COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュはなぜ多くのサウナ―を惹きつけるのでしょう?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
- COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュを勝手に脳科学で説き明かします。
ミュージックロウリュとは?
「COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュ」の脳科学
- COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュは脳科学的に最高のサウナです。
- サウナと音楽と赤のマリアージュを一度でも味わってしまうと、あなたもミュージックロウリュのジャンキーです。
- ぜひCOCOFUROたかの湯のミュージックロウリュを体感してみてください。
サウナについてはさまざまな脳科学的な視点から探っています。
“サウナの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考【サウナ好き必見】「サウナでととのう」の意味、方法、効果を脳科学で探る
「サウナでととのう」とは脳科学的にどのような意味や方法や効果があるのでしょうか?? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医 ...
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ミュージックロウリュとは、サウナ室内において音楽を聴きながらロウリュを味わうというものです。
”Brain×Sauna×Musicの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考【サウナの脳科学】サウナで脳に影響して響く音楽のジャンルとは何なのでしょう?Brain×Sauna×Musicを脳科学で探る
サウナで脳に影響をあたえ響く音楽とはどのようなジャンルなのでしょうか? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年 ...
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ロウリュとは、サウナ室内のサウナストーンに水をかけた時に発生する蒸気のことです。
ロウリュによってサウナ室内の温度と湿度は一気に上昇します。
これにより心身ともにさまざまな効果があると言われています。
このロウリュをタオルであおぐことをアウフグースと呼びます。
アウフグースによってサウナ室内の温度と湿度はさらに上昇します。
アウフグースでは、熱波師が高温多湿のサウナ室内でタオルやうちわであおぐ必要があるので、人手的にも体力的にも限界があります。
オートロウリュでは機械が自動的にサウナストーンに水を噴射して蒸気を発生させ、送風機で蒸気をサウナ室内に充満させるので、短時間に何度でも行うことができます。
しかしオートロウリュは人間の手で行われるわけではないので容赦なく熱波を送り続けてきます。
静かなサウナ室内に送風音が鳴り響き灼熱状態となります。
テレビがあるサウナ室でもテレビを見ていられなくなるほどの熱波が襲ってきます。
音楽があるとないのでは大違い…灼熱のロウリュでも音楽を聴きながらだからこそなんとか耐えられるのです。
「COCOFUROたかの湯」を詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
2022年3月10日に「隆の湯」から「COCOFUROたかの湯」へとリニューアルして、ミュージックロウリュを導入するという情報がTwitterをにぎわせました。
「ミュージックロウリュ」と検索すると一番に出てくるのは、「南柏天然温泉すみれ」です。
「すみれ」では2021年10月にミュージックロウリュを始めたようですが、たかの湯とは「楽久屋(らくや)」という同じ会社が運営しています。
「COCOFUROたかの湯」ですが、オープン後は日に日に人気を集め、Twitterで毎日のように登場しています。
そんな書き込みを見たら行かないわけにはいきません。
爆風のオートロウリュウの中で聴いた安室ちゃんの歌声は今でも鮮明に覚えています。
とても衝撃的で、その後の水風呂と休息の時間は今までにない不思議な感覚でした。
それからはほぼ週1回のペースで通い続けています。
のれんをくぐって帰る時にはいつも「は~また早く来たいなあ…」と思ってしまいます。
しかし世の中には当然自分以上のジャンキーはたくさんいて、Twitterでは毎日のように強者の方たちがつぶやいています。
ではなぜCOCOFUROたかの湯のミュージックロウリュは、あっという間にこんなにも多くのサウナ―達の心をつかんだのでしょうか?
この記事を最初に書いた時は「楽久屋」の承諾なく、勝手に画像もお店のホームページから勝手に拝借させていただきましたが、現在ではありがたいことに「楽久屋」の内田茂樹社長さんの承諾をいただいております。
サウナと音楽のマリアージュ
自分がサウナにはまり始めたころ、「サウナでととのう」とはどういうことなのかを脳科学的に探りました。
“サウナの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考【サウナ好き必見】「サウナでととのう」の意味、方法、効果を脳科学で探る
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サウナ室の中は高温多湿で人間が過ごすにはあまりに過酷でつらい状況です。
すると脳は身の危険を察知して身を守ろうと戦闘状態になります。
戦闘状態に入ると脳の中では大量の脳内麻薬が分泌されます。
サウナでととのうためにはこの脳内麻薬がとても重要です。
サウナから水風呂、そして外気浴へと移行する温冷交代浴では、脳は戦闘状態から一気にリラックス状態となります。
この時に脳内麻薬の作用で得も言われぬトランス状態が訪れます。
このように脳が戦闘状態から急激に解放される状況は日常生活ではまずあり得ません。
ですから「サウナでととのう」は特別な感覚なのです。
麻薬と聞くとなんだか危険な薬という印象を持つかもしれません。
しかしこの脳内麻薬こそがサウナと音楽が共鳴し合うためには欠かせない大切な存在なのです。
音楽と脳内麻薬の深い関係
脳内麻薬とひと言で言っても色々な種類があります。
「サウナでととのう」ために重要となってくる脳内麻薬は、エンドルフィン、セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、オキシトシンです。
エンドルフィンは、通常の麻薬のように鎮痛作用や抗不安作用があり苦痛を緩和します。
ですからサウナで戦闘状態となった脳内には必ずエンドルフィンが分泌されています。
しかしエンドルフィンだけではサウナでの戦闘状態を乗り切ることはできません。
そのためいかに他の脳内麻薬を分泌させるかが重要となってきます。
セロトニンは、癒しや安らぎをもたらします。
ですから“幸せホルモン”とも呼ばれています。
不安、心配、イライラ感、嫌なイメージなどはセロトニンの分泌を低下させてしまいます。
サウナの中で高温多湿に苦しんでいるとセロトニンはほとんど分泌されません。
そこで音楽が流れてきたらどうでしょう?
音楽によって少しでもポジティブな感情が湧きあがればセロトニンが分泌され幸福感がアップします。
オキシトシンはつながりの幸福感をもたらします。
スキンシップ、コミュニケーション、愛情などによってオキシトシンの分泌は増加します。
しかしサウナの中ではつながりはありません。
自分の内面と向き合う孤独な世界です。
そこで音楽が流れてきたらどうでしょう?
孤独の中で音楽とつながることで、さまざまなイメージが脳内に湧き上がります。
それによってオキシトシンが分泌され幸福感がアップします。
最後はドーパミンです。
ドーパミンはやる気の幸福感をもたらします。
成功したい、幸せになりたい、出世したい、お金持ちになりたい…そんな欲望はドーパミンによってもたらされます。
音楽を最後まで聴き終えることができれば、そしてサウナの戦闘状態を乗り越えられれば、水風呂、外気浴という至福の時間が待っています。
音楽によって「サウナでととのいたい」という欲望が駆り立てられ、ドーパミンの分泌が増加するのです。
音楽の不思議な力
“音楽の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考音楽を始めて耳と脳を鍛えよう~音楽の才能がもたらす効果と影響を脳科学で探る
音楽を学ぶとどんな効果と影響があるの? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い、勤務 ...
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音楽とは、「リズム」「メロディ」「和音」の3つの要素が織りなす音の芸術です。
しかし音楽の中にはメロディも和音もない曲が存在します。
たとえば日本の伝統芸能である和太鼓はまさにリズムだけです。
しかし和太鼓も立派な音楽です。
逆を言えばリズムのない音楽は存在しません。
そしてリズムに同期できるのは人間だけの特権です。
人間以外の動物はリズムを理解できません。
一見するとリズムにのっているように見える動物の映像を時々目にしますが、これはあくまでも訓練されてリズムにのっているように見えているだけです。
サウナの中で聴く音楽においても大切なのはリズムです。
音を聴くと脳の中では「N1」と呼ばれる特徴的な反応が起こります。
「N1」とは、音の開始から0.1秒というとても短い時間で瞬間的に起こる神経の反応です。
N1が発達している人は通常の人よりも音に敏感で、ちょっとした音の違いにも鋭敏に反応することができます。
サウナの中では先ほど説明したように脳は戦闘状態となっています。
そのような中で音楽のメロディや和音を楽しむ余裕などなかなかないかもしれません。
しかしリズムに対しては、脳はN1によって敏感に反応します。
サウナという過酷な状況では、相当N1が発達した人でないとテレビの音程度ではN1は働きません。
また小さい音でもN1は反応してくれません。
爆音でリズムを刻む音楽こそが、サウナという厳しい環境の中では唯一脳に届く刺激なのです。
その刺激によってN1が反応して脳が音楽を認識し、先ほど説明した脳内麻薬を分泌していくのです。
このように考えていくと、サウナで音楽を爆音で聴くことは脳科学的にはとても理にかなったことであり、「サウナでととのう」の効果をより高めることになるわけです。
日常生活では決して起こり得ないさまざまな脳内麻薬が過剰に分泌された状態を一度味わってしまうと、その幸福感のあまり中毒となるわけです。
ちなみに「COCOFUROたかの湯」では、昭和、平成、令和の3つの時代の音楽が順番に流れます。
”Brain×Sauna×Musicの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考【サウナの脳科学】サウナで脳に影響して響く音楽のジャンルとは何なのでしょう?Brain×Sauna×Musicを脳科学で探る
サウナで脳に影響をあたえ響く音楽とはどのようなジャンルなのでしょうか? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年 ...
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しかもすべてのオートロウリュの時間に音楽が流れているわけではなく、昭和、平成、令和の曲のあとには音楽が流れない「サイレントロウリュ」の時間もあります。
そのように思う人もいるかもしれません。
しかし自分が行った時のサイレントロウリュはいつも混んでいます。
静寂の中でまったりと爆風を楽しみたい方にはサイレントロウリュがお勧めです。
サウナと色彩のマリアージュ
サウナと色彩の関係について脳科学で探ってみましょう。
音楽と赤の効果
ミュージックロウリュが始まると、サウナストーンと熱風を送り出すオートロウリュの機械が赤色に照らし出されます。
これがミュージックロウリュをより強力なものとしています。
赤はさまざまな色彩の中でも奥深く神秘的な色と言われています。
“赤の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考なぜ赤は勝負に強いのか?~色彩がもたらす効果を脳科学で説く
赤は勝負に強い色って本当なの? そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。 このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として ...
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赤は燃え上がる炎のような情熱を表す色です。
また敵に対する攻撃であったり、異性に対する求愛であったりと、自分を強くアピールする色で特別な色とされています。
ボクシングでは赤コーナーはチャンピオンサイドです。
オリンピックでは赤コーナーと青コーナーは抽選で割り当てられるので、必ずしも赤コーナーが強い選手とは限りません。
しかし研究の結果では、赤コーナーの選手の方が圧倒的に勝率が高いと報告されています。
赤いパソコンやモニター枠を赤くしたりして、赤に囲まれて仕事をすると効率が低下するのです。
そのように思うかもしれません。
実は、赤の光の波形は脳に幸福感をあたえています。
幸福感は一種の充足感であり、脳は満足するとそれ以上の欲がなくなり、その結果仕事の効率は低下するというわけです。
赤を身にまとうと勝負強くなるのは、自分のパワーをアップさせているのではなく、相手の脳を赤の効果で幸福感で満たして弱らせているのです。
サウナで赤を目にすると、みなさんの脳は幸福感で満たされていきます。
そこに音楽の効果が重なって、脳内麻薬でますます幸福感がアップするのです。
この快感を一度でも味わってしまうと、普通の刺激では物足りなくなり、ミュージックロウリュのジャンキーとなること間違いなしです。
音楽と青の関係
ブルーdayとは、いつもなら赤い照明で照らされるパンカールーバーが青い照明で照らされるという演出です。
青色というと空や海や水といった広大な自然のイメージが浮かびます。
さわやかな空、生命の源の海、体に不可欠な水などの自然と接する機会が多い色です。
そのため青色は好感度が高く、世界的に見ても一番人気が高い色の系統です。
また五感のなかで味覚と関係が深いのが青色です。
青空の下の開放感や落ち着いたリラックスできる空間で味わう食事は格別な美味しさがあります。
食べ物そのもので青色のものは少ないですが、青色のある空間は食を楽しませてくれます。
ですから心理学的には、青色は興奮を押さえ気持ちを落ち着かせる、ストレスを軽減し集中力を高める、などの効果があります。
被験者に赤・青・透明の色つきメガネをかけた状態で計算問題を解かせる実験では、青い色眼鏡をかけている時が最も課題に取り組んでいる際の集中の値が高くなることが示されています。
またストレスによって増加するホルモンの値も低くなりました。
「青ペンを使うと頭がよくなる」
そのような話を聞いたことがあるでしょうか?
実際に「青色勉強法」というものが存在します。
とにかく青ペンでノートに書いて書いて書きまくるとストレスが少なく集中して勉強ができる。
青ペンで勉強すると覚えやすく成績が上がる。
話が少しそれましたが、脳科学的には青色にはどのような効果があるのでしょう?
「静」の文字に青があるように、青色によってリラックスした時には、脳はのびのびと良く働く状態になり、セロトニンを大量に分泌します。
セロトニンとは、先ほどの音楽の話で登場した脳内麻薬で、癒しや安らぎをもたらす幸せホルモンです。
不安、心配、イライラ感、嫌なイメージなどはセロトニンの分泌を低下させてしまいます。
ですから一般的には高温多湿という過酷な環境のサウナではセロトニンはほとんど分泌されません。
しかしサウナという厳しい環境の中にあっても、青色の効果によって脳がリラックスした状態になると、セロトニンが分泌されて幸福感がアップします。
体感は熱々で興奮状態なのに、脳はリラックスして幸福な状態…このカオスのような状況にひたると脳は一種のバグを起こします。
すると通常の青色を見ただけの時以上に大量のセロトニンを分泌します。
脳は視覚のみならず聴覚からの情報でも青色をインプットされ、ますますセロトニンが分泌されます。
しかもこの状態のまま青い水風呂にインするとますますセロトニンが分泌されます。
セロトニンは、癒(いや)しの効果が高いので、青色の水風呂は最高にリラックスした状態をもたらします。
日々のあわただしい生活で疲れ切っていると、セロトニンの分泌は低下し精神的に落ち着かなくなり不眠症等で精神不安定となります。
COCOFUROたかの湯へ行こう!
今回は「楽久屋」の内田茂樹社長さんの承諾のもと、勝手にCOCOFUROたかの湯のミュージックロウリュを脳科学で説き明かしてみました。
今回の記事の内容はあくまでも自分個人の勝手な解釈なので、当然異論反論もあるでしょう。
もし今回の記事を読んで、みなさんの考えに少しでも何か役に立つことがあって、よりミュージックロウリュを楽しめるようになれば、嬉しい限りです。
とにもかくにもぜひCOCOFUROたかの湯へ行ってミュージックロウリュを味わってみてください。
“「COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュ」の脳科学”のまとめ
COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュを勝手に脳科学で説き明かしてみました。
今回のまとめ
- COCOFUROたかの湯のミュージックロウリュは脳科学的に最高のサウナです。
- サウナと音楽と赤のマリアージュを一度でも味わってしまうと、あなたもミュージックロウリュのジャンキーです。
- ぜひCOCOFUROたかの湯のミュージックロウリュを体感してみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
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