サウナに入る時にかぶるサウナハットは必要なのでしょうか?
それともただのお飾りなのでしょうか?
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
- サウナハットの効果を脳科学で説き明かします。
サウナハットってなに?
サウナハットの脳科学
- サウナハットとは、サウナの高温多湿から頭や髪を守るためにかぶる帽子です。
- サイナハットの一番の効果は、脳を守り“のぼせ”を防止することです。
- 脳は手足のように自由自在に体温を調整できないうえに、熱に弱く寒さを好みます。
- ですから、サウナという高温多湿の過酷な状況の中では、ぜひサウナハットで脳を守ってあげてください。
サウナに行く人にとってはいまや必需品となりつつあるサウナハットですが、サウナに行かない人にとっては、
このように思うでしょう。
サウナハットとは、サウナ室内の高温多湿の状況から頭や髪を守るためにかぶる帽子です。
サウナハットの起源については諸説あるようですが、最初にサウナハットが使われた最有力の地はドイツのようです。
その後フィンランドから日本に伝わったようです。
サウナブームの日本では、サウナに行くとサウナハットをかぶっている人をよく見かけます。
“サウナの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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最近ではさまざまな色彩や模様のサウナハットがあり、またワッペン、刺繍、キーホルダーなどで個性を表現している人もよく見かけます。
裸ですごすサウナでは、おしゃれをするのはサウナハットぐらいですから、いろいろと手をかけたくなるものです。
なんて話もちらほら聞きますので、おしゃれだけでなく、盗難防止のためにもサウナハットに個性を出すのは大切かもしれません。
ではなぜサウナで帽子をかぶる必要があるのでしょう?
サウナハットにはどのような効果があるのでしょう?
サウナハットの効果とは?
サウナハットにはさまざまな効果が言われています。
脳を守る
サウナ室内はかなりの高温多湿です。
特に床からの高さが高いほど室温は上がります。
そのため座った状態では下半身よりも上半身、特に頭はもっとも高温にさらされます。
脳は基本的に脂肪組織からできているので、熱に弱く、熱くなりすぎると脳内の血管が開いたままの状態になり、循環する血液量が増加して、いわゆる“のぼせ”の状態になります。
頭がぼーっとしたり、時に意識を失うこともあります。
髪の毛を守る
髪の毛の主成分はタンパク質です。
タンパク質は熱によって硬くなる性質をもっています。
また乾いた状態よりも濡れた髪の毛の方が熱に弱くダメージを受けやすいと言われています。
"髪の毛の脳科学"についてはこちらの記事もご参照ください。
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サウナ室内では、濡れた髪の毛が高温にさらされるので硬くなりやすく、また内部に空洞ができて傷みやすく、パサつきの原因になります。
頭皮を守る
頭皮は他の場所の皮膚よりも毛穴の数がかなり多くあります。
そのため高熱にさらされると毛穴が傷み、抜け毛やフケの発生につながります。
このように高温多湿の過酷な環境では、頭を守るためにサウナハットは欠かせないアイテムと言えるでしょう。
サウナハットはただのお飾りではなく、健康、美容にとても効果的なのです。
脳科学的サウナハットの効果とは?
適温とは、心地やすく快適に過ごすことのできる温度のことです。
一般的には夏は25~28度、冬は18~22度とされています。
ちなみに適温には湿度も関係しています。
最適な湿度は、夏は45~60%、冬は55~65%とされています。
“温度の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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このように考えるとサウナは異常なほどの高温多湿です。
それは、サウナという過酷な環境に身をさらすことで、その後の水風呂、外気浴の快感度をアップさせて幸福感を得るためです。
”サウナの快感度の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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ちなみに脳の温度センサーがもっとも心地よく快適と感じる温度は13度です。
ですから水風呂は13度前後がもっとも快適に感じるはずです。
人によっては15度くらいですとぬるく感じてしまうかもしれません。
逆に10度くらいですとギンギンに冷たく感じるでしょう。
しかし13度というの先ほど説明した人間の適温からはかなり低い温度です。
つまり体が感じる適温と脳の温度センサーが感じる適温にはかなりの解離があるということです。
つまり体感温度よりも低い温度まで脳は耐えられるようにプログラミングされているのです。
とにかくサウナは人間の適温からは、かなりかけ離れた過酷な世界ということです。
そんなサウナの中で過ごすためにはそれなりの工夫が必要です。
頭寒足熱
足先は体の中で心臓から最も離れています。
そのため心臓からの血液が到達しづらく、また座った状態で足先から血液が心臓に戻るには重力に逆らうことになるので、血流が悪くなりやすいのです。
足先は冷えていると血管は収縮しますので、ますます血流が悪くなりやすく冷え性の原因にもなります。
上半身の体温が36度くらいでも、足先は冷え性になると25度くらいまで下がってしまいます。
そのため足先はなるべく温めた方が血流が良くなり、健康によいのです。
脳は体の中で最も大事な臓器なので、頭に流れる血流が減るのは命の最後の最後です。
「頭に血がのぼる」なんて言葉もあるように、脳は常に血流が保たれるような仕組みになっています。
もともと血流の悪くなりやすい足先は、高温の中では血管が拡張して血液が充満して流れるので血流はよくなります。
頭の血管も当然拡張するので血流はよくなりますが、もともと血流がよいところにさらに血液が流れるので、血液が流れすぎて、いわゆる「のぼせ」の状態となってしまいます。
ですから頭は足先とは逆に冷やしたほうが健康にはよいのです。
特にサウナでは頭が体の中でもっとも高い位置に来るので、一番高温にさらされます。
ですからサウナハットでしっかりと熱から頭を守って、脳への血流を少しでも少なくした方がよいのです。
サウナ―であれば聞いたことがあるはずです。
「あまみ」とは、サウナと水風呂、外気浴を繰り返していると手足にできる赤い斑点や文様です。
サウナの高温の中では、先ほど説明したように血管は拡張して血液が多く流れます。
ですから体は赤くなります。
一方で水風呂や外気浴で体が冷えると、血管は収縮して流れる血液は少なくなります。
ですから体は白くなります。
しかし何度もこれを繰り返していると、体の表面は冷えていても体の内部は温かいままとなり、体表の血管の一部は拡張したままとなり血液はその血管に集中して流れます。
その結果、白くなった肌にところどころ血流が増えた部分だけが赤い斑点や文様となって見られるようになります。
あまみが出るということは、サウナ、水風呂、外気浴によって体がうまく整えている証拠です。
ここであまみが出現する場所を考えてみてください。
あまみのほとんどは手足に出ます。
一方で顔にあまみが出る人はほとんどいないでしょう。
それは先ほど説明したように手足、特に足は冷えやすく温まりやすい…つまり血管が拡張したり収縮したりしやすいようになっているのです。
それによって体温調整を行っているわけです。
一方で頭は温まりやすく冷えにくい…つまり血管が拡張はするものの収縮しづらいようになっています。
このように頭は血管の拡張、収縮による体温調整がへたくそです。
ですからしっかりと熱から守ってあげないといけないわけです。
脳は熱に弱く、寒さを好むのです。
しかしサウナハットを発明した人はきっとここまでは考えてはいなかったでしょう。
とはいえ脳科学的に理にかなったサウナハットを発明したのは、生きのびていくための脳の本能とも言えるでしょう。
理屈は理解していなくとも、とにかく温まりやすく冷えにくい脳を守らなければ生きていけない…そのような本能がサウナハットを作らせたのでしょう。
これはあくまでも推測ですが…
サウナハットを手に入れよう
今回はサウナハットの効果を脳科学で説き明かしました。
まだサウナハットを持っていない…そんな人はぜひ購入することをお勧めします。
今は素材も柄も素晴らしいものが数多くそろっています。
今までは薄めの素材のサウナハットを使っていましたが、ポリエステル・メッシュのサウナハットはかなり快適です。
ベストサウナハットはかなりお勧めです。
ちなみに究極のサウナハットは頭がすっぽり入ってしまう「虚無僧君」でしょう。
また最近欲しいサウナハットは「サウナふわっと」です。
軽量で持ち運び便利でいつでもカバンに忍ばせておけるのがおすすめポイントです。
“サウナハットの脳科学”のまとめ
サウナハットの効果を勝手に脳科学で説き明かしてみました。
今回のまとめ
- サウナハットとは、サウナの高温多湿から頭や髪を守るためにかぶる帽子です。
- サイナハットの一番の効果は、脳を守り“のぼせ”を防止することです。
- 脳は手足のように自由自在に体温を調整できないうえに、熱に弱く寒さを好みます。
- ですから、サウナという高温多湿の過酷な状況の中では、ぜひサウナハットで脳を守ってあげてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
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