ストレスを発散したり解消したりする方法がわからないのですがどうしたらいいですか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきますね。
この記事を読んでわかることはコレ!
- ストレスを発散したり解消したりする方法を脳科学で説き明かします。
ストレスを脳科学する
ストレスを発散したり解消したりする脳科学的な方法
- ストレスを発散したり解消したりするためには『予想』と『回避』が大切です。
- ストレスを感じて悪いことなんて何もありません。
- ストレスを感じることは当たり前でストレスを避けることはできません。
- ストレスを発散したり解消したりした気分になれる逃げ道を持っておくことが大切です。
- あなたはいつでもストレスから逃げられるのです。
ストレスを発散したり解消したりするためには『予想』と『回避』が大切です。
ストレスを発散したり解消したりするための脳科学的なキーワードはずばり『予想』と『回避』です。
この2つのキーワードをしっかり押さえておけばあなたのストレスも少しは軽くなるでしょう。
それではこれから脳科学的ストレス発散法、解消法をお教えいたします。
脳科学的ストレス発散法、解消法
とにかくストレスがなにかとたまりやすこのご時世。
”ストレスに満ちた自粛生活の脳科学”についてはこちらの記事をご参照ください。
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ストレスは目に見えません。
ストレスがいくらたまっていると言っても他人のストレスを客観的に想像することは難しいものです。
自分ではストレスを感じていないつもりでも胃がキリキリ痛んでしまう人もいれば、ストレスを訴えてばかりいるものの案外ストレスに強いなんていう人もいたりします。
ストレスの秘密-その1
ストレスを感じると脳の中の視床下部と下垂体から“ストレスホルモン”と言われるさまざまなホルモンが分泌されます。
このストレスホルモンによって肥満、食欲低下、うつ症状などが引き起こされます。
ですから血液中のストレスホルモンを計ってみれば実際に体がどれだけのストレスをうけているのかを客観的に観察することができます。
この研究では体内のストレスホルモンの分泌をうながす薬を注射して人工的に体をストレス状態にするというなんとも恐ろしいことをしています。
この薬を注射すると体の中のストレスホルモンは通常の10倍まで増加します。
普通ならこんな薬を注射すると言われただけですでにストレスを感じてしまいそうです。当然副作用も心配です。
ですから注射の前には起こり得る副作用について充分な説明をしておきます。
またもし途中で気分が悪くなったら注射する量を調整できるボタンを渡しておきます。ボタンを押すことで注射を途中で中断することも可能です。
この研究でわかったもっとも驚きの事実は薬を注射した研究結果ではなく注射する量を調整できるボタンを渡しただけで逆にストレスホルモンが80%も減ったことです。
ストレスをかけようとして逆にストレスが減ってしまっているのですからね。
ストレスの秘密-その2
脳科学的ストレス発散法、解消法のカギは“予測”と“回避”にあります。
“予想”とは今後起こる可能性があることをあらかじめ知っていることです。
“回避”とは自分がつらくなって逃げ出したいときはいつでも逃げ出すことができることを知っていることです。
この研究における“予想”とは薬を注射することでどんなことが起こり得るのかを事前に説明を受けて自分の中で充分に理解しておくことです。
そして“回避”とはいつでも薬の注射する量を減らしたり中止したりすることができるということを充分に理解しておくことです。
この2つを理解するだけで普通のストレスだけでなく薬で強制的に分泌されたストレスホルモンによるストレスさえも低下させてしまうのです。
この“予想”と“回避”は日常のどのようなことにも応用できます。
それでは実際にどのように“予想”と“回避”を活用していけばよいのかを説明しましょう。
“予想”と“回避”を活用してストレスを発散、解消しよう
自分がストレスを感じていると思えばストレスを感じていることになってしまいます。
ですからストレスの程度は血液中のストレスホルモンを計ってみたりストレスホルモンを分泌する脳の視床下部や下垂体と言われる部分の活動を計ってみたりしないとわかりません。
なんて人を良く見かけますがお酒でストレスは発散されるのでしょうか?
この研究ではお酒を飲んだ人の脳の視床下部の活動を調べてストレスホルモンがどのくらい分泌されているかを調査しました。
その結果お酒を飲んでも脳の視床下部は活発に働きストレスホルモンを分泌し続けていることがわかりました。
つまりお酒を飲むことでストレスを発散した気分になっているだけで実際体はストレスを感じ続けていることが示されました。
このようにストレス発散や解消をしたつもりになっていることはなにもお酒に限った話ではありません。
まだまだ色々ありますがその多くは直接的にストレスを発散したり解消したりはしていません。
ストレスの秘密-その3
スポーツをしても音楽を聴いても脳の視床下部や下垂体の活動は低下しませんしそこから分泌されるストレスホルモンも減少しません。
ストレスを発散したり解消したりしている気分に浸っているにすぎないのです。
そもそもお酒を飲んだりスポーツをしたり音楽を聴いたりするのは1日のうちでほんの数時間程度です。
残りの時間は慢性的にストレスを感じ続けているわけですからちょっと何かをしたくらいで簡単にストレスはなくなるはずがありませんよね。
それのカギは発想の転換です。
まずはストレスを感じて何が悪いのかを予想して理解しておくことです。
別にストレスを感じても何も悪いことはない。
そこまで考えられなくてもストレスをあまり怖がる必要はありません。
ストレスの秘密-その4
”ストレスを感じることは当たり前でストレスを避けることなんてできない。”
”ストレスを感じても自分はいつだってストレスから逃げることができるんだ。”
この予想があなたのストレスを発散、解消していきます。
ストレスの秘密-その5
自分の中でストレスを発散したり解消したりした気分になれる逃げ道を持っておくことです。
この回避があなたのストレスをさらに発散、解消していきます。
この逃げ道は人それぞれです。
それがお酒であったりスポーツであったり音楽であったりするわけです。
なにかに打ち込むことでストレスを発散したり解消したりしないといけないと思う気持ちがまたさらなるストレスを生み出します。
ストレスを発散したり解消したりするには何をしたらいいのかをゆっくり考えることだって自分にとっては1つの逃げ道になり得ます。
他の人のストレス発散法や解消法に惑わされることなんてないのです。あなた独自のストレスからの逃げ道を探してみてください。
あなたはいつでもストレスから逃げられる
予想と回避でストレスを発散し解消することができることがお分かりいただけたと思います。
ストレスを抱えている脳に“がんばれ”は禁句です。
”がんばれの脳科学”についてはこちらの記事を参照してみてください。
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目に見えないストレスにおびえずに時には寄り道をしながら生きてみたっていいでしょう。
そもそもストレスなんて脳の化学反応が生み出した目に見えない虚像に過ぎないのです。
ストレスに無理に立ち向かう必要なんて全然ないのです。
あなたはいつでもストレスから逃げられるのです。
とにかく今すぐにでもストレスを解消したい人はこちらを参考にしてみてください。
”ストレスを発散したり解消したりする方法の脳科学”のまとめ
ストレスを発散したり解消したりする方法について脳科学的に解明してみました。
今回のまとめ
- ストレスを発散したり解消したりするためには『予想』と『回避』が大切です。
- ストレスを感じて悪いことなんて何もありません。
- ストレスを感じることは当たり前でストレスを避けることはできません。
- ストレスを発散したり解消したりした気分になれる逃げ道を持っておくことが大切です。
- あなたはいつでもストレスから逃げられるのです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
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