性欲において草食系と肉食系、男子と女子…どう違うんでしょうか?
オルガスムって男子と女子でどう違うんでしょうか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い、勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
- 禁断の領域である性欲を脳科学で解き明かします。
性欲を脳科学する
禁断の領域である性欲を脳科学する
- 性欲において草食系が増加し肉食系が減少する傾向にあります。
- 性別では女子はどちらかと言うと肉食系、男子はどちらかと言うと草食系になりつつあります。
- オルガスムに達すると男子も女子もほぼ同じ脳の部分が働いて快楽を感じます。
- しかし女子には男子にない脳の働きによってオルガスムによって脳が感じる頂点は男子よりも高く仕組まれています。
これから性欲について草食系と肉食系、男子と女子について話をしていきます。
最初に言っておきますが今回の話はあくまでも【性欲の脳科学】です。
“性欲の心理学”や“性欲の精神論”ましてや”性欲の生命科学”などではありません。
つまり心理的、精神的に性欲に対して心の中であなたがどう思っているか、生命科学的に性欲がそのような影響をもたらすのかを考えるのではありません。
あなたの脳が性欲をどう感じているかだけを探っていきます。
ですから当然異論反論あることと思います。
なんて意見も当然あるでしょう。
しかし脳が性欲に対してどのように働いているかを知っておいても損はないと思います。
性欲における草食系と肉食系
草食系は受け身な感じで消極的なイメージ。
肉食系は情熱的積極的でがっついてるイメージ。
そんな感じでしょうか。
では実際の性経験の実態はどのようになっているのでしょうか?
性経験のない未婚者の割合をみると
18-34歳 男性 42.0%
18-34歳 女性 44.2%
となっています。
30代前半の男性を除き男女ともにすべての年齢層において性経験のない未婚者の割合は増加しています。
この数字だけを見ると性欲に関しては草食化が進んでいるということになります。
性欲のヒミツ-その1
ヒトの性的本能は脳の進化的に古い時代に作り上げられた“大脳旧皮質”と呼ばれる部分が関係しています。
しかし最近の性経験の傾向から性的本能には比較的新しい脳である“大脳新皮質”がより深く関わるようになってきています。
これには生活環境が整備されて、清潔感のある生活が日常になっていることが影響しているのかもしれません。
今の日本はたいがいどこにいっても過剰なくらいきれいで衛生的です。
その延長で性経験にも清潔感を求める傾向が強くなってきています。
性欲のヒミツ-その2
現代では獣的な行為に満ちあふれた3次元の性経験は受け入れ難く、より清潔感のある2次元の世界で性的本能を満たす方が好まれるのかもしれません。
実際に2次元の画像や映像を見ている時には大脳新皮質はとても活発に働いています。
そもそも動物では性経験は性欲を満たし生殖活動のためにあります。
しかしヒトでは性経験に恋愛感情が生殖活動以上の大きな影響をあたえています。
そもそも恋愛感情は、性経験において生命の繁殖には直結しない欲望であり、生物学的に見ればただのお飾りの感情にすぎません。
しかし現代ではお飾りであったはずの恋愛感情がますます肥大化してきています。
性欲のヒミツ-その3
大脳新皮質が働くことで、2次元の世界での恋愛感情によって性的本能が満たされてしまえば、本来働くはずの大脳旧皮質は働かずじまいです。
大脳旧皮質は性的本能において本来の目的である性欲を満たし生殖活動を行うときに活発に働きます。
ですからやむにやまれぬ性欲で大脳旧皮質が働く必要がなくなったのです。
大脳旧皮質は食欲にも大きく関わっています。
ですから食欲が満たされれば大脳旧皮質はそれで満足なのです。
性欲のヒミツ-その4
“性欲を食欲で代用する”…そのようなことが脳の中で起きているのかもしれません。
”性的本能が実際に性経験をしなくても満たされてしまう”…これが草食系の脳で起きていることなのです。
肉食系と呼ばれているヒトはそもそもの性的本能が通常に機能しているだけであって、特別なことはなにもありません。
草食系が増えれば、今まで普通に思えていた性的本能が肉食のように思えてしまうのでしょう。
今後肉食系がますます減って、性欲を満たす生殖活動のための性経験がますます行われなくなるとどうなるでしょう。
いまだかつて性欲がなくなって繁殖せずに絶滅した種はありません。
性欲における男子と女子
ヒトの性的本能には2つの要素があることを説明しました。
性欲を満たし生殖活動をおこなうこと
恋愛感情の究極の目的
しかし脳科学的な性的本能は、この2つと言われています。
この2つのどちらに重きをおいて性的本能を満たすかが男子と女子とでは違ってきます。
以前は男子でも女子でもそんなに違いはありませんでした。
当然個人差はありますし人種の差もあります。
性欲のヒミツ-その5
男子でも女子でも恋愛感情が高まって性経験をしてその先に生殖活動があることが性的本能の王道でした。
しかし最近では男子はより恋愛感情の比率が高くなり、女子では性欲や生殖活動の比率が高くなってきています。
ここからはきっとますます異論反論が出てくると思いますが色々な意見があって当然です。
そもそも男子と女子では生命科学的に大きな違いがあります。
その違いとは女子は生殖能力を備えているということです。
男子はどうがんばっても男子だけで繁殖をすることは不可能です。
現代のヒトでは女子だけで繁殖することは不可能です。
しかし女子だけで繁殖が可能な種も地球上にはいくつも存在します。
ヒトもいずれ自分の細胞を自分の体内で育てて繁殖することが可能になる時代が来るのかもしれません。
しかし女子の体の進化やクローン技術の進歩などによって人類滅亡なんてことが起こることはきっとないでしょう。
ですから女子で性欲や生殖活動の比率が男子よりも大きいのは当然の結果なのです。
性経験はあくまでも性欲があってのものですから、恋愛感情よりも性欲や生殖活動の比率が高いのは性的本能の本来の姿です。
また女子に性欲が強いのは次の項目であるオルガスムにも関係してきます。
男子では性欲や生殖活動に対する欲求が低下したというよりも、恋愛感情が女子以上に大きく膨らんできています。
女子と深くかかわることで恋愛感情を発展させて、性経験につなげていくことがうまくできなくなってきているのかもしれません。
しかし性的本能を満たしたいという欲求はちゃんと存在します。
ですから男子は、非現実的な2次元の世界や3次元でも性経験を求めない恋愛で性的本能を満たそうとしているのです。
そもそも男子は性経験をしても生殖活動を自分だけで行うことはできません。
ただただ性欲を満たすためだけの性経験を求める男子は明らかに減少してます。
性欲のヒミツ-その6
女子はどちらかと言うと肉食系、男子はどちらかと言うと草食系
現代の性欲はそんな傾向になりつつあります。
男子では草食系を通り越して、絶食系男子も出現してきていますから、この傾向は今後ますます進むのではないでしょうか。
色々な意見があって当然ですし、全員が同じ考えのことなんてありえないわけですから、あくまでも参考程度にお考えください。
オルガスムの脳科学
オルガスムは性欲における快楽の頂点です。
オルガスムは当然個人差がありますし、脳のさまざまな部分が関与するとされていますが、いまだ不明なことが多くあります。
なぜならオルガスムに達した時の脳の活動を計測することが難しいからです。
人前でオルガスムに達してその時に脳の検査をしなければいけないのです。
そんなことがはたしてできるのでしょうか?
しかし色々な研究があるものです。
ちゃんと男子と女子でそれぞれにオルガリスムの脳科学については研究結果が報告されています。
男子も女子も自慰行為によってオルガスムに達してもらい、その時に脳のどこが活発に働いているかを調べます。
性欲のヒミツ-その7
男子も女子もオルガスムに達した時には、脳の報酬系回路と運動予測の部分が活発に働いていました。
“報酬系回路の脳科学”についてはこちらの記事をご参照ください。
こちらもCHECK
“Get Wild退勤”で仕事の達成感を得る!脳内妄想を脳科学で説く
「”Get Wild退勤”で仕事の達成感を得る」とはどういうことなのでしょうか? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医と ...
続きを見る
男子でも女子でも自慰行為の運動によってどのような感情が得られるかを脳は理解しきれていないのです。
きっと脳にとっては予想外の運動なのでしょう。
しかし自慰行為によって得られる感情は脳が大好きな快楽です。
そのため通常以上に快楽に過敏になり、報酬系回路が働きまくるのです。
基本的には男子と女子とではほとんど同じです。
しかし当然違いもあります。
性欲のヒミツ-その8
オルガスムに達した時に女子にだけ見られる脳の活動があります。
脳の中で幹(みき)にあたる脳幹の”中脳”という部分は女子だけ活発に働きます。
中脳が活発に働くといわゆる“われを忘れる”感覚になります。
われを忘れるくらいの究極の快楽を女子は感じているのです。
中脳はパニック状態になった時にも活発に働きます。
パニック状態では“われを忘れる”というよりは“頭の中が真っ白”な状態です。
なにがなんだかわからなくなっています。
われを忘れるくらいの快楽を得るとパニック状態になって頭の中が真っ白になって時には失神してしまう…
そんな究極の状態です。
ですから女子の方がオルガスムの頂点がより高いのです。
この感覚は男子にはありません。
しかも女子はオルガスムを短時間の間に何度も体験し、その頂点はどんどん高くなっていく傾向があります。
男子では決して味わえない感覚です。
性欲のヒミツ-その9
女子は男子よりも性欲がもともと強くなるように脳の働きが仕組まれているのです。
“禁断の領域である性欲を脳科学する”のまとめ
性欲を禁断の領域と言ったのは、性欲にはさまざまな側面があるからです。
脳科学だけでなく心理学的な精神論、倫理的な問題、生物学や生命科学的な問題…
さまざまな要素が絡み合っています。
最近では技術の進歩によってクローン化も可能になり、ますます過熱しています。
ですからある1つの側面だけ眺めていると、別の側面を眺めている人から異論反論が噴出することは当然のことです。
あくまでも脳科学から見た一個人の意見であり、参考程度に頭の片隅にでも入れておいていただければ、いつの日か何かの役に立つかもしれません。
今回のまとめ
- 性欲において草食系が増加し肉食系が減少する傾向にあります。
- 性別では女子はどちらかと言うと肉食系、男子はどちらかと言うと草食系になりつつあります。
- オルガスムに達すると男子も女子もほぼ同じ脳の部分が働いて快楽を感じます。
- しかし女子には男子にない脳の働きによってオルガスムによって脳が感じる頂点は男子よりも高く仕組まれています。
- あなたに合った性欲を満たすスタイルをぜひ見つけ出してみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
最後にポチっとよろしくお願いします。