ネガティブ思考を変えたい、断ち切りたいのですがどうすればいいですか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
- ネガティブ思考を変えたい、断ち切りたい人のための対処法を脳科学で説き明かします。
ネガティブ思考から脱出しよう
ネガティブ思考の脳科学
- ネガティブ思考から抜け出すにはネガティブ思考を認め自分を見つめなおし行動を起こすことが大切です。
- ネガティブ思考からの脱出法は誰もが知っているはずなのにただそれをうまく使いこなせていないだけです。
- ネガティブ思考のパターンを自分の意思で中断させ新しい思考で生まれ変わることは難しいことではありません。
- ネガティブ思考を変えたい、断ち切りたいという意思さえあれば誰でも新しい自分を見つけ出すことができるのです。
そんな経験をしたことありませんか?
ネガティブな思考が堂々巡りしてしまい思考の回路が行き詰まってしまいなかなか打ち破れない…
古い言い方をすれば同じところだけを何度も繰り返し演奏する傷のついたレコードのようなものです。
先に進むには針をちょっとずらしてレコードの位置をずらすしかありません。
ネガティブ思考から脱出するには脳が脳着状態となっているわけで頭の中で聞き飽きたフレーズを中断して新しいスタートを切らなければなりません。
“モチベーションを上げるための脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
こちらもCHECK
努力したくない、苦手、続かない…そんな人が楽しく努力してモチベーションを上げるための脳科学
努力したくない、苦手、続かない…そんな人でも努力できるようになりますか? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20 ...
続きを見る
しかし何も難しいことはありません。
皆さんはすでにネガティブ思考から脱出する方法など先刻承知なはずです。
しかし同時にネガティブ思考にはまり込む方法も知っています。
たった一瞬で内面的なイメージを変えて精神状態を変換するためのツールはすでにすべて持っているのです。
しかしそれをうまく使いこなせていないのです。
あるいは使いこなせないと思い込んでいるだけなのです。
ネガティブ思考からの脱出法はいかにしてネガティブ思考から抜け出すかよりも抜け出すためのツールをどう使いこなすかにかかっているのです。
そのことを理解しないとただふさぎ込み憂鬱(ゆううつ)そうな顔をして誰かの助けを待つだけの人になってしまいます。
逆にそのような人を見かけたらあなたはどう対応するでしょうか?
もしかしたらあなた自身も腫れ物に触るような苦渋に満ちたいつ果てるとも知れないドツボにはまっていくかもしれません。
それはそれで相手は少しは気分がはれるかもしれませんが結局何の解決にもなりません。
ふさぎ込んでいれば誰かが心配して声をかけてくれると思われるだけかもしれません。
ネガティブパターンにはまり込んで堂々巡りになると自己破壊につながりパターンが固定化すればするほどその弊害はどんどん膨らんでいきますので何もしないのは得策ではありません。
ネガティブ思考からは抜け出すための3つのステップ
ネガティブ思考から抜け出せない人は抜け出す方法を知らないのではなく抜け出す方法の使い方を知らないだけなのです。
そのことは先ほどご説明しました。
ひとつの考えや態度から抜け出せない人は誰かが救いの手を差し伸べてくれるのを待っているのかもしれません。
自分の行動や精神状態や感情を自分自身でコントロールするのは難しいと思っている人は意外に多いのかもしれません。
特に子供のころのトラウマ体験やさまざまなホルモンの影響が加わるとなおさらネガティブ思考から逃れるすべはないと説く人もいます。
しかしネガティブ思考から抜け出すことはそんなに難しいことではなくしかも本気を出せば一瞬で抜け出すことも可能です。
ある意味努力せずとも劇的に自分の状況を変化させることは誰でもできるのです。
“努力できないの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
こちらもCHECK
努力は必ず報われるとは限らない~努力できないことの意味を脳科学で探る
努力すれば必ず報われるんですか? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医とし ...
続きを見る
ではいったいどうやってネガティブ思考から抜け出せばよいのでしょう。
それにはいろいろな方法がありますが簡単にできる3つのステップをご紹介しましょう。
ステップ1:ネガティブ思考を認めよう
まずは無理にネガティブ思考を否定せずに認めることです。
身の回りに起きたことでうまくいかなかったことをくよくよといつまでも考えているとしても
そのように自分に言い聞かせないことです。
自分の思考をコントロールしようとすると心配や悩みはより深くなっていきます。
その代わりに自分はネガティブなサイクルに入っているということに気づきそれを認めることです。
自分のネガティブなサイクルに気づきそれを受け入れることでネガティブ思考をおさえる方向に向かうことができます。
自分の思考に気づくように自分を促すのです。
ステップ2:第3者の視点で自分を見つめよう
ネガティブ思考に陥ると自分の全般的な能力を不安に思いつい自分自身を非難してしまいます。
ネガティブ思考を認めると自分を否定する重圧を減らすことができます。
そこで自分に問いかけてみるのです。
あるいは
自分に問いかけるのが難しければ自分ではない第3者からの視点で状況を見つめなおしてみてください。
あなたはどんなアドバイスを送るでしょうか?
そしてそのアドバイスを自分自身に言ってみたらどうなるでしょうか?
この方法は「ソクラテス式問答法」として知られその効果が証明されています。
第3者の視点で自分を見つめることで自分のネガティブ思考の妥当性を検証できより現実的で幅広い視点を獲得できます。
時にはあなたのネガティブ思考が有効である場合もあるかもしれません。
しかし未来に何が起こるかについてネガティブ思考で予測することは決して有効ではありません。
たとえばあなたのパートナーがあなたから離れ別の相手のところに行ってしまったとします。
この場合「パートナーは、もう私を愛していない」という考えは正しいかもしれません。
しかし「この先誰も私のことを愛さない」という考えはおそらく正しくないでしょう。
しかしネガティブ思考の脳で考えても正解にはたどり着けません。
第3者の視点で自分を見つめてこそ正しい答えは導き出せるのです。
ステップ3:行動を起こそう
ネガティブ思考に立ち向かうための最終ステップは非行動から行動に移すことです。
たとえばあなたが「愛されていない」と感じて心配ならば友人や家族と連絡を取ってみてください。
仕事で不安を感じるならこれまでの実績をリストにしてみてください。
行動を起こすと自分が思っているほど自分はダメな人間ではないことが分かるはずです。
ネガティブ思考を続けることで何かを成し遂げることができるのか自問自答してみるのもよいでしょう。
ランニングをしながら自分の金銭的な問題について考え解決策を見いだそうとしているのならそれは役に立つかもしれません。
しかし自分が愛されていないという誤った思考について頭を悩ませたところで何も成し遂げることはできません。
ネガティブ思考のスパイラルにはまり込むと脳は何ごともネガティブに考えることに慣れてしまいます。
自分に問いてみてください。
お茶を濁していてばかりでは先に進めない
ネガティブ思考の脱出法を探ってきましたがやはり大切なことは脱出法を学ぶことよりもいかに脱出法を使いこなすかです。
ネガティブでもポジティブでも脳の中に出来上がった思考のパターンを中断させることはとても大切で効果的です。
ただ漫然とお茶を濁すような思考のままでいては先へは進めませんしただ惰性のレールの上を歩いていくだけです。
思考のパターンを中断させることはある意味ショック療法かもしれません。
あることを考えているうちに思考が独り歩きを始め一体何に悩んでいるのか曖昧(あいまい)になってしまうことすらあります。
それでもネガティブ思考の場合はただただ自分を責めて非難することだけを目指してしまいます。
ネガティブ思考が行き過ぎると人間関係も破壊してしまいます。
後になって「なぜあんなことを言ってしまったのか…」と後悔しても後の祭りです。
しかしその時は後で後悔するなど微塵(みじん)も思っていないはずです。
“後悔先に立たずの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
こちらもCHECK
「後悔先に立たず」からあなたのイノベーションを導き出す~新しい自分を脳科学で探る
「後悔先に立たず」って言いますが後悔ってどういうこと? 新しい自分を見つけ出すにはどうしたらいいの? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブロ ...
続きを見る
そんなこんなしていてにっちもさっちもいかなくなった時こそお茶を濁さずに腹を決めて思考のパターンを中断させる方法を自分で考え活用すべきなのです。
しかし深く考えすぎても逆効果です。
適当くらいがちょうどよい時もあるでしょう。
“適当の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
こちらもCHECK
適当に生きるほど仕事ができて人に好かれる?適当を脳科学で探る
適当に生きるほど仕事ができて人に好かれるって本当なの? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気 ...
続きを見る
解けないパズルは存在しない
現代社会では競争することが良しとされ勝ち組と負け組がはっきりと区別されます。
“勝ち組と負け組の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
こちらもCHECK
幸運の女神を引き寄せるための自分探し~勝ち組になるための脳科学を学ぶ
幸運の女神を引き寄せるにはどうしたらいいの? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い ...
続きを見る
しか脳の中の思考においては競争モデルには限界があります。
何ごとも対立して正反対のポジションをとるような思考はうまくはいかず相手に合わせつつ自分の思考の中に相手を引き込むことが効果的です。
決して相手の反感や抵抗を力でねじ伏せてはなりません。
“コミュニケーションの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
こちらもCHECK
コミュニケーション能力を高めるためのコツを教えます!言葉の魔力を脳科学で探る
コミュニケーション能力を高めるためのコツって何ですか? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気 ...
続きを見る
うまく事が運ばなくなるとどうしてもネガティブ思考に陥ってしまうものです。
そして負のスパイラルに巻き込まれていくのです。
しかし人間の思考のパターンは脳に刻み込まれているわけではありません。
ネガティブ思考に占拠された生き方にはまってしまってもそれを中断して新しい思考で生まれ変わることはいくらでも可能です。
人間は思考に支配されたロボットではありません。
嫌だと思うことを自分がやっていることに気づいたのであればただそれを変えさえすればよいのです。
聖書にも次のような言葉があります。
私たちは…皆変えられるのです。
たちまち…一瞬のうちにです。
大切なことは思考の柔軟性です。
解けないパズルを前にして同じことを繰り返していても結果は出ません。
問題を解決するには状況に応じて自分を変化させ適応させ実験して新しいことに挑戦しなければなりません。
そのような心構えでいれば解けないパズルなど存在しないのです。
思考の柔軟性が高ければ高いほど自分の可能性は広がり未来は開けより大きな成功を収めることができるはずです。
ネガティブ思考を変えたい、断ち切りたいという意思さえあれば誰でもいつでも新しい自分を見つけ出すことは可能なのです。
“ネガティブ思考の脳科学“のまとめ
ネガティブ思考を変えたい、断ち切りたい人のための対処法を脳科学で説き明かしてみました。
今回のまとめ
- ネガティブ思考から抜け出すにはネガティブ思考を認め自分を見つめなおし行動を起こすことが大切です。
- ネガティブ思考からの脱出法は誰もが知っているはずなのにただそれをうまく使いこなせていないだけです。
- ネガティブ思考のパターンを自分の意思で中断させ新しい思考で生まれ変わることは難しいことではありません。
- ネガティブ思考を変えたい、断ち切りたいという意思さえあれば誰でも新しい自分を見つけ出すことができるのです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
最後にポチっとよろしくお願いします。