2020年に安倍首相が辞任したのにはジンクスが関係してるって本当なのでしょうか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
- 脳と縁のなさそうなジンクスと脳の関係を脳科学で説き明かします。
2020年の安倍首相の辞任はすでに決まっていた?
ジンクスの脳科学
- 安倍首相は永田町に受け継がれるジンクスを打ち破れず、2020年9月16日内閣総理大臣を辞任しました。
- 無秩序と思われる世界は知らず知らずのうちにベキ則で支配されています。
- ジンクスは一見非科学的なものに思われますが、実はベキ則にしばられた脳の自己防衛のためのルールなのかもしれません。
皆さんの中でもジンクスに振り回された経験がある人がいるのではないでしょうか?
ジンクス(jinx)
勝負事の世界などで、その事柄と因縁があると信じられている事柄。
また、よい・悪いの縁起をかつぐ対象となる物事。
「━を破る」
原義では縁起の悪いものだけにいう。
最近はジンクスを縁起の良いことの予兆のように使う風潮もあるようです。
しかしこれは基本的には誤った使い方です。
ジンクスの秘密-1
ジンクスとは生活に密着した教訓、習慣、法則などであり不運なもの縁起の悪いものを意味する言葉です。
しかしこの辞任は首相交代のジンクスによってすでに決まっていたのです!?
日本の政治の歴史を振り返ると子年(ねずみどし)には必ず首相交代が起きています。
さらには日本でオリンピックが開催された年にも必ず首相は交代しています。
日本では今まで3度のオリンピックが開催されています。
最近では1998年に長野オリンピックが開催されました。
この年は橋本龍太郎首相が辞任し小渕恵三首相が誕生しています。
そして2020年は子年で東京オリンピック開催と2つのジンクスが重なる年。
しかしやはり2つのジンクスの前にさすがの安倍首相も屈するしかなかったのでしょう。
今回安倍首相が辞任することになった直接の原因は持病の悪化と報道されています。
しかしそれもジンクスの力が影響したのかもしれません。
ジンクスの秘密-2
ジンクスは科学的根拠に基づかない迷信の要素が強い一種の言い伝えです。
もっと言えばたまたま起きたことへのこじつけとも言えます。
しかしジンクスは”同じ状況では縁起の良くない同じ現象が必ず起こる”という不思議な力を持っています。
このように科学とは程遠いと思われるジンクスですが、ジンクスもそもそもは人の脳の中から生まれた発想の1つです。
ですから脳科学で探れないことはないはずです…
無秩序の世界のベキ則って知ってます?
ベキ則を詳しく説明すると難しい話になってしまうのですが簡単に説明します。
ジンクスの秘密-3
一見すると無秩序に思われる私たちの生活に起こる社会現象や突然起こる地震や火山の噴火などの自然現象はたくさんあります。
これらの現象は無秩序に起こっているように感じますが、ある一定の法則性があり確率を使ってそれらの現象を数量化できることがほとんどです。
この法則をベキ則と言います。
ベキ則
日本の都市の人口を調べてグラフを書いてみます。
縦軸は人口、横軸は人口の多い都市の順に並べてみます。
順位が下がれば人口が減るのは当たり前です。
人口の分布は都市によってばらつきがあるので波打つようなグラフになるかと思いきやきれいな直線になります。
✔ 文章でよく使われる単語とその出現頻度
✔ 所得の金額と人数の関係
✔ 売れる本の冊数と売り上げ額の関係
✔ 地震の震度と回数の関係
そんなさまざまな関係すべてがベキ則で説明されるのです。
当然ベキ則では説明のつかない秩序正しい現象もたくさんあります。
正規分布
例えば身長を考えてみます。
日本人男性の平均身長を考えるとだいたい175cmくらいでそこからきれいに左右対称にすそを広げた分布になります。
これを正規分布と言います。
脳はいろいろな現象をこの正規分布のような規則正しい秩序ある状態で起こっていると思いたがります。
しかし世の中の多くの現象は正規分布にはなっていません。
正規分布でないと脳は無秩序でランダムに起きた現象ととらえようとします。
しかしランダムと思われる現象も実はベキ則で支配されているのです。
脳の活動自体も基本的にはベキ則で支配されています。
さざ波の中でゆらいでいる脳に突然神経の活動の発火が起こり脳は活動し始めます。
脳のゆらぎや脳の活動についてはこちらをご参照ください。
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この発火は無秩序に脳の中で起こっているように見えてベキ則に支配されています。
言うならばベキ則で支配されるように脳が自らを操っているのです。
簡単に言えば、脳は無秩序の中で自由にゆらいでいるようで実は規則やルールに縛られることを自ら好んでいるのです。
ジンクスは脳が作り出した自己防衛のためのルール
ジンクスは非科学的な縁起の良くないルールです。
2020年は子年、日本でオリンピックが開催される年、これがジンクスとなって安倍首相は辞任に追い込まれました。
ジンクスの秘密-4
ジンクスは一見するとこじつけのようにも見えますが、このこじつけのような無秩序の世界にもベキ則は存在しています。
ベキ則によって高い確率で起こると判断されたものを脳はジンクスと感じるのです。
そしてジンクスを縁起の良くない象徴に仕立て上げようとしているのです。
縁起の良くないことが突然起こると脳は不安を感じストレスを生み出し自らの脳を攻撃し始めます。
脳とストレスの関係についてはこちらをご参照ください。
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しかし突然起きたのではなくジンクスという決まったルールに沿って起きたことだとわかれば不安は解消されてストレスもおこりにくくなります。
ジンクスの秘密-5
ジンクスは脳が生み出した自己防御のためのルールなのかもしれません。
とにもかくにも新しい首相のもとで今のこの厳しい時代を乗り切って少しでも明るい世界を切り開いていこうではありませんか。
ちょっとジンクスとは離れますが一流の世界で生きている人たちの”フシギな習慣”を参考に生きてみませんか?
”ジンクスの脳科学”のまとめ
脳と縁のなさそうなジンクスを脳科学的に解明してみました。
今回のまとめ
- 安倍首相は永田町に受け継がれるジンクスを打ち破れず、2020年9月16日内閣総理大臣を辞任しました。
- 無秩序と思われる世界は知らず知らずのうちにベキ則で支配されています。
- ジンクスは一見非科学的なものに思われますが、実はベキ則にしばられた脳の自己防衛のためのルールなのかもしれません。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
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