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IQが高い人の脳の特徴ってなに?~大人になってもIQを伸ばすための脳科学

2020-10-01

IQ-A2

IQが120を超えるずば抜けて高い人の脳ってどんな特徴があるんですか?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

  • 120以上の高いIQの人の脳の特徴を知ることで年齢に関係なく大人になってもIQを伸ばす方法を脳科学で解き明かします。

 

IQが120を超えるずば抜けて高い人の脳の特徴

IQ-1-min

”IQと脳の関係”を脳科学で解き明かす

  • IQが高い人はより大きくて重たい脳を持っています。
  • IQが120を超えるずば抜けて高い人の脳の特徴は13歳までの脳の成長にあります。
  • IQが高い人は勉強も運動もできるのは本当です。
  • 年齢に関係なく大人になってからでもIQを伸ばすことは可能です。
  • 有酸素運動と読書を習慣化して脳と体をきたえてIQを伸ばす生活を心がけましょう。
へなお
みなさんは“IQ”って言葉を一度は聞いたことありますよね?

 

IQのヒミツ-その1

IQとはIntelligence Quotientの略語で知能指数のこです。

IQは数字で表されて大きな数字ほど知能が高く低いほど知能が低いというなんとも残酷な指標です。

 

普通はだいたい100くらいになるように設定されています。

 

IQは110を超えてくると知能が高い人と思われます。

 

IQが120を超えてくるとずば抜けた脳を持っている人と思われます。

 

へなお
それではIQが高い人ってどんな人なのでしょう?

 

へなこさん
IQが高い人はより大きくて重たい脳を持っているんでしょ…

 

なんていう人がいますがそれって本当なんでしょうか?

 

へなお
その答えはすでに出ていて本当なんです。

 

へなこさん
それじゃあ脳の検査をすればIQが高いか低いかもわかっちゃうの?

 

IQのヒミツ-その2

頭の良さは脳の大きさに比例します。

ですから脳の検査をして脳の大きさを見ればあなたの知能はバレバレです。

 

へなこさん
え~信じられない…

 

へなこさん
そんなこと言ったらクジラやゾウは体も大きいけど脳はきっと人間よりも大きいし重そうだから人間よりも知能が高いってこと?

 

そう考えるのが普通ですよね。

 

しかし脳が大きいから重いからと言って知能が高いとは限りません。

 

へなこさん
さっきIQが高い人はより大きくて重たい脳を持っているって言ったじゃないですか…

 

そんな声が聞こえてきそうです。

 

でもよく注意してみてください。

 

へなお
“IQが高い人”とは言いましたが“IQが高い動物”とは言っていません。

 

知能は種族によってまちまちです。

 

そんなさまざまな種族の脳を調べていくとおもしろいことがわかります。

 

一般に小型の動物ほど体重のわりに脳は重たく逆に大型の動物ほど脳は軽いのです。

 

これを法則化した研究があります。

 

脳の重さは体重の0.75乗に比例します。

W.A. Calder, Harvard University Press, 1984

 

この法則は“スケーリング”と言われる式でほとんどの動物に当てはまる黄金方程式です。

 

へなお
しかしこの法則が通用しない動物が1つだけあります。

 

それが人間です。

 

ヒトの脳はこの法則よりも重い方に外れてしまいます。

 

つまり動物の世界ではヒトだけが例外的に大きな脳を持っているのです。

 

ですからヒトの脳は他の動物とは異質であり単純に比較することはできないのです。

 

ですからヒト同士で比べるしかありません。

 

ヒトの脳の大きさとIQの関係を調べた研究もちゃんとあります。

 

研究結果で脳の大きな人ほどIQが高いことを示しています。

特に”大脳皮質”といって脳の表面をおおっている皮のような部分が分厚いヒトほどIQが高いことがわかりました。

Narr KL, et al, Cereb Cortex 17:2163-2171, 2007

 

つまり脳の検査をして脳の大きさを見ればあなたの知能はバレバレなのです。

 

それでは大脳皮質が厚ければIQが高いと言い切っていいかと言うと必ずしもそうとは限らないのがまたまた複雑なところです。

 

IQが110を超えるような知能が高い人の大脳皮質が厚いのは確かです。

 

しかし普通の人との差がはっきり現れるのは9歳以降で13歳までにその差が決定的になります。

 

つまりIQが高い人も生まれながら大脳皮質が厚いわけではないのです。

 

へなお
ではIQが120を超えるようなずば抜けた脳ではどうでしょう?

 

意外にも9歳まではむしろ平均よりも大脳皮質は薄いのです。

 

しかし13歳になるまでの間に一気に大脳皮質は分厚く育っていきます。

 

生まれた時にたとえ脳が小さかったり大脳皮質が薄かったりしてもなにも問題ではありません。

 

逆に脳が小さく大脳皮質が薄い方がそのあとの脳の成長速度を上げるのにはよいのかもしれません。

 

まさに“大器晩成(たいきばんせい)”と言えるでしょう。

 

IQのヒミツ-その3

IQが120を超えるずば抜けた人の脳のヒミツは13歳までの脳の成長にあるのです。

 

13歳と言えば中学1年生です。

 

脳科学的視点から見るといかに小学生の時期に脳を成長させるかでIQは大きく違ってくるのです。

 

IQが高い人は勉強も運動も得意なの?

IQ-2-min

IQのヒミツ-その4

IQが120を超えるずば抜けた人は当然勉強の成績は抜群です。

しかも運動でもずば抜けた能力を発揮します。

 

へなお
勉強だけじゃなくて運動もできてすごいわねえ…なんて言われてる人クラスに1人は必ずいましたよね。

 

そんな人は当然誰からも好かれてクラスの人気者です。

 

誰もがうらやむ存在です。

 

へなお
”IQが高い人は勉強も運動もできる人”は脳科学で証明された事実なのでしょうか?

 

へなお
それともただの偶然なんでしょうか?

 

学力と運動の関係についてはさまざまな議論があります。

 

賛成意見も反対意見もたくさんあります。

 

学力と運動の関係について詳しく調べた研究の1つを紹介しましょう。

 

学力と運動能力の関係を調べると勉強の成績が良い人ほど運動も得意という結果がでました。

特に有酸素運動と学力はとても密な関係にあることがわかりました。

Hillman CH, et al, Nat Rev Neurosci 9:58-65, 2008

 

へなお
やはり“IQが高い人は勉強も運動もできる人”という結論が今の主流の考え方のようです。

 

学力といっても色々な分野があります。

 

科目別でみるとさらにおもしろいことがわかります。

 

IQのヒミツ-その5

国語や算数では有酸素運動をする時に活発に働く脳の部分とほぼ同じ部分が活発に活動することがわかっています。

その一致率は40%以上でありとても高い確率です。

ですから学力の中でも特に国語と算数ができる人は運動も得意なのです。

 

へなこさん
なんだか不思議ですね。

 

運動と言ってもどんな運動で学力と関係しているかと言うとそういう訳ではありません。

 

先ほども出てきましたが学力と関係しているのは有酸素運動です。

 

有酸素運動とは字のごとしで動いている時に酸素を使う運動で時間をかけて少しずつ体に負荷をかけていきます。

 

たとえばジョギング、水泳、エアロビクス、サイクリングなどが有酸素運動になります。

 

一方で有酸素運動と対照的なのが無酸素運動です。

 

無酸素運動とは瞬発的に体に負荷がかかるような運動で短時間に集中的にエネルギーが消費されます。

 

たとえば筋力トレーニングや短距離走を必要とするような運動です。

 

無酸素運動では勉強する時とは全く違う脳の部分が活発に活動しますので学力との関係性は示されていません。

 

しかしIQが高い人は無酸素運動においても無意識のうちに脳の働きをうまくコントロールしていますので決してこの通りというわけではありません。

 

IQの高い人の脳を完全に分析するのは今の脳科学ではまだまだ難しいようです。これからもっと解明されていくことを期待しましょう。

 

へなお
最後に注意しておいていただきたいことがあります。

 

学力と運動の関係について調べた研究はあくまでもさまざまなデータをもとに統計学的にどのような傾向があるかということまとめたにすぎません。

 

つまり“IQが高い人は勉強もできるし運動もできるという傾向がある”ということです。

 

へなこさん
なんだかややこしいですね。

 

“IQが高い”ということと“勉強も運動もできる”ということは高い関係性があることは確かですが絶対的なものではないということです。

 

当然IQが高くても勉強もできないし運動もできない人もいるでしょう。

 

逆にIQが低くても勉強も運動もできる人もいるはずです。

 

へなお
白か黒かで区別することはどんな分野でも難しいものです。

 

へなこさん
“どちらかと言うと白っぽいグレー”とか“黒っぽいグレー”なんて感じでしょうか。

 

統計学的な研究はあくまでも軽く聞き流す程度の知識として受け止めてもらうのがちょうどよいのです。

 

あまり深く信じ込みすぎると無用な混乱や誤解を招いてトラブルのもとになりかねません。

 

へなこさん
〇〇君は勉強もできるし運動もできるからきっとものすごくIQが高いんだね

 

そんな“話のネタの1つ程度”の軽い気持ちで理解してもらえればよいかと思います。

 

年齢に関係なく大人になってもIQを伸ばす方法

  IQ-3-min

ここまではどちらかと言うと若い人向けのIQのお話でした。

 

へなこさん
自分はもう年をとってしまったからいまさらIQを上げるなんて無理ですよ…

 

なんて思ってないですか?

 

へなお
大丈夫です。安心してください。

 

IQのヒミツ-その6

IQは年齢に関係なく大人になっても上げることは全然可能です。

 

効率的に知識を身につけたり記憶力を上げたりすることは日常生活のちょっとした気遣いでいくらでも可能です。

 

まずはこちらの記事を読んでみてください。

 

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学力と運動の関係では有酸素運動が有効であることを説明しました。

 

IQのヒミツ-その7

有酸素運動は決して若い人だけに有効なのではなく年齢に関係なく有効です。

ですから有酸素運動の習慣を日々の生活の中に取り入れれば大人になってからでもIQを上げることは可能なのです。

 

実際に年配の人に有酸素運動を定期的に行ってもらった結果集中力が高まってIQが上がったなんて研究もあります。

Hawkins HL, et al, Psychol Aging 7:643-653, 1992

 

多くの方が誤解しているであろうことは“歳をとると脳が衰えてIQが下がる”と思っていることです。

 

へなお
歳をとると脳が衰えるという考えはおそらく間違えています。

 

へなお
歳をとると衰えるのは脳ではなく体力です。

 

学力でも運動でも鍛えるためには体力が必要です。

 

たとえば読書をするには同じ姿勢で長い時間集中しないといけません。

 

有酸素運動をするにも長い時間をかけて少しずつ体を動かしていかなければなりません。

 

これができなくなっている人は脳が衰えているのではなく体が衰えているのです。

 

脳はそんなに簡単には衰えません。

 

当然IQもそんなに簡単に下がったりはしません。

 

年齢とともに下がるのは圧倒的に体力なのです。

 

へなお
読書をするのに体力が必要なんてあまり考えたことがないかもしれませんね。

 

しかし体力がなければ読書はできません。

 

IQのヒミツ-その8

まずは有酸素運動を習慣化して体力をつけることから始めましょう。

有酸素運動をすることで脳が活発に働き集中力がアップしてきます。

体力と集中力がアップしたところで本を読むことを習慣化してきましょう。

すると有酸素運動と読書の相乗効果で大人になってもIQを上げることはいくらでも可能です。

 

もう脳が衰えているから無理…なんて発想をまずは捨ててしまいましょう。あなたの脳はまだまだ元気です。

 

へなお

少しずつでも有酸素運動と読書を始めてみませんか。

まずはこの3冊がお勧めですよ。

 

 

”IQと脳の関係”のまとめ

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120以上の高いIQの人の脳の特徴を知ることで年齢に関係なく大人になってもIQを伸ばす方法を脳科学で探ってみました。

今回のまとめ

  • IQが高い人はより大きくて重たい脳を持っています。
  • IQが120を超えるずば抜けて高い人の脳の特徴は13歳までの脳の成長にあります。
  • IQが高い人は勉強も運動もできるのは本当です。
  • 年齢に関係なく大人になってからでもIQを伸ばすことは可能です。
  • 有酸素運動と読書を習慣化して脳と体をきたえてIQを伸ばす生活を心がけましょう。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、血管内治療、放射線治療を中心に某総合病院で勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、あなたのまわりのありふれた日常を長年の経験からつちかった情報をもとに脳科学で探っていきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

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