恋愛の脳科学 脳を科学する

脳科学的結婚相談所~結婚は幸福?それとも絶望?

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結婚は幸せなイベント?それとも絶望へのスタート?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い手術、放射線治療を中心に勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきますね。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

  • 結婚が脳に及ぼす影響について脳科学で説き明かします。

 

あなたの結婚のイメージは?

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結婚の脳科学

  • 結婚は幸せなイベントですが人によっては絶望へのスタートにもなります。
  • 自分の感覚を研ぎ澄ませて無意識、潜在意識でベストパートナーを見つけ出すことが大切です。
  • 人は子孫繁栄のために生物学的に一夫一妻制です。
  • 浮気をする人がいますが脳科学的には浮気は遺伝子レベルの変異の影響です。
  • 相手を好きになるだけでなく嫌いなところには目をつむることができてこそ人生のベストパートナーと言えるでしょう。

結婚の脳科学

結婚はこの上なく幸せなイベントで楽観的な希望に満ちている。

しかしそのような前向きで明るい感情は多くのカップルではしだいに不満と絶望ヘと変わっていく。

McNulty JK, et al, J Pers Soc Psychol 94(4):631-646. doi: 10.1037/0022-3514.94.4.631, 2008

 

世の中そんな身も蓋もないような結婚観が論じられています。

 

しかしあながち間違いではなさそうです。

 

へなお
あなたは結婚についてどんなイメージを持っていますか?

 

結婚観に関する研究を1つご紹介しましょう。

「結婚によって得られる幸せや喜びは年収がどれくらい増えたのに等しいでしょうか?」

McNulty JK, et al, Science 342(6162):1119-1120. doi: 10.1126/science.1243140, 2013

 

へなお
結婚の幸せや喜びをお金に換算するなんてなんとも下世話な感じがしてしまいますよね。

 

しかし現実的でとてもわかりやすい結果が導かれます。

 

研究結果は結婚によって得られる幸せや喜びは年収が今よりも4倍に増えたに等しいというものでした。

 

現在日本人の生涯未婚率は男性は約25%、女性は約15%です。

 

結婚をしないまま一生を終えるには今よりも4倍稼がないと割に合わないということになります。

 

へなお
なんとも現実的な結果ですね。

 

しかし結婚は単純な話で説明しきれるものではありません。

 

さまざまな要素が絡んでくることで結婚に幸せや喜びを感じたり絶望したりします。

 

それでは結婚を脳科学で探り説き明かす脳科学的結婚相談所を始めましょう。

 

あなたのベストパートナーはどこにいる?

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結婚を決意した時はほとんどの場合お互いに人生のベストパートナーと思っているでしょう。

 

しかし結婚生活を続ける中で新婚時の幸せが長続きするのかというのは1つの大きな問題です。

 

先ほどの研究では結婚に対するイメージを調査しています。

 

結婚に対するイメージを「満足と不満」「良と悪」などの反対の意味を持つ2つの単語から選んでもらいます。

 

結果は予想通りでした。

 

結婚の脳科学-その1

結婚に対する印象は新婚時が最大でその後みるみると減っていきました。

 

この事実は過去の別の統計結果でも示されていていわばこれまでの結果の再確認です。

 

しかしこの研究ではある新しい事実を示しています。

 

それは結婚後のイメージの変化はカップル毎に大きく異なることです。

 

当然ですが結婚後もまったく関係が悪化しないカップルも存在します。

 

へなお
ではその違いには何が影響しているのでしょうか?

 

それはパートナーに対する無意識の好感度です。

 

研究では新婚カップルにさまざまな写真を見せて瞬時の心象を観察します。

 

写真の提示は0.3秒と一瞬です。

 

その後できるだけ早く写真に対する印象に近い単語を2択で選んでもらいます。

 

このように瞬発力が要求される状況では嘘をつくことができず自動的に本心が表面化します。

 

“嘘つきの脳科学”についてはこちらの記事をご参照ください。

 

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写真の中にはパートナーに関係したものも含まれています。

 

選ばれた単語と選ぶまでの時間を調べれば潜在意識でパートナーに対してどんな印象を持っているのかがよく分かります。

 

へなお
結果はどのようなものだったでしょうか?

 

へなお
予想してみてください。

 

ある意味想定内の当然の結果が証明されました。

 

結婚の脳科学-その2

無意識のレベルで相手に対して良くない印象を抱いているカップルほど結婚後に関係が悪化することが明らかになりました。

 

逆に意識に上がる好感度は決め手ではありません。

 

新婚生活の幸福度と無意識のレベルの好悪はまったく関係ありません。

 

つまり本人たちはそもそも「本心では気が合わない」という事実に気づかずに新婚生活を送っているのです。

 

そしてその後関係が悪化していくのです。

 

へなお
あなたも自分の感覚を研ぎ澄ませてベストパートナーを見つけ出してください。

 

一夫一妻の結婚の意味は?

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へなお
続いては一夫一妻のお話です。

 

ヒトは基本的に一夫一妻制です。

 

ヒトの他にも一夫一妻を貫く生物はいますがたいていの動物は不特定多数と交尾して子孫を反映させます。

 

哺乳類で一夫一妻制である種はわずか3%しかいません。

 

へなお
では一夫一妻制の利点は何でしょう?

 

さまざまな説が言われていますが正確にはよく分かりません。

 

にもかかわらず多くの人は一度選んだ相手と長く暮らししばしば子供を作ります。

 

そのためベストパートナーを見つけるためにじっくりと時間をかけます。

 

近年の出会いの形態は結婚相談所や合コンやSNSなど実に多様化していますが「詰め」の作業は昔から変わりません。

 

不器用にデートを重ね時に無慚にフラれ時に幸せに恵まれます。

 

このような気の遠くなるような長い道のりを通じて身近な異性から少しずつ候補者を絞り最終的に「運命の一人」を選ぶわけです。

 

しかし伴侶選びに費やすエネルギーや時間が過剰になっては繁殖期を逃しかねず子孫繁栄には不利に働きます。

 

これは生物学的には得策とは言えません。

 

そういう人がいても問題はありませんが全員がそうでは生物学的には絶滅は免れません。

 

世界中で自分にとってベストな人を探し出すことと身近な人でとりあえず満足することはトレードオフの関係にあります。

 

このような微妙な均衡の中究極的にヒトは目の前の候補者に対して「却下」「交尾して繁殖」の二者択一を迫られます。

 

へなお
なんとも色気のない味気のない話ですよね。

 

これを払拭してくれる心理が恋愛です。

 

“恋愛大作戦の脳科学”についてはこちらの記事をご参照ください。

 

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恋愛状態になると意中の人以外は目に入らなくなります。

 

すると「この人こそがベストな相手だ」と盲信します。

 

恋愛という感情のおかげで伴侶探しのコストが大幅に減り人類は絶滅の危機から救われているのです。

 

へなお
恋愛はなんとも不思議な感情です。

 

恋愛はそもそもヒトしか感じ得ない特殊な感情です。

 

ちなみに恋愛以外で無条件に他者に注がれる感情は唯一子供への愛情です。

 

実際に親から子への愛と恋愛の脳活動は似ています。

 

長い進化を考えると身を挺してでも子供を守り育てようとする育児本能が先に発達したのでしょう。

 

その後に育児本能の脳回路が恋愛感情にも転用されたに違いありません。

 

結婚の脳科学-その3

ヒトは子供への愛情でも恋人への愛情でも多数ではなく特定された個人に対してのみ愛情を注ぐように脳回路が仕組まれているのです。

 

へなお
ですから基本的に一夫一妻で愛を貫き通すことが正義とされているのでしょう。

 

浮気と一途の脳科学

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へなお
最後は浮気のお話です。

 

いつの時代にも恋愛には浮気が付きまといます。

 

そもそも一夫一妻制であるからこそ浮気という概念が生まれるのでしょう。

 

へなお
ではなぜ浮気をするのでしょうか?

 

結婚の脳科学-その3

浮気の原因は脳科学的にはちゃんと判明しています。

それは脳内においてホルモンを受け取って感知するバソプレッシン1a受容体(V1aR)という物質の量が少ないと浮気をしやすいのです。

 

V1aRの量はこの物質を発現する領域の遺伝子の配列で定義されています。

 

この領域の遺伝子は発達の段階で変異が起こりやすいとされています。

 

ヒトではV1aRの量はかなりの個人差があります。

 

V1aRの量は一夫一妻制や一夫多妻制にも影響を与えます。

 

一夫一妻制ではV1aRの量が一夫多妻制と比べて多くなっています。

 

V1aRの量は子供の成長とも大きく関係しています。

 

動物界を見渡すと一般に成長速度の遅い子供を育てる種ほど一夫一妻制でありV1aRの量が多い傾向にあります。

 

子供の成長が遅い場合オスは乱婚的に自分の遺伝子をまき散らすよりも特定のメスや子供に寄り添って外敵から保護したり食料を供給したりすることで自分の遺伝子を保存しようとします。

 

これは子孫繁栄の戦略としては得策です。

 

へなお
浮気の話に戻りましょう。

 

V1aRの量と浮気の関係はネズミの研究で証明されています。

Okhovat M, et al, Science 350(6266):1371-1374. doi: 10.1126/science.aac5791, 2015

 

プレーリーハタネズミは哺乳類ですがヒトと同じように一夫一妻制です。

 

ですからV1aRの量は一夫多妻制の他のネズミと比べて多くなっています。

 

しかしオスの25%ではV1aRの量が少なく浮気性で他のメスと交尾をしていました。

 

特に若いオスにこの傾向が見られました。

 

浮気はV1aRの量だけで規定されるものではありませんがV1aRの量がかなりの影響を与えていることは間違いのない事実です。

 

浮気は性欲だけによるものではないのです。

 

“性欲の脳科学”についてはこちらの記事をご参照ください。

 

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ちなみにV1aRは浮気に関係指定だけでなく空間記憶にも関与しています。

 

V1aRの量が少ないと記憶能力は低くなります。

 

へなお
浮気と記憶能力はどのように関係しているのでしょう?

 

V1aRの量が低く記憶能力が低いと自分の領土の境界をうまく記憶できないため自分の守備領土を超えて他人の領域に侵入してしまいます。

 

その結果として行動範囲が広くなり別の異性と出会う機会が増えます。

 

もともとV1aRの量が低く浮気性のあるヒトが多くの異性と出会うとはぼ間違いなく浮気に走るのです。

 

へなお
これが脳科学的な浮気の真相です。

 

プレーリーハタネズミでは2つの種類が存在します。

 

1つはパートナーに自分の遺伝子を保存してもらえるように一途に努めるネズミ。

 

もう1つはパートナーが自分の遺伝子を残してくれる確率が減っても外部に遺伝子をばらまこうとするネズミ。

 

この2つの戦略はトレードオフ…つまり何かを得ると別の何かを失うという相容れない関係にあります。

 

へなお
これはヒトにもあてはまることです。

 

浮気と一途は共存して男女の世界はまわっています。

 

しかし生物学的にはこの両者が共存することは遺伝子の多様性に貢献していると言えます。

 

へなお
浮気を正当化しているわけではありませんが浮気も子孫繁栄においては欠かせない戦略なのかもしれません。

 

脳科学的結婚相談所

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現在新婚の3組に1組が離婚すると言われています。

 

毎年23万組、約2分に1組が破局している計算になります。

 

それだけ多くの人がベストパートナーに出会えていないのです。

 

へなお
ではどうしたらベストパートナーに出会えるのでしょうか?

 

熱く燃え上がった恋愛はかえって相手の本質が見えないままの結婚へといざなってしまう可能性があります。

 

逆に同じ恋愛結婚であれば一目惚れの方が離婚率が低くなります。

 

一目惚れは損得抜きの潜在意識による好悪判断ですから「本心で気が合っている」ということになります。

 

一方恋愛結婚と比べてお見合い結婚は離婚率が低くなります。

 

お見合いは写真から得られた潜在意識で相手を選ぶことができるのですから当然かもしれません。

 

“恋愛がうまくいくための必勝法”についてはこちらの記事をご参照ください。

 

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潜在的に好意を抱いている相手は結婚当初には知らなかった欠点が見えてきてもそれを無視する傾向があります。

 

結婚の脳科学-その4

ただ好きで気が合うだけでなく相手の欠点には目をつむることができてこそベストパートナーなのです。

 

へなお
ですから相手をじっくり見続けるのではなく時には片目を閉じて向き合えるかどうかがベストパートナーの鍵なのかもしれません。

 

 

 

 

 

“結婚の脳科学“のまとめ

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結婚が脳に及ぼす影響について脳科学で説き明かしてみました。

 

今回のまとめ

  • 結婚は幸せなイベントですが人によっては絶望へのスタートにもなります。
  • 自分の感覚を研ぎ澄ませて無意識、潜在意識でベストパートナーを見つけ出すことが大切です。
  • 人は子孫繁栄のために生物学的に一夫一妻制です。
  • 浮気をする人がいますが脳科学的には浮気は遺伝子レベルの変異の影響です。
  • 相手を好きになるだけでなく嫌いなところには目をつむることができてこそ人生のベストパートナーと言えるでしょう。

今回の記事がみなさんに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も『脳の病気』、『脳の治療』、『脳の科学』について現場に長年勤めた脳神経外科医の視点で皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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  • この記事を書いた人

へなお

▶脳神経外科専門医でアラフィフおじさんの「へなお」です。▶日々脳の手術、放射線治療を中心に勤務医をしています▶一般の方でも脳についてわかりやすく理解していただけるように、脳の病気や治療から脳科学まで幅広い分野にわたって長年の経験からつちかった情報を提供していきます▶多くの方に脳に興味をもっていただき、少しでもこれからの生活の役に立つ知識をつけていただければと思います!

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