日常の脳科学 脳を科学する

体内時計を調整して快適生活!サーカディアンリズムを脳科学で説く

2020-08-28

体内時計-A1

体内時計ってどんな仕組みになってるの?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

  • 体内時計を調整することで快適な生活を送ることができる仕組みがわかります。

 

あなたの体内時計は1日何時間?

体内時計-2-min

サーカディアンリズムの脳科学

  • われわれは体内時計によって睡眠と覚醒のリズムを作り出し揺れ動くサーカディアンリズムの中で生きています。
  • 体内時計は光によっていくらでも調整できます。
  • サーカディアンリズムが乱れた時差ぼけは脳にとっては大敵です。
  • 自分の体内時計を自分の生活リズムに合わせてうまく調整して快適な生活を送りましょう。
へなお
体内時計って一度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか?

 

体内時計の秘密-1

朝が来ると目が覚めて、昼間は活動して夜になると眠くなって寝てしまう。

一見当たり前の日常を送れるのは体の中に時計が仕組まれていてその時計によって私達は知らぬ間に動かされているからです。

こんな不思議な時計を“体内時計”と言います。

 

へなお
それではサーカディアンリズムとはなんでしょう?

 

体内時計の秘密-2

体内時計によってわれわれは無意識の中で睡眠と覚醒のリズムを作り出して1日を過ごしています

この1日のリズムサーカディアンリズム(概日(がいじつ)リズム)と言います。

 

”サーカ”は概ね(おおむね)、”ディアン”は1日という意味です。

 

へなお
1日のリズムを刻む体内時計は体のどこで調整しているのでしょう?

 

体内時計の秘密-3

体の中ではさまざまな部分が体内時計の調整に関わっていますが、すべての時計の親時計となっているのは脳の中の“視交叉上核”という部分です。

 

視交叉上核目から入った情報を受け取って独自のリズムを刻んでいます。

 

へなお
視交叉上核はかなり正確で1日でも数分しかくるいがでません。

 

先ほども少し言いましたが、

 

体内時計の秘密-4

体内時計はなにも脳だけにあるのではなくて心臓、肝臓、胃、肺などの臓器や血管や脂肪にまであります。

 

朝になるとお腹がすいて朝ご飯を食べてそれからお通じをして…と何げなく行っていることのすべてが体内時計によって仕組まれているのです。

 

夜中は胃や腸の動きは緩やかです。

 

夜とわかって休んでいるのです。

 

朝が近づくと胃や腸は活発に動き出して朝食や便通に備えて準備を始めます。

 

ですから突然毎日と違うリズムで朝早く起きて朝ご飯を食べようとしてもまだ準備が整っていないので胃や腸は動き出しません。

 

そんな朝は食欲がなかったりお腹が痛くなったりしてしまいがちです。

 

へなお

ところで体内時計は1日を何時間と思って作動しているのでしょう?

つまりサーカディアンリズムは1日何時間なのでしょう?

 

サーカディアンリズム25時間で、24時間よりも長いと記しているものが多く見られます。

 

中には24時間10分とかなり細かく論じている報告もあります。

 

へなお
結論から言えばどれも間違いではありません。

 

体内時計の秘密-5

サーカディアンリズムおおよそ24時間くらいですが23時間の人もいれば25時間の人もいます。

すべての人を平均するとだいたい24時間より少し長いくらいになるのです。

 

へなお
ではサーカディアンリズムの違いはわれわれにどのような影響をあたえるのでしょう。

 

サーカディアンリズムが23時間の人は1日の流れが少しずつ前倒しになっていきます。

 

ですから1日の始まりを待ちきれず基本的に早起きになります。

 

ではサーカディアンリズムが25時間の人はどうでしょう?

 

25時間の人は1日の流れが少しずつ後ろ倒しになりがちです。

 

ですから夜遅くまで起きていて朝はなかなか起きれない生活になりがちです。

 

へなお
みなさん自分の生活リズムを振り返ってみてみてください。

 

早起きができて朝強い人は朝から気合が入っている…

 

朝なかなか起きれなくて朝が弱い人はだらしない…

 

なんて思ってませんか?

 

体内時計の秘密-6

早起きできるかどうかは気持ちの問題ではなくあなたのサーカディアンリズムが関係しているのです。

 

いうならば早起きはその人の個性です。

 

へなお
ですから夜更かしして朝いつまでも寝ている人を責めないであげてくださいね。

 

体内時計を調整しているのは光

体内時計-3-min

体内時計の秘密-7

体内時計の本丸である視交叉上核光で体内時計を調整しています。

光の信号から受け取って独自のリズムを刻んでいます。

 

朝太陽の光を浴びて目覚めます。

 

昼間は太陽の光を感じて活動し、夜になって太陽が沈むと眠る。

 

こんな原始的な理屈が体内時計を調整しているのです。

 

体内時計の秘密-8

光の明暗によって体内時計はうまく調整を行い、サーカディアンリズムをおおよそ24時間におさめているのです。

 

へなお
ですから夜に強い光を浴びると体内時計に狂いを生じます。

 

部屋の蛍光灯程度の明かりであればそんなに大きな影響はありません。

 

しかしパソコンやスマホなどの強い光をずっと浴びていると体内時計は“今は夜のはずだけど明るいから昼かもしれない”誤作動を起こしてしまいます。

 

すると体内時計は夜型になってしまい”寝つきが悪く朝送れない…”なんてことになるのです。

 

へなお
昼間に暗い所に行くと眠くなるのも体内時計の影響です。

 

“今は昼のはずだけど暗いから夜かもしれない”と体内時計が誤作動を起こします。

 

すると会議中に暗くなった部屋でプロジェクターの映像を見ながらウトウト…なんてことになるのです。

 

へなお
通勤電車でも注意が必要ですよ。

 

朝のラッシュに巻き込まれて混雑した電車の真ん中に押し込まれてしまうと朝なのにうす暗い中にいることになり体内時計が狂い始めます

 

ぎゅうぎゅうの電車の中でついうとうと眠くなりがちです。

 

へなお
ですからできれば窓の近くに立って太陽の光を浴びていた方がそのあとの仕事も目が覚めてはかどるのです。

 

特にホームワークが増えた最近の生活では太陽の光を浴びる機会が減ったうえに明るい室内でずっとパソコンやスマホの強い光を浴び続けいている時間が長くなりがちですよね。

 

そのような中で生活していると体内時計が誤作動を起こして睡眠障害の原因となりますのでくれぐれも気を付けましょう。

 

体内時計の秘密-9

朝太陽の光を感じることは脳を目覚めさせるだけでなく体内時計を調整して時間の進み方をリセットするきっかけにもなります。

脳の視交叉上核は朝太陽の光を一瞬でも感じるだけ体内時計を調整して時間を進めることができる機能を持っています。

 

ですからたとえ前の日に夜更かししても朝太陽の光を感じることで目覚めはぐんと良くなるのです。

 

たっぷり寝た後の昼の光では体内時計は誤作動を起こしたままますます時間は後ろにずれていってしまいます

 

へなお
サーカディアンリズムが24時間以上ある人はもっと注意が必要です。

 

もともと1日の時間の時間の流れが後ろへと遅れがちなのに加えて常に明るい室内にいるとますます時間は後退して睡眠障害をおこしがちです。

 

睡眠障害が進むと精神的にうつの症状にもつながっていきます。

 

へなお
朝の太陽の光を感じて体内時計を少しでも前倒しに進めることは体だけでなく脳にとっても大切なことです。

 

時差ぼけは脳を攻撃する敵

体内時計-4-min

へなお
外国に旅行に行くときにわれわれを悩ませるのが”時差ぼけ”ですよね。

 

時差ぼけは現代の交通の産物…飛行機の誕生によって生み出されたものです。

 

体内時計の秘密-10

人工的に作り上げられた体内時計の誤作動時差ぼけです。

 

時差ぼけとは突然の時間の変化で起こります。

 

周囲が明るいから昼と思って活動しようとするのですが、自分の体内時計は日本時間…まだ夜のままで脳も体もうまく動かない、眠くて仕方がない…そんな感じですよね。

 

へなお
時差ぼけのまま生活しているとどうなるのでしょう?

 

体内時計の秘密-11

時差ぼけでは体が疲れるのは当然ですが脳に過度のストレスがかかります。

ストレスホルモンというものがあり、時差ぼけの時は特にストレスホルモンが大量に放出され脳を攻撃します。

特に脳の中の側頭葉が攻撃のターゲットにされます。

側頭葉学習や記憶に関係する働きをしています。

側頭葉が傷つくと記憶力が低下したり認知症のリスクが高まったりします。

 

へなじんさん
海外旅行になんてそんな頻繁に行くわけじゃないから自分には時差ぼけなんて関係ないですよ。

 

なんて思ってる人きっといますよね。

 

体内時計の秘密-12

時差ぼけが起こるのはなにも海外旅行に行った時だけではありません

交代勤務で日中に日勤で働いたり夜中に夜勤で働いたりするような仕事をしている人は要注意です。

自覚がない方が多いですが交代勤務は常に時差ぼけが続いている状態です。

 

交代勤務を続けているとどうしても朝昼夜の時間の感覚が一定に保てなくなり時差ぼけの状態におちいってしまうのです。

 

へなじんさん
交代勤務は要注意ですね。

 

へなお
自分はもう20年近く常に時差ぼけの状態で生活し続けています…

 

へなお

でも安心してください。

時差ぼけをうまく解消できる方法はちゃんとあります。

 

時差ぼけではサーカディアンリズムが大幅に狂っています

 

つまり1日が24時間でなくなっているので体内時計がうまく時間を刻めなくなっているのです。

 

体内時計を進めたり遅らせたりするのはブランコの動きに似ています。

 

ブランコに乗って行ったり来たりするのは自然の周期です。

 

へなお
ブランコが1往復するのを1日にたとえて考えてみれば簡単です。

 

ブランコをちょっと押してあげるだけでブランコの速度が変わって1往復する時間が変えられますよね。

 

これと同じ原理で光の作用を利用してサーカディアンリズムを強制的に24時間ではなくしてあげるのです。

 

つまり1日のスタート時間を変えであげるのです。

 

へなじんさん
んんん?どういうことでしょう?

 

体内時計の秘密-13

体内時計では朝太陽の光を浴びることが合図になって1日が始まるように出来ています。

ですから自分の生活の中で1日のスタートとなる時間に光を浴びて朝を人工的に設定するのです。

 

夜勤で夕方に起きる人は夕方に光を浴びると体内時計は夕方を朝と勘違いします。

 

次の日に夜勤から帰ってきて昼間は暗い室内で寝ています。

 

夕方になって目覚めて光を浴びる体内時計は朝と感じて目が覚めやすくなります

 

次の日が日勤であれば夕方起きたとしてもあまり強い光を浴びず夜が続いていると体内時計を誤作動させるのです。

 

へなお
この時注意が必要なのは寝ている時間は室内をなるべく暗くすることです。

 

寝ている時間に光を浴び続けているずっと昼が続いていると脳は感じてしまいます

 

すると目覚めが悪くなりますし眠気が続いてなかなか起きれなくなります

 

なかなか寝付けないからと明かりをつけたままで寝るのはよくありません

 

このようなことをしていると体内時計をますます狂わせてしまいます

 

へなお
ちなみに海外旅行をよくする人にも時差ぼけを解消する方法があります。

 

これは地球を東へ飛ぶか西へ飛ぶかで違ってきます。

 

体内時計の秘密-14

東に飛ぶ人は旅行に行く前は2~3時間いつもよりも早く起きて外に出て明るい太陽の光を浴びるかまだ外が暗いようであれば室内を明るくして過ごしますその時間帯は旅行の目的地は午後なので体内時計を事前に人工的に狂わせることができます。

西に飛ぶ人は旅行に行く前はなるべく遅くまで起きていて眠くなったら明るい光を浴びましょう。その時間帯は旅行の目的地は午前なので体内時計を事前に人工的に狂わせることができます。

 

これで体内時計を人工的に狂わせて時差ぼけを起こしにくくすることができます。

 

へなお
”そんなのよくわからない!”という人は次の方法が簡単でお勧めです。

 

体内時計の秘密-15

目的地に着いた日午後に太陽の光を少しだけ浴びます翌日からは太陽の光を浴びる時間を2~3時間ずつ早めていくと比較的早く時差ぼけが解消されます。

 

時差ぼけを解消すること快適な生活を送りやすくするだけでなく脳を傷めず記憶の低下の防止にもつながりますので是非実践してみてください。

 

自分に合った体内時計で快適生活

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へなお
体内時計は光によって調整されサーカディアンリズムをおおむね24時間でまわしていることはお分かりいただけたと思います。

 

特に朝太陽の光を感じることは体内時計を調整して昼間に活動し夜は寝るリズムを生み出しやすくします。

 

へなお
しかし誰しもが同じ生活リズムで生きているわけではありませんよね。

 

仕事などによって昼行性の人もいれば夜行性の人もいます

 

時間が極めて不規則な生活を送っている人もいます。

 

ですからそれぞれの生活スタイルに合った体内時計を自分でしっかり把握してそれにあった生活リズムを送ることが大切です。

 

それには太陽の光を利用するのが一番効果的ですが、太陽の光がなければ人工の光でも構いません。

 

体内時計の秘密-16

光を感じ始める時間が朝でそこから光を浴び続ける昼があり光が暗くなると夜になる、これが体内時計を正しく動かすポイントです。

 

体内時計がくるってしまい誤作動を起こすとたいてい睡眠障害を引き起こします。

 

へなお
夜眠れないからと睡眠薬を病院で処方してもらう方もいらっしゃると思います。

 

しかし睡眠薬は眠ることはできますが体内時計を調整する働きはありません

 

薬を飲んだ日は眠れるかもしれません。

 

しかし一度くるった体内時計は元に戻らないので次の日もその次の日も夜になっても眠れないのは変わりません

 

へなお
睡眠時間も体内時計の調整には大切です。

 

睡眠時間は人それぞれの遺伝子に左右されますので最適な睡眠時間は人それぞれです。

 

へなお
最適な睡眠時間が6時間の人もいれば8時間の人もいます。

 

6時間睡眠をとれば十分な人が8時間寝ようとしても途中で何度も起きてしまい”自分は睡眠障害だ”と勘違いしている人もいます。

 

へなお
一度立ち止まって自分の生活リズムを確認してみてください。

 

そうすれば自分の体内時計の動きがわかるはずです。

 

へなお
自分の体内時計をうまく調節して少しでも快適な生活を送ろうではありませんか。

 

”体内時計についてもっと知りたい!”なんて人はこちらがお勧めです。

 

ぜひ勉強してみてください。

 

 

”サーカディアンリズムの脳科学”のまとめ

まとめ-conclusion1-N1

体内時計を調整することで快適な生活を送ることができる仕組みについて脳科学的に解説しました。

今回のまとめ

  • われわれは体内時計によって睡眠と覚醒のリズムを作り出し揺れ動くサーカディアンリズムの中で生きています。
  • 体内時計は光によっていくらでも調整できます。
  • サーカディアンリズムが乱れた時差ぼけは脳にとっては大敵です。
  • 自分の体内時計を自分の生活リズムに合わせてうまく調整して快適な生活を送りましょう。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、血管内治療、放射線治療を中心に某総合病院で勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、あなたのまわりのありふれた日常を長年の経験からつちかった情報をもとに脳科学で探っていきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

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