3
覚えた知識を思い出す作業が最後の行程であり知識を身につけるための第3ステップ…知識の『再生』です。
私たちは初めてあった人の名前を覚える時に無意識にこの3つのステップを必ず踏んでいます。
多くの人が苦労するのはこの3つのステップの中の『固定』です。
なかなか覚えられないのはこの固定がうまくできていないのです。
強いインパクトを持った人であれば自然に相手の名前を憶えてしまうでしょうからそんなに苦労せずとも相手の名前は脳に固定されます。
しかし印象の薄い人であったらどうでしょう?
なにか工夫しないとその名前は脳に固定されずに消えていってしまいます。
知識を身につける-その4
知識が脳の中で固定されて記憶として登録されるためにはある脳の記憶専用のネットワークの遺伝子が活発に働いて記憶に必要な物質が合成される必要があります。
ですからいくら自分で覚えたと思っていてもこの物質が作られないと知識は脳に固定されません。
しかし一度その物質が作られて知識が固定されてしまえば記憶専用のネットワークの遺伝子が再び働かなくとも知識は再生されます。
つまり知識が固定さえされれば簡単に思い出せるはずなのです。
ここまでが知識を身につけるための準備です。
一度固定された知識は簡単に再生されるはずなのに忘れてしまうのはなぜなんでしょう?
実はここに大きな落とし穴があるのです。
効率的に知識を身につけるための落とし穴
知識を身につけるために説明した3つのステップは多くの専門書でも説明されています。
3つのステップを踏むことで知識が身についていくことを強調しやたらと復習することをわれわれにうながしてきます。
それに気づかずに復習をしていると
”場合によっては復習しない方が成績が良い”
などという一見すると矛盾した事態が起こってしまいます。
あなたはある数式を勉強しています。
しっかり勉強して覚えました。
試験の前の日に復習してその数式をしっかり復習して覚えていることを確認しました。
しかし翌日の試験ではその数式が思い出せません。
教科書のどのあたりに書いてあったのかは何となく覚えているのにうまく思い出せません。
結局試験ではその問題は解けませんでした。
どこかに書いてあったかは思い出せるのに肝心の数式が思い出せない…
これが知識を身につけるうえでの”落とし穴”です。
知識を身につける-その5
脳に固定された記憶を再生する時には記憶専用のネットワークの遺伝子が働かなくとも知識は再生される…と先ほど言いましたがここが”落とし穴”なのです。
脳に固定されたと思っていた知識を不用意に再生してしまうとその知識は記憶専用のネットワークから消去されてしまうのです。
自分の中ではちゃんと覚えていると思っていても脳は一度再生した知識はもう必要のないものと判断してその知識を消去して次の知識の固定に備えるのです。
ですから知識を再生する時に記憶専用のネットワークの遺伝子は働かないのです。
しかし本人にその意識はありません。
ですから覚えていたはずなのに思い出せないのです。
知識を身につける-その6
今まで長らくの間3つのステップを踏むことで知識は身につくと考えられてきました。
しかし実は第4のステップがあったのです。
その第4のステップとは知識の『再固定化』です。
知識の『再固定化』をしないと脳に刻み込んだはずの知識は1回限りの儚い(はかない)知識となって消えていってしまうのです。
復習をしたにもかかわらず試験の時に数式が思い出せなかったのは復習で再生した知識がその場で脳から消去されていたからです。
その時に知識の再固定化をしていれば試験では思い出せたはずです。
復習は知識の習得には欠かせない作業です。
これは間違いではありません。
しかし中途半端な復習は知識のむだな再生作業と化してしまい脳に固定された知識をただ単に消去するだけの作業になってしまう可能性もあるのです。
復習することがかえって事態を悪化させているのです。
それでは最後に落とし穴に落ちずに効率的に知識を身につけるために必要な最終ステップである『再固定化』を説明しましょう。
効率的に知識を身につけて頭を良くする
知識を身につける-その7
知識の『再固定化』とは脳に固定された知識を思い出して再生する時に再び意識して知識を脳に固定する作業を行うのです。
知識がもっとも不安定になるのは“覚えかけ”の状態の時です。
知識を身につける-その8
覚えかけの時期に何度も知識を思い出して最初に脳に覚えこませた時と同じように脳の記憶専用のネットワークの遺伝子を活発に働かせて知識の固定を強固なものとするのです。
ただなんとなく知識を思い出してわかった気になるのでなくしっかりと思い出せるかやってみてください。
知識があいまいな時は再び知識を脳に刻み込んでください。
なんとなくわかった気になっているのが一番危険です。
そのような知識は一度再生しただけでほぼ間違いなく消え去ってしまいます。
知識を“思い出す”という行為は“覚えなおす”という行為と表裏一体です。
思い出すことで知識は脳から消えかかっています。
知識が危ういこの状態を”ふたたび覚えなおす=再固定化する”ことで知識はより安定したものとなって脳に刻み込まれていくのです。
なんて思っているのが一番危険です。
知識を身につける-その9
もう一度自分の知識を再確認して脳に再固定化する作業を怠らなければあなたの脳には次々と知識が刻み込まれていくことでしょう。
ちょっとひと手間かけるだけで知識は簡単に身につきます。
日々の生活や仕事の中でも知識の再固定化を心がけてすごしてみてください。
とりあえずすぐにでも頭が良くなりたい人はこちらを参照してみてください。
”効率的に知識を身につけて頭が良くなる方法の脳科学”のまとめ
効率的に知識を身につけて頭が良くなる方法について脳科学的に解明してみました。
今回のまとめ
- 効率的に知識を身につけるためには知識の『獲得』、『固定』、『再生』の3つのステップを確実におさえましょう。
- 効率的に知識を身につけるためには知識を再生する時に第4のステップである『再固定化』が欠かせません。
- 知識の再固定化を常に心がけてすごしていれば頭はきっとよくなります。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
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