サウナの脳科学 脳を科学する

【サウナの脳科学】サウナと性欲の関係を脳科学で探る

2023-05-09

サウナと性欲-A2

サウナでととのった後は性欲が強くなるのでしょうか?それとも弱くなるのでしょうか?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

サウナと性欲の関係を脳科学で説き明かします。

 

サウナと性欲

サウナと性欲-1

サウナと性欲の関係の脳科学

  • 日本で有名な人間の三大欲求は、食欲、性欲、睡眠欲です。
  • サウナ後は食欲と睡眠欲は高まることが知られています。
  • サウナでととのう状態は脳科学的には性欲が満たされた状態に近いため、サウナ後は性欲が減退する人が多いと言えます。
  • しかしサウナでととのう状態は脳にとって予想外の行動であり、脳がバグってより至高の快楽を求めて性欲が高まる人もいます。
  • 性欲は脳科学のみでは説明しきれない禁断の領域であり、自分自身でサウナと性欲の関係を体感してみてください。

現代の日本では第3次サウナブームによって多くの施設がにぎわっています。

 

“サウナブームの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

サウナブーム-A2
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サウナの醍醐味(だいごみ)は何と言っても、サウナトランス=「サウナでととのう」でしょう。

 

温かいサウナと冷たい水風呂、休息タイムを繰り返す温冷交代浴では徐々に体の感覚が鋭敏になってトランスしたような状態になっていきます。

 

トランス状態になると、頭からつま先までがジーンとしびれてきてディープリラックスの状態になり、得も言われぬ多幸感が訪れます。

 

これがいわゆるサウナトランスであり、そして「サウナでととのう」の状態です。

 

”サウナでととのうの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

サウナでととのう-A3
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サウナ―達は至高のサウナトランスを味わうためにサウナに通うわけです。

 

へなお
トランスと言えば、まず思い浮かぶのは性欲です。

 

性欲が満たされた時も、人によっては意識が飛んでトランス状態となります。

 

へなお
ではサウナと性欲にはどのような関係があるのでしょうか?

 

サウナに入ると熱で精子が壊されて性欲が低下するとか、逆に男性ホルモンがアップして性欲が上昇するとか、さまざまなことが言われています。

 

結局のところ、サウナでととのった後は性欲が強くなるのでしょうか?それとも弱くなるのでしょうか?

 

へなお
サウナと性欲の関係を脳科学で説き明かしていきましょう。

 

 

人間の三大欲求

サウナと性欲-2

へなお
サウナと性欲の関係について考える前に、「人間の欲求」について考えてみましょう。

 

よく「人間の三大欲求」という言葉を聞きますが、実はこれは日本独自のもので、日本以外の国ではまったく通じません。

 

日本は古来より「三種の神器」に始まり、重要なものを3つで表現する慣習があるようです。

 

へなお
ちなみに、さまざまなものを3つで表現することが重要だとする学術的、科学的根拠はいっさいありません。

 

日本で有名な人間の三大欲求は、食欲、性欲、睡眠欲です。

 

サウナと食欲

へなお
まずは食欲です。

 

すべての動物は、食べないと生きてはいけません。

 

生きるために食べ、食べ物を得るために働くわけです。

 

ですから食欲は人間にとって、とても基本的で重要な欲求です。

 

しかし現代社会では、食欲は空腹を満たすためだけではなく、“よりよい環境で、よりよいものを美味しく食べたい”という報酬のための欲求へと変化しています。

 

へなお
そのように考えると、サウナ後に食べる「サウナ飯(サ飯)」は食欲を満たすには、最高の食事と言えるでしょう。

 

“サウナ飯の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

サウナ飯-A1
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サウナと睡眠欲

へなお
続いては睡眠欲です。

 

人間をはじめとする多くの動物は、生きていくためには睡眠は欠かせません。

 

時間が空いたら少しでも睡眠をとりたい…そのような欲求は多くの人が持っているでしょう。

 

特にサウナでととのった後は良質な睡眠がとれ、起きた後の爽快感も普段以上に格別になります。

 

“サウナと睡眠の関係”についてはこちらの記事もご参照ください。

サウナと睡眠-A1
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逆に、少しでも睡眠時間を削って行動していたいという人も多くいるはずです。

 

睡眠は“寝たい”、“寝たくない”の意思に関わらず必ず必要なものです。

 

どんなに寝たくないと思っていても、いつかは無意識的に眠りに落ちてしまいます。

 

ですから、睡眠は脳科学的には欲求というよりは、脳の1つの機能であるとする考え方もあります。

 

そもそもなぜ睡眠が動物にとって必要なのかは、科学的に正確には解明されていません。

 

“睡眠の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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へなお
このような考えから、睡眠を三大欲求からはずして、代わりに集団欲を加える説もあります。

 

集団欲とは、個人でいるよりも集団の中にいたいという欲求です。

 

人間は狩猟時代からさまざまな集団を形成して生き延び、繁栄してきました。

 

集団欲とは、そもそも個人の身を守るための欲求であり、生きていくには欠かせないものです。

 

“集団欲の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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それが時代の変化とともに姿を変えていき、現代社会では悪影響を及ぼしていることもあります。

 

へなお
スクールカーストはその典型かもしれません。

 

”スクールカーストの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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サウナでも集団を形成して、いわゆる“ドラクエ行動”をすることが問題視されています。

 

“サウナと集団の関係”についてはこちらの記事もご参照ください。

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サウナと性欲

へなお
最後は性欲です。

 

性欲は子孫繁栄に欠かせないものであり、重要な欲求です。

 

“性欲の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

オルガスム-A1
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ちなみに、性欲は男女で大きな違いがあるとされています。

 

性欲は男性の方が女性に比べて10~20倍も強いと言われています。

 

また性欲のピークにも男女差があります。

 

一般的に男性の性欲のピークは10~20代、女性のピークは20~40代と言われています。

 

ではサウナと性欲の関係はどうなっているのでしょうか?

 

へなお
サウナと性欲の関係については後ほどくわしく説明しましょう。

 

 

三大欲求以外にもまだまだある人間の欲求

サウナと性欲-3

人間の欲求で有名なのは、今まで説明してきた三大欲求ですが、世界にはさまざまな人間の欲求が存在します。

 

そのいくつかをご紹介しましょう。

 

二大欲求

アメリカの心理学者であるヘンリー・マレー氏は、「マレーの欲求リスト」を提唱し、27種類の心理発生的欲求(社会的欲求)と13種類の臓器発生的欲求(生理的欲求)、合わせて40種類の欲求を報告しています。

 

心理発生的欲求とは、人間が社会生活を営む上で発生する精神的な欲求です。

 

たとえば、お金が欲しい、他人よりも優れていたい、尊敬されたい、軽視されたくない、嫌いなモノに意地悪したい、集団に加わりたい…など自分の状態を一定に保ち続けようとするホメオスタシスが大きく関わっています。

 

臓器発生的欲求とは、人間が存在するために求める臓器と直接関連した肉体的な欲求です。

 

たとえば、空気を吸いたい、食べ物を食べたい、エッチなことがしたい、排泄がしたい、暑さ・寒さを避けたい、けがをしたくない…これらも自分の生存のために体の状態を一定に保ち続けようとするホメオスタシスが無意識のうちに働いています。

 

へなお
先ほどご紹介した人間の三大欲求である食欲、性欲、睡眠欲は、臓器発生的欲求にあたります。

 

ちなみに、このあとご紹介する欲求はほぼすべて「マレーの欲求リスト」のどれかに当てはまっています。

 

アルダファーのERG理論

「生存欲求」…物質的、生理的な欲求

 

「関係欲求」…自分に重要な人物と良好な人間関係を保ちたいという欲求

 

「成長欲求」…創造的、生産的な影響を与え充実感を得ようとする欲求

 

これらの3つの欲求をアルダファーのERG理論と呼びます。

 

人間は、存在欲求→関係欲求→成長欲求の順番で欲求を満たそうとしますが、順番が逆になったり、同時に存在したりすることもあると言われています。

 

ERG理論は、人間には3つの脳…爬虫類脳(反射脳)、哺乳類脳(情動脳)、人間脳(理性脳)が存在するとする「脳の三位一体論」と一致しており、まさに人間の三大欲求と言えるかもしれません。

 

マズローの欲求5段階説

心理学者アブラハム・マズロー氏が提唱した「人間の動機づけに関する理論」では、“人間は自己実現に向かって絶えず成長する”という仮説を元に5段階の欲求を提示しています。

 

①生理的欲求

 

②安全の欲求

 

③所属と愛の欲求

 

④承認の欲求

 

⑤自己実現の欲求

 

欲求はこの5つの欲求に階層化されており、1つの欲求がある程度満たされると、次の欲求が現れるというのが「マズローの欲求5段解説」です。

 

“マズローの欲求の法則の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

やる気-A1
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シックス・ヒューマン・ニーズ

世界No.1コーチと呼ばれるアンソニー・ロビンズ氏は、人間には6つのニーズがあると提唱しました。

 

確実感のニーズ、不確実感(自由)のニーズ、自己重要感のニーズ、愛・繋がりのニーズ、この4つのニーズを「基本的ニーズ」、成長・進化のニーズ、貢献のニーズ、この2つのニーズを「高次ニーズ」として、安定感、不安定感、重要感、愛とつながり、成長、貢献の6つの欲求をあげています。

 

ブッダの7つの欲求

7大欲求には宗教に関係したものが2つあります。

 

その1つが「ブッダの7つの欲求」です。

 

ブッダの7つの欲求とは、ゴータマ・シッダールタが説いたとする、食欲(食べたいという欲)、性欲(交わりたいという欲)、睡眠欲(眠りたいという欲)、承認欲(認められたいという欲)、生存欲(生きたいという欲)、怠惰欲(楽をしたいという欲)、感楽欲(感覚の快楽を味わいたいという欲)の7つの欲求です。

 

キリスト教の7つの大罪

キリスト教では、傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰の7つの欲求を、人間を地獄に導く欲求としています。

 

キリスト教では、誰しもが陥りやすいこの7つの欲求を考えるだけでも罪になるとしています。

 

生命の8つの力

コピーライターのドルー・エリック・ホイットマン氏は、生存欲、食欲、食欲回避欲、性欲、安全欲、優越欲、愛情欲、承認欲の8つの欲求を訴えることで、人を行動に駆り立てる文章が書けると提唱しました。

 

 

へなお
さまざまな欲求をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

 

結局、人間には多くの欲求が存在するわけですが、自分の動因となる欲求と、その対象となるモノを明確にして人生のモチベーションに活かしてみてください。

 

 

サウナと性欲の関係

サウナと性欲-4

へなお
それでは、いよいよ本題である「サウナと性欲の関係」を脳科学で探っていきましょう。

 

人間の三大欲求のうち、食欲と睡眠欲はサウナと大きく関係していることは説明しました。

 

サウナでととのった後に、食欲と睡眠欲が強くなることを実感したことがある人は少なくないはずです。

 

へなお
サウナの後にサウナ飯を食べて、ぐっすり眠る…最高の流れですよね。

 

ではサウナと性欲にはどのような関係があるのでしょうか?

 

サウナの後に性欲が高まってエッチしたくてたまらなくなる…

 

サウナの後は性欲がまったくなくなってエッチどころではない…

 

あなたはどちらでしょうか?

 

へなお

ここから先はあくまでも個人的意見です。

 

当然異論反論があるでしょうが、参考程度に考えていただければ幸いです。

 

脳科学的人間の性欲

動物では、性経験は性欲を満たし生殖活動のためにあります。

 

しかし人間では、性経験に恋愛感情が生殖活動以上の大きな影響をあたえています。

 

そのような動物は人間だけです。

 

そもそも恋愛感情は、性経験において生命の繁殖には直結しない欲望であり、生物学的に見ればただのお飾りの感情にすぎません。

 

へなお
こんなこと言ったら多くの方に批判されそうですね。

 

人間では、時代の経過とともに性経験においてそもそもお飾りにすぎなかったはずの恋愛感情が肥大化してきました。

 

さらに最近の性欲事情では、男女ともに草食化が進んでいると言えます。

 

へなお
つまり、恋愛感情の先に性経験を求めない人が増加しているということです。

 

その結果、以前と比べて人間の性欲はどんどん減退していると言えます。

 

“現代の性欲事情の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

ロールキャベツ-A1
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へなお
その原因は性欲をつかさどる脳の機能にあります。

 

人間の性的本能は、脳の進化の歴史において比較的古い時代に作り上げられた「大脳旧皮質」と呼ばれる部分が最も関係しています。

 

一方で、最近の性欲の傾向は、比較的新しい脳である「大脳新皮質」がより深く関わるようになってきています。

 

大脳新皮質は現実の3次元の世界よりも、2次元の画像や映像を見ている時に、より活発に働きます。

 

大脳新皮質が働くと、2次元の世界での恋愛感情によって性的本能が満たされてしまい、本来働くはずの大脳旧皮質は働かずじまいとなります。

 

大脳旧皮質は、性的本能において本来の目的である生殖活動を行い性欲を満たす時に活発に働きます。

 

ですから、大脳新皮質によって性欲が満たされてしまえば、あえて大脳旧皮質が働いて生殖活動をする必要がなくなるわけです。

 

へなお
つまり性経験をせずに性欲を満たしてしまう…そのような傾向が高まっているわけです。

 

男性でも女性でも、恋愛感情が高まって性経験をして、その先に生殖活動があることが性的本能の王道でした。

 

しかし、最近では性欲を満たすものは性経験よりも恋愛感情の比率が高くなっているというわけです。

 

しかも、その傾向は女性よりも男性で明らかに強くなっています。

 

そもそも男性と女性では生命科学的に大きな違いがあります。

 

その違いとは、女性は生殖能力を備えているということです。

 

男性はどうがんばっても男性だけで繁殖をすることは不可能です

 

ですから生命科学的観点から言えば、男性はそもそも必要ありません。

 

現代の人間では女性だけで繁殖することは不可能です。

 

しかし女性だけで繁殖が可能な種も地球上にはいくつも存在します。

 

へなお
人間もいずれ女性が自分の細胞を自分の体内で育てて繁殖することが可能になる時代が来るのかもしれません。

 

 

脳科学的サウナと性欲の関係

へなお
ではサウナと性欲の関係を考えてみましょう。

 

サウナでととのってトランス状態になると快楽の頂点に達します。

 

これは性欲が満たされてオルガスムの頂点に達することに似ています。

 

脳がオルガスムに達した時には、報酬系回路と運動予測の部分が活発に働くことがわかっています。

 

報酬系回路とは、脳が快楽を得るために脳内麻薬を盛んに分泌しまくるための回路です。

 

サウナで熱々に蒸されて、水風呂で一気にクールダウン、その後の休憩タイムでは脳内麻薬が盛んに分泌される…まさに報酬系回路が活発に働いている状態です。

 

ですから、サウナでととのうの状態は、大脳新皮質が働いて恋愛感情のみで性欲が満たされて、生殖活動で性的本能を満たすはずの大脳旧皮質が働かずじまいの状態と似ていると言えます。

 

つまり実際の性経験をせずとも性欲が満たされてしまう状態と同じ状態ということです。

 

そのためサウナでととのった後は、性欲が満たされた状態と同じ状態であり、性経験をしようという気が起きづらくなるのです。

 

へなお
確かにサウナでととのった後に男女で一緒にいても性欲があまり湧かない人が多いのではないでしょうか?

 

しかし中にはサウナでととのった後に性欲がより一層高まる人もいます。

 

その要因となっているのが、先ほど登場した“運動予測”です。

 

「サウナでととのう」と言っても個人差があります。

 

一体自分がサウナでどのくらいの快楽を得ることができるかは予測不能です。

 

これは性欲に例えて言えば自慰行為に似ています。

 

脳は自慰行為によってどのような感情が得られるか理解しきれていません。

 

自慰行為は脳にとって予想外の運動なのです。

 

なぜなら自慰行為は性経験をせずに性欲を満たす行為ですから、本来の脳が持っている生殖活動という性的本能からは外れた運動になります。

 

ですから自慰行為で性欲が満たされる人もいれば、自慰行為で性欲が満たされず、性経験を強く求める人もいます。

 

へなお
「サウナでととのう」も脳にとっては、ある意味自慰行為に似ているわけです。

 

サウナという日常では経験し得ない高温多湿状態、そしてこれまた日常ではありえない冷たい水風呂に浸かるという状態…これらは脳にとっては予想外の運動です。

 

脳が一生懸命働いて運動予想をしてその先に快楽を得るわけですが、予想外の運動によって快楽を得てしまうと、脳がバグってその先にはもっとすごい快楽があるはず…と報酬系回路がさらに活発に働きます。

 

すると脳は脳内麻薬を分泌しまくって、“我を忘れる”感覚…いわゆる“忘我の境地”に到達するのです。

 

我を忘れるくらいの快楽を得て、パニック状態になって頭の中が真っ白になって時には失神してしまう…そんな究極の状態です。

 

このような脳の働きをする人は、サウナでととのった後に性欲がより一層高まります。

 

ちなみに、こうした脳の働きをするのは女性の方が男性よりも強いとされています。

 

性欲でもオルガスムの頂点がより高いのは女性です。

 

女性はオルガスムを短時間の間に何度も体験し、その頂点はどんどん高くなっていく傾向があります。

 

男性では決して味わえない感覚です。

 

男性はオルガスムを短時間の間に何度も…なんてことはほぼ不可能です。

 

女性は生殖活動を行うため、男性よりも性欲がもともと強くなるように脳の働きが仕組まれているのです。

 

ですから、サウナでととのった後に性欲が高まるのも、脳科学的には女性の方が多いと言えます。

 

とはいえ先ほど説明したように、性欲は男性の方が女性にくらべて10~20倍も強いと言われています。

 

なぜなら性欲をつかさどる脳の視床下部という部分の大きさは、男性の方が女性よりも2倍近く大きいからです。

 

さらには性欲に関わるテストステロンという男性ホルモンの分泌量も、男性の方が女性よりも10~20倍も多いと言われています。

 

ですから、サウナでととのった後でも、脳内麻薬をさらに分泌させてより極まった快楽を求め性欲が高まる男性も少なくないかもしれません。

 

ちなみにテストステロンは性欲のみならず、社会的ホルモンと呼ばれ、運気を上昇させるホルモンです。

 

“運気の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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へなお
サウナでととのった後に、さらなる快楽を求めてテストステロンが分泌されて性欲も満たされて、そして運気もアゲアゲ…まさにいいことづくめですね。

 

男性はサウナに入ると高温で精子が壊されて性欲が低下する…なんてことをいう人もいます。

 

サウナと精子の関係を調べた研究はいくつか報告されています。

 

サウナの高温によって一時的に精子が減少したり、移動速度が低下したり、形態異常が発生したりといったことが起きることはあり得ますが、いずれの研究でもそれらは1か月程度で正常に回復すると報告しています。

 

へなお
ですから、サウナで精子が壊されて性欲が低下するという話は、いわば都市伝説と言えるでしょう。

 

性欲はある意味、禁断の領域です。

 

なぜなら性欲にはさまざまな側面があるからです。

 

性欲には、脳科学だけでなく心理学的な精神論、倫理的な問題、生物学や生命科学的な問題…さまざまな要素が複雑に絡み合っています。

 

ですから、ある1つの側面だけ眺めていると、別の側面を眺めている人から異論反論が噴出することは当然のことです。

 

へなお
この記事の内容も当然絶対的なものではありません。

 

人によってサウナでととのった後に性欲が高まる人もいれば減退する人もいるはずです。

 

食欲や睡眠欲と違って、サウナと性欲の関係は一概には説明しきれません。

 

へなお
ぜひみなさんも、自分自身でサウナでととのった後に性欲がどうなるのか体感してみてください。

 

今回の記事はあくまでも脳科学的観点から見た一個人の意見であり、参考程度に頭の片隅にでも入れておいていただければ、いつの日か何かの役に立つかもしれません。

 

へなお
「サウナ」についてもっと知りたい方は、こちらの書籍を参照してみてください。

 

 

へなお
ぜひ参考にしてみてください。

 

 

“サウナと性欲の関係の脳科学”のまとめ

まとめ-conclusion1-N1

サウナと性欲の関係を脳科学で説き明かしてみました。

今回のまとめ

  • 日本で有名な人間の三大欲求は、食欲、性欲、睡眠欲です。
  • サウナ後は食欲と睡眠欲は高まることが知られています。
  • サウナでととのう状態は脳科学的には性欲が満たされた状態に近いため、サウナ後は性欲が減退する人が多いと言えます。
  • しかしサウナでととのう状態は脳にとって予想外の行動であり、脳がバグってより至高の快楽を求めて性欲が高まる人もいます。
  • 性欲は脳科学のみでは説明しきれない禁断の領域であり、自分自身でサウナと性欲の関係を体感してみてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、血管内治療、放射線治療を中心に某総合病院で勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、あなたのまわりのありふれた日常を長年の経験からつちかった情報をもとに脳科学で探っていきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

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