あなたにとってサウナの聖地はどこですか?
聖地にはどのような意味があるのでしょうか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
聖地の意味を脳科学で説き明かします。
「サウナの聖地」とは?
聖地の脳科学
- 「サウナの聖地」とは多くのサウナ―にとって「サウナにおける重要であこがれの場所」です。
- 「聖地」という言葉には、スピリチュアルの世界と脳科学の世界…一見すると矛盾しているものの濃密に関係し合っている2つの世界観が関わっています。
- スピリチュアルの世界観では、自分が意図せずとも「ご縁」と「直感」で運命的に導かれ、そして最高の「サウナでととのう」を生み出す場所こそが「聖地」です。
- 脳科学の世界観では、脳内麻薬の作用によって誰もが最高の「サウナでととのう」を体感できる憧れの場所こそが「聖地」です。
- この2つの世界観を合わせた自分なりの「サウナの聖地」を見つけてみてください。
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ネットで「サウナ 聖地」で検索すると、最初に出てくるのはサウナしきじです。
サウナしきじは静岡県静岡市にあるサウナ施設です。
サウナしきじの魅力はなんと言っても水風呂でしょう。
「マツコの知らない世界」でも紹介され、ますます人気です。
当然サウナしきじ以外にもサウナの聖地と呼ばれる施設は日本全国にたくさんあります。
鹿児島の学会の際に訪れたホテルニューニシノ。
地下930メートルから湧き出る天然温泉、フィンランドサウナ、備長炭温泉蒸気サウナ…その先には最高のととのいが待っています。
神戸の学会の時に訪れた神戸サウナ&スパ。
2022年7月9日にリニューアルされたフィンランドサウナでのセルフロウリュは最高です。
いずれも日本を代表する「サウナの聖地」です。
また一般に聖地と呼ばれていなくても、みなさんそれぞれで自分にとっての「サウナの聖地」があるのではないでしょうか?
自分にとっての「サウナの聖地」は、なんといっても「COCFUROたかの湯」と「亀遊舘」です。
COCOFUROたかの湯の魅力はなんといってもミュージックロウリュです。
サウナ室に響き渡る音楽を聴きながらの爆風の先には最高のととのいが待っています。
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亀遊舘の魅力は街中銭湯とは思えない施設の充実度です。
高温でアロマ漂(ただよ)うサウナ室、時にミントのブルーが涼しさをアップする水風呂、そして街中銭湯にはめずらしい最高の外気浴スペース。
これでととのわないはずがありません。
では「聖地」にはどのような意味があるのでしょうか。
「聖地」とは?
サウナの聖地、ドラマの聖地、アニメの聖地…
聖地と言っても色々あります。
多くの人が「聖地」と言って使うのは②の「重要であこがれの場所」の意味の方でしょう。
しかし、そもそもの「聖地」の意味は「宗教の発症となるなど神聖なものとされる土地」の意味から始まっています。
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イスラム教を例に見てみると、メッカ、マディーナ、エルサレムが三大聖地としてあげられています。
またイスラム教シーア派となると、上記のほかにカルバラー、ゴム、サーマッラー、ナジャフ、マシュハドがあげられます。
いずれもイスラム教に深く関わりがある土地であり聖地としてあつかわれています。
それが転じて現代では「ある分野において重要とされる土地」を表す際にも「聖地」という言葉が使われるようになったわけです。
つまり多くの人が使っている「聖地」は、宗教的な意味合いは薄らいで、「重要であこがれの場所」といったニュアンスで使われています。
ちなみに「サウナのメッカ」、「サッカーのメッカ」「アニメのメッカ」などで使われる「メッカ」という言葉は、上記のイスラム教の聖地メッカに由来するとされています。
日本で「聖地」がこのような意味で使われるようになったのは、2000年代に入ってからです。
2004年6月7日付の日本経済新聞の「路上ライブ『ゆず』ゆかりの地に巡礼者」という記事が初出で、その中で「聖地」という言葉が使われています。
その後「聖地」という言葉が注目されたのは2016年です。
映画『君の名は。』が大ヒットして、作品のモデルとなった東京都内や岐阜県飛驒市をファンが巡る「聖地巡礼」が話題となりました。
「聖地」が街おこしや地域経済の活性化につながるキーワードとして紙面に登場する回数も増え、いまや「聖地」という言葉は「重要であこがれの場所」という意味で定着しています。
スピリチュアルの世界の「聖地」
ではなぜ「重要であこがれの場所」をわざわざ「神聖なる土地」というスピリチュアルの世界に結びつけようとするのでしょうか?
その思考の根源には「ご縁」と「直感」が関わっています。
映画『君の名は。』は「ご縁」について深く考えさせるストーリーです。
主人公のカップルは「前前前世からつながっていた縁」であり、しかも赤い糸が縦と横に織(お)られ、糸がご縁を象徴して物語は展開していきます。
そして「ご縁」を気づかせてくれるものが「直感」です。
直感を働かせるには深刻に考えすぎないことが大切です。
脳も心も“ゆるゆるの状態”であるほど直感は働きます。
ゆるゆるの状態とは、我がなくなり、おまかせ、受け入れの境地です。
そのため、ゆるゆるの状態では天意と結ばれる…つまり宇宙と繋がりやすい状態と言えます。
懐かしい魂のふるさとに帰るような心境です。
スピリチュアルの世界にでは、自然に導かれていく、自分の意思であったとしても、直感の流れに乗ってゆるゆるの状態でたどり着く場所…それこそが「聖地」なのです。
さらに言えば、「ご縁」と「直感」には運命がつきまといます。
運命とは「命を運ぶ」と書きます。
つまり運命とは自分の魂が演出しています。
自分の魂には「ご縁」と「直感」がついてまわります。
そして人生の転機には必ず運命が関わってきます。
ですからあなたの「ご縁」と「直感」で自分の人生の流れは大きく変わるのです。
運命的な出会いは、それぞれの守護天使がそれぞれの魂のシナリオに従って演出してきます。
運命的な出会いは、お互いにとってとても大切な出来事なので、守護天使同士も話し合いをして、その時を準備万端に整えて待っています。
ですから自分が「重要であこがれの場所」と思っている土地に訪れた時に、“ビビビッ”と脳の中で電気が走れば、それは運命の出会いであり、あとは流れに身を任せればよいのです。
運命の相手の守護天使が呼びかけて、あなたを招き入れようとしているのでしょう。
自分が意図して思ったり考えたりしている表面意識と違った言葉であっても、それは運命の声であり、魂の本音のささやきなのです。
運命によって命が運ばれたところには、命が宿り=「宿命」、そして命が使われます=「使命」。
「宿命」は運命によって定められた約束であり、「使命」は命をどのように使うか、人生の目的、そして役割です。
ですから「運命」によって導かれた「重要であこがれの場所」では、さまざまな銀河や星から命を持った魂たちが「宿命」として集まり、そして「使命」として一生懸命に動き回っています。
湯船、サウナ、水風呂、休憩イス、そしてその施設の人たち、サウナを愛するサウナ―達との運命的な出会いは、自分が意図せずとも「ご縁」と「直感」で運命的に導かれ、そして最高のととのいを生み出します。
サウナの聖地でととのえば脳内には“ビビビッ”どころではなく“ビビビビビビビビビッ”くらいの電気が走るはずです。
「重要であこがれの場所」を「聖地」と呼ぶのは、このようなスピリチュアルの世界観が必然的にそうさせているのです。
脳科学の世界の「聖地」
ここまでの説明ですと、「聖地」はスピリチュアルの世界だけのもののように思われるでしょう。
それでは「聖地」を脳科学的な観点から見るとどのようにうつるのでしょう?
しかし世の中はこの2つの世界観が濃密に凝集されて成り立っています。
そもそも科学とは、自然や動物、そして人間の仕組みを究明する営みです。
現代科学の原点は、古代から中世にかけての西洋にあります。
脳科学も同じです。
脳の研究の始まりは、文明の始まりと時を同じにします。
人類が自らの知性をもって文明を開拓した2500年前、人類は脳の存在を意識し、その研究が始まりを迎えました。
では、なぜ西洋人たちは自然や動物、そして人間の仕組みを知りたがったのでしょう?
その根本にはおそらくスピリチュアルの世界があったはずです。
一神教では、この世の中は神が造ったもの、そしてその神の作りたまいし自然や動物、そして人間を理解することで、少しでも神に近づこうという思いがあったはずです。
だとすれば科学とは、本来きわめてスピリチュアル的な行為の一環となります。
ところがコペルニクスの地動説やダーウィンの進化論といった聖典とつじつまの合わない発見が相次ぐと、科学とスピリチュアルの世界が一見矛盾した存在に感じられようになったわけです。
脳科学も同じ構図を持っています。
そもそも脳科学とは、人間や動物の脳が生む出す機能について研究する学問です。
また脳科学は幅広い分野で研究が進んでいて、医学のみならず、生物学、遺伝学、電子工学、心理学などさまざまな学問と密接に関わり、脳細胞の活動や小さな分子レベルの研究が行われています。
一見すると脳科学は、純科学的な学問のように思われがちですが、突き詰めていくと理論や理屈のみでは説明しきれない矛盾したところがでてきます。
それは脳科学の根本にはスピリチュアルの世界観が広がっているからです。
たとえば次の科学的に有名な問題を考えてみてください。
問題1
商品AとBは合計で110円です。
AはBより100円高いです。
Bはいくらでしょう?
問題2
製造装置5台を5分間稼働させると製品が5個できます。
100台で100個作るには何分かかるでしょう?
問題3
1日で2倍になる浮草があります。
湖の全面をおおうには48日かかります。
湖面の半分をおおうには何日かかるでしょう?
これらの問題の共通点は、簡単に直感で答えを思いつくのですが、その答えは間違えているという点です。
正解は、問題1は5円、問題2は5分、問題3は47日です。
みなさんは何問正解できたでしょうか?
簡単に直感で思いつく答えは、問題1は10円、問題2は100分、問題3は24日です。
これらの答えを出した人は、科学的研究ではスピリチュアルの信仰心が強い傾向があるとされています。
つまり脳に“ビビビッ”とくる運命的なご縁と直感を信じているということです。
一方で、熱心に計算してすべてを正答した人は、科学的な論理を大切にする人と言えるでしょう。
このように科学的な世界とスピリチュアルな世界は紙一重であり、お互いが密に絡み合っているのです。
イスラエルは脳科学の分野では世界トップクラスの最先端の研究が行われています。
一方で、イスラエルの首都エルサレムは最初に説明したようにイスラム教の三大聖地の1つであり、しかもイスラム教のみならずユダヤ教やキリスト教の聖地でもあります。
どちらか一方にかたよっていても世の中うまくはいきません。
一生懸命計算したでしょうか?
それとも直感に頼って即答したでしょうか?
そのどちらでもなく、最初は熱心に考えようと意気込んだものの、結局は直感に頼って何となく答えを出した人がきっと多かったはずです。
サウナに入って、水風呂に入って、休憩イスでくつろいだ時、どのように感じるでしょうか?
きっちり3セットこなして、最後に休憩イスに座った時に脳内麻薬が大量に分泌されて、脳がトランス状態となり、スッキリした、気持ちいい、さっぱりしてととのった…これは科学的な感想です。
一方で、自分が意図せずともサウナとの「ご縁」と「直感」で運命的に導かれ、気づいたらぼんやりと「ととのった」と感じる…これはスピリチュアルな感想です。
「サウナでととのう」…これは科学的な世界とスピリチュアルの世界がまさにうまく融合した言葉と言えるでしょう。
“サウナでととのうの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考【サウナ好き必見】「サウナでととのう」の意味、方法、効果を脳科学で探る
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ココがポイント
「サウナの聖地」は脳科学的な見地から言えば、脳内麻薬の作用によって誰もが医学的に最高のトランス状態を体感し、最終的に最高の「サウナでととのう」を生み出す、多くの人が一度は訪れてみたいと思う、憧れの場所でしょう。
ココがポイント
一方、スピリチュアルな見地から言えば、「ご縁」と「直感」が導き出す「運命」を感じる、無意識的に“ビビビッ”と電気が走り、そして最終的に最高の「サウナでととのう」を生み出す場所と言えるでしょう。
この2つの世界観から導き出される「サウナの聖地」の見解は決して相反するものではありません。
どちらの考えも受け入れて自分なりの「サウナの聖地」を見つけ出すことがもっとも自然であり、人間らしい温かみがあるはずです。
“聖地の脳科学”のまとめ
聖地の意味を脳科学で説き明かしてみました。
今回のまとめ
- 「サウナの聖地」とは多くのサウナ―にとって「サウナにおける重要であこがれの場所」です。
- 「聖地」という言葉には、スピリチュアルの世界と脳科学の世界…一見すると矛盾しているものの濃密に関係し合っている2つの世界観が関わっています。
- スピリチュアルの世界観では、自分が意図せずとも「ご縁」と「直感」で運命的に導かれ、そして最高の「サウナでととのう」を生み出す場所こそが「聖地」です。
- 脳科学の世界観では、脳内麻薬の作用によって誰もが最高の「サウナでととのう」を体感できる憧れの場所こそが「聖地」です。
- この2つの世界観を合わせた自分なりの「サウナの聖地」を見つけてみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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