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脳神経外科専門医|へなお
1cmの病変をミリ単位で射抜く脳の定位放射線治療をはじめ、脳神経外科手術や脳血管内治療の最前線に立つ現役の勤務医です。
日々は精密機械のような精度で脳と向き合っていますが、一歩病院を出れば、学生時代のラグビーで鍛えた体力で趣味のサウナに毎日通い詰める「おじさんサウナ―」でもあります。
このブログでは、難解な脳科学を「サウナでのととのい」や「日常のふとした疑問」にのせて解説。
脳ドックや認知症診療の経験も交えながら、誰よりも分かりやすく、時にシュールな世界観を添えてお届けします。
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逃げたい!離れたい!理解できない!許せない!毒親を脳科学で探る

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毒親から逃げたい!離れたい!理解できない!許せない!どうしたらいいの?

 

そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。

 

このブログでは脳神経外科医として20年…多くの脳の病気と向き合い手術、放射線治療を中心に勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。

 

基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきますね。

 

この記事を読んでわかることはコレ!

  • 毒親の意味を脳科学で説き明かします。

 

CONTENTS

毒親を知っていますか?

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毒親の脳科学

  • 子どもにとってストレスとなるような言動や行為によって毒になる親のことを「毒親」と言います。
  • 毒親は子供にも自分にもネガティブ思考を抱いています。
  • 強い絆で結ばれているはずの親子関係のゆがみが毒親を生み出しています。
  • 毒親は子供と強い絆で結ばれているほど逆に憎しみを生み攻撃的になります。
  • 毒親は脳の生理的な問題でありそう簡単に解決できる問題ではありません。

2010年代になって良く聞かれるようになった「毒親」。

 

へなお
皆さんは毒親を知っていますか?

 

子どもに悪影響を与える問題の子育ては「Negative Parenting=ネガティブ・ペアレンティング」と言われいろいろな種類があります。

 

虐待、ネグレクト

過保護、カーリングペアレント

毒親、モンスターペアレント、ヘリコプターペアレント

 

どれも親子のバランスが崩れ子どもの現在のみならず未来にも悪影響を及ぼす可能性が高い深刻な問題です。

 

「毒親」というものに明確な定義はありませんが子どもに対する過干渉、過度な管理、支配、価値観の押し付けなど子どもにとってストレスとなるような言動や行為によって「毒」になる親のことです。

 

毒親とは1989年にアメリカのセラピストであるスーザン・フォワードの著書『毒になる親 一生苦しむ子ども』が話題となりこの本をきっかけに生まれた俗語です。

 

毒親は最近ますますクローズアップされています。

 

家族関係においては一種の病気として捉えられたりもしています。

 

「自分の親も毒親だったのでは?」

「自分も毒親になってないか?」

 

などと不安に思っている人も少なくはないでしょう。

 

へなお
今回はそんな「毒親」を脳科学で探ります。

 

ネガティブ思考が生み出す毒親の真実

毒親-2-min

「子どもの幸せを願わない親はいない。」

「親は100%純粋な慈(いつく)しみの気持ちを子どもに向けて接するのが当たり前。」

 

そんな風に思われがちです。

 

へなお
しかしこれはあくまでも建前でしょう。

 

本音では子供が幸せになるのをどこか手放しで喜ぶことができずモヤっとした気持ちを抱えている親は少なくないはずです。

 

たとえば結婚しようとする子どもに結婚相手の選択をコントロールしようとすることはよくある問題です。

 

「自分と同じような失敗を子どもにさせたくない。」

「自分が成功したから子供にもそうなって欲しい。」

「自分が失敗したから子どもに成功されるとおもしろくない。」

 

さまざまな本音の感情を押し殺して自分の感情に蓋をし続けていると思わぬところでネガティブ思考が爆発して毒親を生み出します。

 

“ネガティブ思考の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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人に対するネガティブ思考は家族間の方が赤の他人よりも強いとされています。

 

遺伝子を共有ししかも性別の同じ母娘間では類似性が高くよりネガティブ思考が高まるのです。

 

へなお
ですから母娘間でのトラブルは特に多いとされています。

 

子どもを支配しようとしたりレールを敷こうとしたりするとき親はそれを子どもに対する愛情と信じています。

 

へなお
それは決して間違いではありません。

 

しかしその濃厚な愛情の裏側に別の感情が隠れているのです。

 

親の言い分としては

 

「子どもに失敗して欲しくない。」

「常識から外れた行動をとって欲しくない。」

 

そんな気持ちからついつい干渉してしまう…そんなところでしょう。

 

しかし子供の自発的な行動に対してコントロールするかのように注文をつけたりあれこれと口出ししたりする自分自身の行動を振り返って苦々しく思っている親がいるのもまた事実です。

 

「それが愛情なんだ…」と自分に言い聞かせなければならないほど本当は後ろめたい気持ちが潜んでいるものです。

 

そんな時は子どもに対してだけでなく自分に対してもネガティブ思考は湧き上がっています。

 

「子どもに親として認めて欲しい。」

 

そんな思いがネガティブ思考をさらに加速させるのでしょう。

 

毒親はネガティブ思考で負のスパイラルのはまり込んだ親の脳回路が生み出した魔物なのです。

 

毒親問題が簡単に解決できない理由

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「毒親」という言葉がここまで流行した背景には実はとても根深い問題があります。

 

「多少問題があったからと言って産み育ててくれた親のことを悪く言うなんてとんでもない。」

「親不孝だ。」

「もっと感謝すべきだ。」

 

そのような社会通念があることは確かです。

 

子どもたちは自分に対してひどい言葉や行為を浴びせてきた親への怒り、悲しみ、悔しさを認めて欲しいと叫んでもその多くは黙認されてきました。

 

しかし相手が親だからと言って受けた言葉や行為をすべてなかったことになんてできるはずはありません。

 

「親を悪く言うなんて良くないし恩知らずだ。」

 

などと誰かに言われても親だからといって許せないことだってあります。

 

そんな子供の本音をズバリ言い当てたのが「毒親」という言葉なのです。

 

無論親も完璧な人間ではありません。

 

親であっても自分自身を完全にコントロールすることは難しいでしょう。

 

だからと言って子どもに危害を加えてもいいということにはなりません。

 

しかし家庭にいても常に神経を研ぎ澄ませて自分の子どもに気を使い続けろというのは酷な要求なのかもしれません。

 

親には親なりの子どもには子供なりの筋の通った言い分がちゃんと存在するのです。

 

ですから一言で「毒親」といっても簡単には解決できず根深い問題となっているのです。

 

絆が毒親を生み出しているという悲劇

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多くの人はストレスを抱えながら生きています。

 

そのストレスの大半は人間関係によるものです。

 

さらにそのうちの多くの部分を家族関係によるストレスが占めています。

 

ストレスに耐えきれなくなった時学校や職場ならば退学や退職をして逃げ出すことが可能です。

 

他人である仲間から逃れることはそう難しいことではありません。

 

“仲間の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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しかし家族から逃げるとなるとそのプロセスはそう簡単にはいきません。

 

親子関係を法的に解消することは不可能ではありませんが非常に難しい問題です。

 

へなお
さまざまな事件や社会問題が起きるたびに「絆」という言葉がもてはやされてきました。

 

助け合いを重んじる「絆」によって共同体としての関係を強めることを脳は美しいと感じます。

 

誰かのために苦労したり自己犠牲的な行動をとったりすることはわたしたちの脳では美化され賞賛されます。

 

一方で絆を批判したり揶揄(やゆ)したりすることを脳は汚らわしいことと認識して激しく非難します。

 

自分の時間や労力を使い仕事を辞めたり健康を損なったりしてまで自分を産んで育ててくれた親への恩は筆舌に尽くし難いものがあります。

 

それだけ親子関係には強い絆が存在します。

 

ですから親が子どもに対してどんな言葉や行為を浴びせようとも親の存在を非難するような行動を脳は許しません。

 

本来であれば切っても切り離せない強い絆で結ばれているはずの親子関係のゆがみで生じた「毒親」問題はそう簡単には解決できない悲劇なのです。

 

愛と憎しみの毒親問題

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へなお
脳内ホルモンであるオキシトシンをご存じでしょうか?

 

“オキシトシンの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。

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オキシトシンは人と人の絆を作る物質です。

 

仲間を助けたり弱いものを守ったり子供を育てたり信頼を強めたりといった行動に関わっています。

 

へなお
オキシトシンが愛と信頼のホルモンと呼ばれる所以です。

 

このように言われるとオキシトシンは増えれば増えるほど良いように思われがちです。

 

へなお
しかし世の中そう簡単にはいかないものです。

 

実はオキシトシンが増えすぎると妬みや憎しみといった負の感情が強くなっていきます。

 

へなお
まさに「可愛さ余って憎さ百倍」なのです。

 

ではなぜ愛と信頼のホルモンであるオキシトシンが負の感情を高めてしまうのでしょう?

 

へなお
毒親の真髄はまさにここにあります。

 

つまりオキシトシンを理解できれば毒親についてもっと理解することができるはずです。

 

オキシトシンは先ほど言ったように人と人の絆を強くする作用があります。

 

つまり逆に考えれば絆を壊そうとする人に対しては攻撃的な行動や行為を促進する作用を兼ね備えています。

 

絆を壊すことは反社会的な行動であり害であるため排除して向社会性を高めようとするのがそもそものオキシトシンの役割です。

 

へなお
ですからオキシトシンの濃度が高くなると私たちの脳の中では興味深い現象が起こります。

 

それは「外集団バイアス」と「社会的排除」です。

 

外集団バイアスとは自分たちの集団に含まれず「自分たちとは異なる人たち」を不当に低くみなす認知バイアスです。

 

へなお
世界中で起きているヘイトスピーチはまさに外集団バイアスの表れと言えるでしょう。

 

社会的排除とは自分たちの中にいながら「自分たちとは異なる人たち」を不当に攻撃したり無視したりする結果起こる排除です。

 

「自分たちとは異なる人たち」の存在を認めない…これがまさにオキシトシンの働きなのです。

 

では親子関係でオキシトシンが激しく作用するとどうなるでしょう?

 

親が子どもをコントロールして束縛したり支配したりしたくなるという現象が起こるのです。

 

「子どもが好き勝手することは認めない。」

 

へなお
これはまさに愛と信頼のホルモンであるオキシトシンの仕業なのです。

 

オキシトシンがやっかいなのは客観的な視点からは醜悪な言葉や行為にしか見えないものでも当人からしてみれば極めて正当な理由に基づいていると認知されてしまうことです。

 

正当な理由…それは親子関係を守り社会性を維持して共同体のルールに従うということです。

 

ですから自分は社会正義を執行し正しい発言をして行動をしているという強い正義感がみなぎっています。

 

絆を強めるために必要な正義と信じて疑わないのです。

 

へなお
これが毒親の正体です。

 

『愛情と絆を強めようとする働きが同時に排外性と弱者への攻撃を強めてしまう。』

 

毒親は単なる一時の感情的な問題ではなく生理的に愛と憎しみが産む出す難解な問題なのです。

 

 

“毒親の脳科学“のまとめ

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毒親から逃げたい!離れたい!理解できない!許せない!…そんな人のために毒親の意味を脳科学で説き明かしてみました。

今回のまとめ

  • 子どもにとってストレスとなるような言動や行為によって毒になる親のことを「毒親」と言います。
  • 毒親は子供にも自分にもネガティブ思考を抱いています。
  • 強い絆で結ばれているはずの親子関係のゆがみが毒親を生み出しています。
  • 毒親は子供と強い絆で結ばれているほど逆に憎しみを生み攻撃的になります。
  • 毒親は脳の生理的な問題でありそう簡単に解決できる問題ではありません。

今回の記事がみなさんに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

今後も『脳の病気』、『脳の治療』、『脳の科学』について現場に長年勤めた脳神経外科医の視点で皆さんに情報を提供していきます。

 

最後にポチっとよろしくお願いします。

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この記事を書いた人

脳神経外科専門医|へなお

1cmの病変をミリ単位で射抜く脳の定位放射線治療をはじめ、脳神経外科手術や脳血管内治療の最前線に立つ現役の勤務医です。
日々は精密機械のような精度で脳と向き合っていますが、一歩病院を出れば、学生時代のラグビーで鍛えた体力で趣味のサウナにほぼ毎日通い詰める「おじさんサウナ―」でもあります。
このブログでは、難解な脳科学を「サウナでのととのい」や「日常のふとした疑問」にのせて解説。
脳ドックや認知症診療の経験も交えながら、誰よりも分かりやすく、時にシュールな世界観を添えてお届けします。
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