サウナの脳科学 脳を科学する

【サウナの脳科学】KIWAMI SAUNAから“極み”を学ぶ~“極み”を脳科学で探る

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KIWAMI SAUNAとはどのようなサウナなのでしょう?

 “極み”とは何なのでしょう?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

KIWAMI SAUNAから学ぶ“極み”を脳科学で説き明かします。

 

KIWAMI SAUNAから学ぶ“極み”

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”極み“の脳科学

  • KIWAMI SAUNAは2022年12月に愛知県名古屋市に古民家を改装して誕生したサウナ施設です。
  • KIWAMI SAUNAは入館から退館まで、すべてにおいて“極み”づくしの施設です。
  • “極み”は、脳が「快」を追求する欲求、そして「不快」を遠ざける欲求、2つの相反する欲求の絶妙なバランスの上に成り立っています。
  • “極み”に達したいという感情は、脳の様々な部分が協調して働く結果として生じます。
  • 脳は大自然や大宇宙の広大さや悠久さに圧倒され自分の小ささ感じるAwe体験をすると“極み”を感じやすくなります。
  • KIWAMI SAUNAは、まさにAwe体験そのものと言えます。
  • しかし“極み”の感じ方は人ぞれぞれ異なりますので、自分自身の脳で自分に合った“極み”を見つけてぜひ体感してみてください。

現代の日本では第3次サウナブームによって多くの施設がにぎわっています。

 

“サウナブームの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

サウナブーム-A2
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サウナの醍醐味(だいごみ)は何と言っても、サウナトランス=「サウナでととのう」でしょう。

 

温かいサウナと冷たい水風呂、休息タイムを繰り返す温冷交代浴では徐々に体の感覚が鋭敏になってトランスしたような状態になっていきます。

 

トランス状態になると、頭からつま先までがジーンとしびれてきてディープリラックスの状態になり、得も言われぬ多幸感が訪れます。

 

これがいわゆるサウナトランスであり、そして「サウナでととのう」の状態です。

 

”サウナでととのうの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

サウナでととのう-A3
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サウナ―達は至高のサウナトランスを味わうためにサウナに通うわけです。

 

より心地よいサウナトランスを味わうためには、すべてにおいて“極み”はとても大切でしょう。

 

銭湯サウナに入館してから退館するまでの流れ1つ1つの要素にそれぞれの“極み”があります。

 

サウナだけが極まっていても、その他の要素が今一つであれば残念ながら至高のサウナトランスは体感できません。

 

最初に「KIWAMI SAUNA」の名前を聞いた時に、まず思い浮かんだのは、店名に“KIWAMI”を付けるくらいなので、さぞかし極上のサウナなのだろう…という思いです。

 

そして実際にKIWAMI SAUNAを体感してみて思うことは、店名にふさわしい極上のサウナだった…ということです。

 

ではKIWAMI=“極み”とは一体何なのでしょう?

 

脳は“極み”をどのように感じるのでしょう?

 

へなお
KIWAMI SAUNAから学ぶ“極み”を脳科学で探っていきます。

 

 

KIWAMI SAUNA誕生までの歴史

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KIWAMI SAUNAは「究極のサウナ」をコンセプトに展開するサウナで、愛知県名古屋市西区浅間にあります。

 

KIWAMI SAUNAが注目される理由の1つに「令和の虎」があります。

 

令和の虎とは、YouTubeで配信されている番組です。

 

Tiger Funding(タイガーファンディング)という企画で、一般人の起業志願者(虎の子)が事業計画をプレゼンテーションして、それに投資をする審査員(虎)が出資の可否を決定する番組です。

 

2022年3月に放送された令和の虎で「日本一ととのう、究極のサウナをつくりたい」という企画で中島惇生(なかしまあつき)さんが条件つきオールを達成しました。

 

 

これがKIWAMI SAUNAのスタートです。

 

ここで提示された条件は「クラウドファンディングで200万を集めること」というものでした。

 

クラウドファンディング「CAMPFIRE」で資金を募り、結果は約1か月で658人の支援者から10,383,336円の資金が集まり目標が達成されました。

 

KIWAMI SAUNAの生みの親である中島惇生(なかしまあつき)さんは、そもそもは国立大学卒業後、三菱UFJ銀行の勤めるエリートでした。

 

 

エリート街道を突き進んでいましたが、当然日々の業務は多忙を極め、疲労とストレスからうつに近い状態まで追い込まれていたそうです。

 

そのような時に、中島さんの友人が気分転換でサウナに行くこと勧め、そこで中島さんの人生は大きな転換期を迎えます。

 

サウナで日々の重圧から解放され、サウナの素晴らしさにはまった中島さんは「サウナを自分の仕事にしよう」と決断し、銀行員を辞め、そしてサウナ事業を始める決断をしました。

 

その思いが多くの人々の共感を生み、クラウドファンディングで資金調達に成功します。

 

最初に掲げた「日本一ととのう、究極のサウナをつくりたい」という熱い思いがそのまま店名となり、2022年12月に「KIWAMI SAUNA」がオープンしたのです。

 

 

KIWAMISAUNAの体験レポ

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自分は先日初めてKIWAMI SAUNAを体験してきました。

 

まずは自分が感じた体験談をご報告します。

 

ただしこれを読んでしまうとネタバレになってしまうので、まだ行ったことがない方で、未知の状態でKIWAMI SAUNAを体験したい!という人は読み飛ばしてもらった方が良いかもしれません。

 

受付

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築70年の古民家を改装しただけあって、外観は古き良き日本の伝統を感じさせる素敵な店構えです。

 

入り口が引き戸になっているのもとても日本家屋的で魅力的です。

 

入り口の引き戸を開けると、目の前に受付カウンターがあります。

 

初訪問だったので、まずは会員証としてLINEのお友達登録を求められます。

 

お友達登録を完了すると、LINEで利用方法の紹介動画を視聴します。

 

会員証はポイントカードにもなっていて、5ポイント貯まると「食堂きわみ」でドリンク1杯プレゼントの特典があります。

 

ちなみに精算は退館時です。

 

通常であればこれで受付作業は終了ですが、ここで大切なのがドリンクの注文です。

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KIWAMI SAUNAの大きな魅力は”サウナ室内でドリンクが楽しめる”ということです。

 

ドリンク注文は必須ではありませんが、KIWAMI SAUNAを楽しむにはやはり注文することをお勧めします。

 

メニューにはアルコールもあります。

 

サウナに入浴中にアルコールが飲めるのはちょっとびっくりですね。

 

ここで注目なのがノンアルコールです。

 

オロポはポカリスエットとオロナミンCを合わせたドリンクでサウナの定番なのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

 

自分が初めて知ったのが“ビタックス”というドリンクです。

 

ビタックスはアイスボックスとデカビタCを合わせたドリンクで、これは絶対おすすめです。

 

自分はビタックスを注文しましたが大正解でした。

 

その他にも、アイスボックスソーダ(アイスボックスと炭酸水を合わせたドリンク)があり、“科学的に証明されたサウナ後の身体に最適な一杯”というキャッチフレーズが気になります。

 

ちなみにドリンクは耐熱で保冷性のあるタンブラーに入れてくれるので、最高の状態でサウナ飲料を楽しむことができます。

 

このタンブラーはサウナ室に持ち込んで、サウナ入浴中にも冷たいドリンクを飲むことができるのでぜひ試してみてください。

 

受付時にもう1つ注文できるのが外気浴用のポンチョです。

 

寒い時期にはポンチョをレンタルするのもおすすめです。

 

ちなみに外気浴に出るところにポンチョをかけておくフックがあります。

 

最後にロッカーキーを受け取って受付は終了です。

 

脱衣所、シャワー室

脱衣所には清潔で趣のある木のロッカーが周りを囲んだスペースが広がっていました。

 

驚いたのが、ロッカーの中の天井部分に自動で点灯するライトが備え付けてあり、利用者のことが考えられている細かい気遣いに感動しました。

 

化粧台は鏡付きで4台あり、そのうち1か所には洗面台もついています。

 

ドライヤーはもちろん無料。

 

さらにハトムギの化粧水と乳液まで無料で使えます。

 

脱衣所からシャワー室は繋がっていてドアがないので移動も楽ちんです。

 

シャワー室は個室になっていて全部で6台あります。

 

手持ちのシャワーと天井か降り注ぐシャワーがあるのも素敵です。

 

ちなみに水圧は強めですのでしっかりと身体の汚れを落とすことができます。

 

シャンプー、トリートメント、ボディーシャンプーはもちろん常備されています。

 

ちなみにタオルも置いてあります。

 

2種類のおぼろタオルで吸収性は抜群です。

 

おぼろタオルとは三重県津市の特産品で入浴時のアラウ、拭くなどの機能に優れたタオルです。

 

1つは体を拭く用のタオルです。

 

もう1つはサウナ用で、おぼろガーゼタオルといって、ガーゼ生地とタオル生地の二重袋織りなので吸収性、吸湿性、速乾性は抜群で、肌さわりも最高です。

 

絞ればすぐに乾くので何度も使えてとても便利です。

 

そのためタオルの持参は基本的には不要です。

 

サウナ室

シャワーを浴びたらいよいよサウナです。

 

シャワー室からサウナへの動線には扉があり、扉を開けるとすぐにサウナ室の入り口があります。

 

サウナ室前にはロッカーと同じ番号のボックスがおいてあり、サウナハットや持参したドリンクなどを置いておくことができます。

 

これも嬉しい心遣いです。

 

サウナ室へ入るにはドアを開けて暖簾をくぐります。

 

サウナ室のドアを開けても熱が外へ逃げないように暖簾がかかっているのも素敵なポイントですね。

 

サウナ室に入ると中央に立派な特注のサウナストーブが鎮座しています。

 

セルフロウリュ用のアロマ水が2種類準備されています。

 

室内には温度計も湿度計もないので正確な室温はわかりませんが、体感的にはおそらく90℃前後でとても快適な室温になっています。

 

しかし天井が190センチ程度と低めなので、ロウリュが行われると一気に体感温度が上がります。

 

座席はサウナストーブを挟んで両側にあり、それぞれ2段になっていて、最大12人程度は座れます。

 

サウナ室内にはテレビもBGMもなく、サウナストーブの音だけに集中できます。

 

バチバチとサウナストーンが熱せられる音のみが響くサウナ室はまさに”極み”です。

 

ここで嬉しいのが、サウナ室で受付で購入したドリンクを飲めることです。

 

サウナ室でドリンクを飲むのは初体験でしたが、サウナ室で喉の渇きにつらくなることがないので、ゆっくりと心地よい発汗ができます。

 

サウナマットはワッフル織りマットが用意されているので、座り心地も快適です。

 

至高のサウナトランスへの準備としては、まさに“極み”を追求したこだわりのサウナと言えるのではないでしょうか。

 

水風呂

サウナのあとは水風呂です。

 

サウナ室を出ると目の前に大きな水風呂が待っています。

 

水風呂の前には掛水が準備されいますが、掛水はややぬるめの温水でこれも嬉しいポイントです。

 

冷たすぎず、熱すぎず、心地よい温水で汗を流した後はいよいよ水風呂です。

 

水風呂は青色のタイルで照明に照らされ、またすぐに窓があり、庭園が望めるのでとても幻想的です。

 

階段を上って水風呂に入りますが、水温は温度計がないので正確ではありませんが体感的には約15℃くらいでしょうか。

 

水風呂の中にも段差があり、最深部は約2メートルあるので頭まで水風呂に浸かることができます。

 

ちなみに頭まで水風呂に潜ることは通常の銭湯サウナでは禁止されていますが、ここでは潜水が許可されています。

 

ちなみに水風呂の上には立派な梁(はり)があり、ここが古民家であることを実感できることも素敵なポイントです。

 

個人的には、「サウナトランスの極意は水風呂にあり」と思っているのですが、ここの水風呂はまさに”極み”と言えるでしょう。

 

「水風呂の脳科学」についてはこちらの記事もご参照ください。

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参考【サウナの脳科学】サウナトランス(ととのう)の極意は水風呂にあり?水風呂を脳科学で探る

サウナトランス(ととのう)の極意はサウナにあり?水風呂あり?内外気浴にあり?   そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。   このブログでは脳神経外科医として ...

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ととのいスペース

水風呂でクールダウンしたあとは、いよいよととのいタイムです。

 

外気浴スペースに出る前にはポンチョを掛けるフックがあり、受付でレンタルしたポンチョを着て外気浴に出ることができます。

 

当然裸のままでもOKです。

 

外気浴スペースは広い空と素敵な庭園を眺めながらColemanのインフィニティ―チェアでくつろぐことができます。

 

日本の良き庭園の中でくつろげるなんて、贅沢(ぜいたく)の”極み”ではないでしょうか。

 

ちなみにうつ伏せでととのえるCHILL DIVE(チルダイブ)という珍しい木製のボードもあります。

 

マッサージの時に使うもので、うつ伏せで顔のところに穴が開いているので新しい感覚でリラックスすることができます。

 

外気浴スペースで特徴的なのが、飲食が可能なことです。

 

冷蔵庫とグリルが設置されていて、冷えたドリンクを飲みながらセルフで焼くソーセージを食べることができます。

 

ちなみにアルコールも置いてありました。

 

まさに“極み”の外気浴です。

 

寒い季節や雨降りの時などは内気浴スペースも準備されています。

 

外気浴スペースには蔵があり、扉を開けると15畳程度の畳敷きスペースになっていて、ストーブが2台設置されていて暖を取りながら休憩することができます。

 

ストーブの上にはやかんで薬草が炊かれていて室内は香ばしい優しい香りで包まれています。

 

蔵の中でのんびり過ごすなんてまさに贅沢の極みではないでしょうか。

 

食堂きわみ

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サウナで“極み”のととのうを体感した後は、空腹を満たすためにぜひ2階の「食道きわみ」をおすすめします。

 

座席は指摘され、席ごとにQRコードが配置されているのでスマートフォンで読み取るとメニューが表示され注文することができます。

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いちいち店員さんを呼ぶ必要がないのも“極み”ですね。

 

人気のメニューはアジフライとラムカレーです。

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アジフライは特大サイズで自家製タルタルソースと大根おろしにワサビが添えてあるものがついてきます。

 

醤油とソースも準備されているので、さまざまな味を楽しむことができます。

 

ラムカレーは普通のカレーとは一味違う味わいで、クセがなくまた辛味も絶妙でとても美味しい一品でした。

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またドリンク2杯とおつまみ一品がセットになった“食堂きわみのちょい呑み”というお得なセットもあります。

 

自分はアジフライとラムカレーのハーフサイズ、そしてKIWAMIクラフトビールをいただきましたが、想像以上の満足感でした。

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食事後は1階でサウナと食事の会計を一緒に行うことができます。

 

ちなみに精算はクレジットカードあるいは電子マネーのみで現金での支払いは不可ですのでご注意ください。

 

支払いを済ませて、店の外に出た後に、脳も心も身体もととのったあとでぼんやりとしつつも、またぜひ訪れたいと思うとても素敵な施設でした。

 

 

脳はなぜ“極み”を求めるのか?

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KIWAMI SAUNAの体験レポでKIWAMI SAUNAについて知っていただいた後は、いよいよ「”極み”の脳科学」です。

 

サウナにとっての“極み”とは一般的に至高のサウナトランスでしょう。

 

しかしただ“ととのう”だけでは“極み”とは呼べません。

 

それにまつわるすべての状況、つまり店員さんとの関わり方から始まり、脱衣所、体のお清め、サウナ、水風呂、休憩タイム、サウナ飯…その流れが極まっていないと“極み”の域には達していません。

 

へなお
ではなぜ脳は“極み”を求めるのでしょうか?

 

そこにはちゃんとした科学的な理由があります。

 

人間の脳は、生存と繁栄のために「快」を求めるように設計されています。

 

これは、食事や運動などの生物学的に必要な行動に対する報酬として機能します。

 

また、新しいスキルを習得したり、困難な問題を解決したりするときに感じる達成感も、「快」の一部と考えられます。

 

しかし、脳は同時に「不快」な経験から遠ざかるようにも働きます。

 

これは、危険や脅威から自身を守るための防御メカニズムです。

 

このため、人間は自然と困難や挑戦を避ける傾向があります。

 

“極み”を求めるという行動は、これら二つの要素、つまり「快」を追求する欲求と「不快」から遠ざかる欲求のバランスによって生じます。

 

“極み”を求めるとは、困難を乗り越えて達成感を得ることであり、これは「快」を追求する欲求に直結しています。

 

しかし、その過程で遭遇する困難や挑戦は「不快」を引き起こす可能性があります。

 

つまり“極み”は、生存と繁栄のための基本的な欲求、すなわち「快」を追求する欲求と、「不快」から遠ざかる欲求の間の複雑な相互作用によって成り立っているわけです。

 

「快」と「不快」の相反する状況をうまくコントロールすることができた先には、普通では味わえない究極の「快」、すなわち“極み”が待っていることを脳は知っています。

 

ですから脳は“極み”を求めるのです。

 

 

脳科学的な“極み”のメカニズム

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脳は究極の「快」である“極み”を求めています。

 

では“極み”を求める、“極み”に達したいという感情は脳科学的にどのようなメカニズムで発生するのでしょう?

 

報酬系回路

“極み”に達したいという感情に一番関与しているのは脳の報酬系回路です。

 

報酬回路では、ドーパミンという神経伝達物質が主に機能し、達成感や喜びを生み出します。

 

これが“極み”を追求する強い動機付けとなっています。

 

前頭葉

前頭葉は脳の前の方に局在する部位で、計画立案、意思決定、行動の制御など、高次の認知機能を担当しています。

 

“極み”を追求するための目標設定や戦略的な思考には、前頭葉の働きが重要となります。

 

扁桃体

扁桃体は脳の中心に局在し、感情の反応と記憶を制御しています。

 

“極み”に達したいという強い感情やその追求の経験は、扁桃体が主に関係しています。

 

海馬

海馬は脳の中心から比較的側面に局在し、記憶の形成と保持に関与しています。

 

“極み”を追求する過程で得た経験や知識を記憶し、それを未来の行動に活かすためには、海馬の働きが不可欠です。

 

以上のように、“極み”に達したいという感情は、脳の様々な部分が協調して働く結果として生じます。

 

ただし、これらは脳の機能のほんのであり、実際にはもっと多くの複雑な神経ネットワークが関与していると考えられています。

 

また、個々の人の脳の働きは、その人の経験や性格、環境などによって大きく異なります。

 

へなお
そのため、人によって“極み”の感じ方はさまざまであることは知っておくべきでしょう。

 

サウナで“極み”を感じることができる人もいれば、当然そうでない人もいます。

 

また“極み”を感じてもその感じ方は十人十色です。

 

ぜひあなた自身の“極み”を見つけて、サウナで”極み”を感じてみてください。

 

 

脳科学的“極み”であるAwe体験

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サウナで至高のサウナトランスを体感した時に、脳は“極み”を感じます。

 

へなお
では脳が“極み”を感じるのは一般的にどのような状況なのでしょう

 

これに関しては、脳科学的に興味深い研究が進められています。

 

特に注目されているのが「Awe(オウ)体験」で、脳の活性化との関連性が報告されています。

 

Awe体験とは、大自然や大宇宙の広大さや悠久さに圧倒される経験を指します。

 

例えば、星空や山々、海原を前にして「この広大な世界に比べたら自分はなんて小さな存在なのだろう」と感じる瞬間です。

 

この体験をすると、脳は非常に活性化し、さまざまな効果が現れます。

 

Awe体験をすると、以下のような効果があるとされています。

 

自己の最小化と謙虚さ

自分の小ささを感じることで自分を最小化し、そして他者や世界に対する謙虚な気持ちが芽生えます。

 

感謝の気持ち

大宇宙の悠久さや自然の広大さを前にすると、感謝の気持ちが湧き上がります。

 

前向きな思考と思考力の向上

「世の中のため、誰かのために役立ちたい」という思いが強まります。

 

また見破る力、騙されない思考力を持つようになるという研究結果もあります

 

未来の時間感覚

Awe体験によって未来の時間を感じる能力が高まります。

 

心身の健康

Awe体験は慢性的な炎症を起こすインターロイキン6の濃度を低く保つ効果が示されています。

 

これらの結果として、Awe体験は脳だけでなく心にも身体にも良い効果をもたらしてくれます。

 

Awe体験は、前項の「脳科学的な“極み”のメカニズム」で説明した中の前頭葉の活動と深く関連しているとされています。

 

前頭葉は自己意識や思考、意志決定を司っているので、Awe体験によって自己と世界との境界が曖昧になり、一体感や至福感を感じることができるわけです。

 

これは「悟り」そして「マインドフルネス」の境地にも似た体験とされています。

 

「マインドフルネスの脳科学」についてはこちらの記事もご参照ください。

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参考【サウナの脳科学】禅は脳にどのような影響をあたえるのか?「マインドフルネス」を脳科学で探る

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したがって、大自然に触れることや新しい体験を積極的にするAwe体験を通じて、脳を活性化し、感動や深い気づきを得て、そして“極み”を感じることができるのです。

 

大自然の美しさ、広大さ、悠久さを少しでも感じられたら、それも一種のAwe体験となります。

 

しかし大自然の中でなくても、大自然の広大さ・美しさが感じられる動画を見ることでも、軽微なAwe体験ができると言われています。

 

このように、Awe体験は私たちの日常生活においても可能であり、その効果を享受することができます。

 

へなお
このように考えると、サウナも一種のAwe体験と言えるでしょう。

 

サウナ室での熱気、湿気、そして熱波、その後の水風呂での水の感覚、ととのいタイムでは得も言われぬ広大な世界が脳と心に広がっていきます。

 

サウナ施設という人工的なモノの中に、「火」、「熱」、「気」、「水」、「風」など自然の広大さや悠久さを感じることができれば、どのような施設であっても脳は“極み”を感じるはずです。

 

ちなみにKIWAMI SAUNAは、随所に古き良き日本を感じることができる古民家をベースにしていて、さらに外気浴スペースは自然の素晴らしさを実感できる庭園の中に存在しているので、まさにAwe体験をしやすい環境がととのっていると言えるでしょう。

 

 

サウナで“極み”を体感しよう

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KIWAMI SAUNAの体験レポとKIWAMI SAUNAから脳科学的な“極み”を探ってみました。

 

”極み”とは、物事が最も進んだ、または最も高まった状態を指す言葉です。

 

例えば、「感動の極み」は、感動が最高点に達した状態を指します。

 

また、「贅沢(ぜいたく)の極み」は、贅沢が最も進んだ、つまり最も贅沢な状態を指します。

 

ですからKIWAMI SAUNAは、サウナの最高点を目指した施設と言えるでしょう。

 

へなお
KIWAMI SAUNAに入った瞬間から出る時まですべてがAwe体験であり、“極み”のこだわりを感じます。

 

しかし“極み”の感じ方は人それぞれで、すべての人が同じように感じるものではありません。

 

脳科学的な“極み”体験は、自己の存在を超越した感覚を得ることで、人間の心や脳に深い影響を与えてくれます。

 

同じサウナ施設でも“極み”を感じることができる人とそうでない人がいるはずです。

 

ですからみなさんも他人に影響されることなく、自分自身の脳でぜひ“極み”を感じてみてください。

 

へなお
「サウナ」についてもっと知りたい方は、こちらの書籍を参照してみてください。

 

 

へなお
ぜひ参考にしてみてください。

 

 

“”極み“の脳科学”のまとめ

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KIWAMI SAUNAから学ぶ“極み”を脳科学で説き明かしてみました。

今回のまとめ

  • KIWAMI SAUNAは2022年12月に愛知県名古屋市に古民家を改装して誕生したサウナ施設です。
  • KIWAMI SAUNAは入館から退館まで、すべてにおいて“極み”づくしの施設です。
  • “極み”は、脳が「快」を追求する欲求、そして「不快」を遠ざける欲求、2つの相反する欲求の絶妙なバランスの上に成り立っています。
  • “極み”に達したいという感情は、脳の様々な部分が協調して働く結果として生じます。
  • 脳は大自然や大宇宙の広大さや悠久さに圧倒され自分の小ささ感じるAwe体験をすると“極み”を感じやすくなります。
  • KIWAMI SAUNAは、まさにAwe体験そのものと言えます。
  • しかし“極み”の感じ方は人ぞれぞれ異なりますので、自分自身の脳で自分に合った“極み”を見つけてぜひ体感してみてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、血管内治療、放射線治療を中心に某総合病院で勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、あなたのまわりのありふれた日常を長年の経験からつちかった情報をもとに脳科学で探っていきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

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