「サウナでととのう」とは脳科学的にどのような意味や方法や効果があるのでしょうか??
そのような疑問に脳神経外科専門医であるへなおがお答えします。
このブログでは脳神経外科医として20年以上多くの脳の病気と向き合い勤務医として働いてきた視点から、日常の様々なことを脳科学で解き明かし解説していきます。
基本的な知識についてはネット検索すれば数多く見つかると思いますので、ここでは自分の実際の経験をもとになるべく簡単な言葉で説明していきます。
この記事を読んでわかることはコレ!
- 「サウナでととのう」とはどのような意味や方法や効果があるのかについてわかりやすく脳科学で説き明かします。
正しいサウナの入り方
「サウナでととのう」の脳科学
- 脳科学的なサウナの正しい入り方は「サウナ5分→水風呂1分→外気浴は10分程度」の温冷交代浴をを3セットこなす方法です。
- サウナに入ったあとはオロポがお勧めです。
- 「サウナでととのう」は正しい順番で脳内麻薬を分泌することでより効果的になります。
- 「サウナでととのう」の一番の効果は脳を休息させ癒すことにあります。
- あなたもぜひ正しい方法で「サウナでととのう」を体感してみてください。
サウナと言えば、以前はおじさん達が楽しむ暑っ苦しいイメージだったかもしれません。
しかし今やサウナは若い世代の男女にも大人気で、全国でサウナ愛好家である「サウナ―」が増加しています。
日本では2019年頃から第3次サウナブームが始まり、自粛生活が続く中でブームに拍車がかかりサウナ人気は右肩上がりです。
さらに『サ道』で紹介された「ととのう」が流行っているのをご存じでしょうか?
サウナでととのう
「ととのう」とはサウナ用語で、“サウナと水風呂と外気浴を繰り返した後に体感する独特な感覚”のことを言います。
「サウナでととのう」ためにサウナに通い続ける人も大勢います。
今回は「サウナでととのう」とは脳科学的にどのような感覚で、どのような効果や意味があるのかを説き明かします。
ただサウナに入ればいいわけじゃない
それを守らなければ決して「ととのう」ことはできません。
しかしサウナの入り方と言ってもそう堅苦しいことはありません。
サウナに入る
汗を流して水風呂に入る
体の水分を拭いて外気浴する
この流れが1セットです。
温冷交代浴の恐るべき効果
ではなぜ熱いサウナに入ったあとにわざわざ冷たい水風呂に浸かる必要があるのでしょうか?
では温かいと冷たいを繰り返すと体の中ではどのような変化が起こるのでしょうか?
サウナに入って体が温かい状態になると温熱効果で体内の血管が拡張します。
血管を拡張させることで少しでも血液を冷やそうとするのです。
次に水風呂に入って体を冷たい状態にすると体内の血管は収縮します。
血管を収縮させることで血液から熱が逃げるのを防ごうとします。
たとえばせっかくお風呂で温まっても冷え性の人はすぐに体が冷えきって湯冷めしてしまいます。
これは温まって拡張した血管をそのままにしておくと熱がどんどん放散されていってしまうからです。
しかし冷たい水を浴びて血管を収縮させることで熱を閉じ込めて湯冷めを防ぐことができるのです。
温冷交代浴
「温冷交代浴」では血管の拡張と収縮によって温かさを持続させる効果があります。
それと同時に血管が拡張と収縮を繰り返すことで血管のポンプ作用がアップして全身の血行が良くなる効果もあります。
当然脳にもたくさんの血液が流れ、血液に含まれる酸素もたくさん脳に取り込まれます。
それにより深いリラクゼーション効果が生み出され「ととのう」の境地にたどり着けるわけです。
サウナ5分水浴1分を3セットがおすすめ
実際には個人の体調やサウナに入る目的によってさまざまです。
一般的には「サウナに10分程度→水風呂に1~2分程度→外気浴は10分程度~好きなだけ」と紹介されている場合が多いようです。
さきほどご説明した温冷交代浴はある意味血管のマッサージです。
温冷交代浴は血管が拡張したり収縮したりして血管のポンプ作用が働き、脳に酸素や栄養を送る一方で脳から老廃物などを排出させ新陳代謝を促します。
時に血管が破れたり詰まったりする可能性があります。
ですから「サウナに5分→水風呂に1分→外気浴は10分程度~好きなだけ」を3セット以内にとどめておくのが安全と言えるでしょう。
熟練したサウナーであれば自分の体調に合わせた管理が可能でしょう。
「ととのう」ことばかり考えていると、ついつい長時間サウナに滞在しがちです。
しっかり時計を確認しながら温冷交代浴を楽しみましょう。
サウナにまつわる水分補給
3セット繰り返すと自分が思っている以上にかなりの汗をかくことになります。
ですからサウナでは最適な量、最適なタイミング、最適な種類の水分を補給することが大切です。
「サウナでととのう」ことばかり考えているとついつい連続でセットをこなそうとしてしまいがちです。
時々サウナ浴が終わって身体を拭いて浴室を出て着替えた後で初めて水分をとる人を見かけます。
しかしこれでは当然脱水になってしまいます。
まずは入浴前にしっかり水分を補給してサウナ→水風呂→外気浴の1セットを終えたら、その都度水分補給するのが理想的です。
汗に含まれているのは水分だけではありません。
人間の汗には水分の他にナトリウム(塩分)などのイオン(電解質)が含まれています。
発汗で失った水分を真水やお茶などで補給しようとすると、失ったナトリウムなどのイオンをしっかり補給できず体内の水分濃度が薄まってしまいます。
すると脳は体内の水分濃度を守ろうとして喉の渇きをおさえたり尿の量を増やしたりして水分を放出しようとしてしまいます。
その結果、水分をとっているにも関わらず逆に脱水に陥ってしまう…なんてことにつながります。
ですからサウナで水分補給をする時は水分だけでなくイオンの補給も意識する必要があります。
しかしそう言われてもやはり汗をかいた後はビールをぐびっと飲みたい…なんて人も多いでしょう。
スポーツドリンクで水分をしっかり補給して入浴後30分程度経過していれば、アルコールを飲むことは問題ないと言われています。
アルコールが飲めない人にも特にお勧めなのは「オロポ」です。
そのような人にオロポをご紹介しましょう。
オロポとはオロナミンCとポカリスエットを混ぜて作ったサウナーにこよなく愛されている飲み物です。
オロナミンCとポカリスエットの配合バランスは1:1とシンプルなので当然自作も可能です。
ポカリスエットのペットボトルを買って半分飲んでそこにオロナミンCを入れれば完成です。
さきほどサウナによって失われるのは水分とミネラルなどのイオンと説明しましたがビタミンも失われます。
体液の成分に近いポカリスエットによって水分はスムーズに補給され、それと同時にミネラルも摂取することができます。
そこにオロナミンCを加えることでビタミンもカバーすることができるので、オロポを飲むことでサウナによって身体から失われたものをバランスよく摂取できるというわけです。
そのような状態にオロポは最適な飲み物なのです。
ですからオロポはサウナ―にこよなく愛されている飲み物と言えるでしょう。
ちなみにサウナ―の中ではオロナミンCとポカリスエットの配合バランスは決して1:1が良いわけではなく黄金比率というものがあるようです。
ですから販売しているお店によって味が微妙に違うようです。
『サ道』では東京の笹塚にある「天空のアジト マルシンスパ」のオロポが最高!と紹介されていました。
サウナの妖精
サウナの起源は2000年以上前のフィンランドと言われています。
そのフィンランドでは「トントゥ」という妖精がサウナ室に住みサウナを楽しむ人たちを見守ってくれていると信じられています。
日本のサウナでもいたるところでトントゥの置物やイラストが描かれています。
「サウナでととのう」の意味を脳科学で探る
正しいサウナの入り方を学んだあとは、いよいよ「サウナでととのう」を探っていきましょう。
まずは「サウナでととのう」の意味を説き明かします。
「サウナでととのう」とはトランスである
サウナの醍醐味(だいごみ)は何と言っても温冷交代浴によって身体の感覚が鋭敏になってトランスしたような状態になることにあります。
身体がジーンとしびれてきてディープリラックスの状態になり多幸感が訪れます。
いわゆるサウナトランスです。
これが俗に言う「サウナでととのう」の状態です。
脳内麻薬が「サウナでととのう」を生み出す
では「サウナでととのう」の時に脳はどのような状態になっているのでしょうか?
脳内麻薬とは痛みや苦痛を和らげて快楽をもたらすホルモンでいろいろな種類があります。
サウナはとても暑く水風呂はとても冷たくいずれの状況も脳にとっては緊急事態です。
脳はこのようにつらく苦しい状況から身体を守るために戦闘態勢になります。
すると自律神経の1つである交感神経が盛んに働くようになります。
この時に脳では盛んに脳内麻薬が分泌されます。
脳内麻薬によってつらい状況を脱して幸福感を得ようとするのです。
このまま脳内麻薬が分泌され続けると「ランナーズ・ハイ」のような状態になります。
「ランナーズ・ハイ」とは走る辛さがピークを超えるとなぜか爽快になりいつまでも走れそうな気がしてくる…というものです。
これは脳内麻薬の効果です。
サウナではここでお待ちかねの外気浴の時間となり脳をクールダウンさせます。
すると脳は戦闘態勢からリラックスモードに変化し、自律神経の1つである副交感神経が盛んに働くようになります。
サウナでととのう
外気浴では脳内麻薬の効果が残っている状態…つまり脳が興奮状態にあるところから一転してリラックスモードに移行すると得も言われぬトランス状態となるのです。
これが「サウナでととのう」の正体です。
このように脳が興奮状態から急激にリラックス状態に変化することは日常生活ではそうあることではありません。
かなり特殊な状況です。
「サウナでととのう」の方法を脳科学で探る
「サウナでととのう」ための正しいサウナの入り方については先ほど説明しました。
「サウナに5分→水風呂に1分→外気浴は10分程度~好きなだけ」を3セットおこなうことで「サウナでととのう」ことができます。
しかし脳科学的な「サウナでととのう」の方法はそれだけではありません。
「サウナでととのう」で得られる幸福感をもっと高める方法があります。
幸福をもたらす脳内麻薬
「サウナでととのう」に脳内麻薬が関係していることは先ほど説明しました。
脳内麻薬は基本的には幸福感を引き起こしますので分泌が増えればより高い幸福感が得られます。
脳内麻薬にはいろいろな種類がありますが主なものは4つあります。
それは「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」「エンドルフィン」です。
この4つの脳内麻薬をどのような順番で分泌させるかによって得られる幸福感は大きく異なってきます。
これを理解していればより気持ちのいい「サウナでととのう」を得られるはずです。
エンドルフィン的幸福感
まずはエンドルフィンです。
エンドルフィンは通常の麻薬のように鎮痛作用や抗不安作用があり苦痛を緩和させてくれます。
ですからサウナのように暑かったり水風呂のように冷たかったりと脳にとって緊急事態の時には必ずと言っていいほど分泌されます。
ちなみに先ほど登場したランナーズ・ハイを引き起こすのはエンドルフィンの作用が大きく影響していると言われています。
セロトニン的幸福感
セロトニンによって得られるのは “やすらぎ”や“癒し”や“気分の幸福感”です。
“セロトニンの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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朝起きて「今日は天気が良くて気持ちいな。今日も1日頑張ろう」とポジティブで前向きな気分に包まれるのはセロトニンの効果です。
逆に不安、心配、イライラ感、落ち着かない、嫌なイメージばかりしてしまう…そのような状態の時はセロトニンの分泌は低下してネガティブな気分に支配されてしまいます。
セロトニンの分泌を増加させるには健康であることが最も大切です。
身体的にもメンタル的にも健康であるにはまずはしっかりと睡眠をとることです。
ちなみに“笑顔”によってもセロトニンの分泌は増加します。
”笑いの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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オキシトシン的幸福感
オキシトシンは“つながり”の幸福感をもたらします。
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オキシトシンはスキンシップ、コミュニケーション、愛情などによって分泌が増加します。
安定した人間関係は精神的な安定感をもたらします。
それは家庭でも仕事でも同じです。
つらいことやストレスになることがあっても安定した人間関係があれば乗り越えられることはたくさんあります。
逆に孤独を感じていたり人間関係が不安定だったりするとうまくいきそうなものもうまくいかなくなってしまいます。
「ボランティア活動をする人はしない人とくらべて5年以上長生きする」
そんな研究結果がありますがこれもオキシトシンと関係していると言われています。
相手が人でなくても動物でもオキシトシンは分泌されます。
犬や猫をなでると癒されるのもオキシトシンの効果です。
”コンパニオンアニマルの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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社会の中でコミュニケーションやスキンシップをとって親切心を持って触れ合う…ある意味当たり前のことかもしれませんが、こうしたことがオキシトシンの分泌を増加させてより高い幸福感をもたらしてくれるのです。
ドーパミン的幸福感
ドーパミンは“やる気”の幸福感をもたらします。
ドーパミンはよく“幸福物質”として紹介されています。
”ドーパミンの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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ドーパミンは目標を達成した時に分泌される成功のホルモンです。
多くの人は“幸福”を考えた時まずドーパミン的幸福感を考えます。
「成功したい」「出世したい」「お金持ちになりたい」…このような欲望はすべてドーパミン的幸福感です。
ドーパミン的幸福感を得ることが生きていく原動力になるわけです。
しかし実際にはこれだけでは幸福にはなれません。
成功しても出世してもお金持ちになってもそれだけでは決して幸せではないはずです。
一生懸命働いて仕事で成功して出世してお金持ちになっても働きすぎて身体やメンタルや人間関係が壊れてしまっては決して幸せではないはずです。
脳科学的に最高の「サウナでととのう」の方法
脳内麻薬から得られる幸福感を説明してきましたが、ではどのような順番で脳内麻薬が分泌されるとより高い幸福感を得られるのでしょうか?
エンドルフィンは特に意識していなくても自然にまず最初に分泌されます。
脳は苦痛から逃れるために防御の目的でエンドルフィンをすぐに分泌します。
多くの人はドーパミン的幸福感をすぐに求めたがります。
つまり「サウナでととのう」ことで幸福感を得たいという思いでサウナに通うわけです。
しかし脳科学的にはドーパミン的幸福感は最後に目指すべき幸福感です。
人間が生きていくうえで最も重要なのはセロトニン的幸福感です。
セロトニン的幸福感は言い換えると“健康”を実感する幸福感です。
『幸福はまず何より健康の中にある』
グリフィン・ウイリアム・カーチス(アメリカの作家)
「サウナでととのう」前にまずは健康であることがなによりも大切です。
不健康な身体とメンタルでサウナに行っても決していい「ととのう」はできないはずです。
続いて大切なのはオキシトシン的幸福感です。
安定した人間関係を実感できていない人はいくらドーパミン的幸福感を手に入れてもきっと満足できないはずです。
「もっともっと」と上を目指し続けていてるだけでは、いつまでたっても不安な状態から抜け出せません。
サウナでととのう
いい健康状態(セロトニン的幸福感)といい人間関係(オキシトシン的幸福感)という基本的な幸福感をまずはしっかり実感してみてください。
そのうえで「サウナでととのう」というドーパミン的幸福感を得ることでより高い幸福感を得られるはずです。
「サウナでととのう」の効果を脳科学で探る
最後は「サウナでととのう」が脳にもたらす効果について探っていきましょう。
脳を休息させる
「サウナでととのう」の最大の効果はなんといっても脳を休めて癒すことにあります。
先ほどの4種類の脳内麻薬が分泌されている時の脳の状態は最高の幸福感に満たされて休息状態となっています。
しかしこのような状況はそうあるものではありません。
脳の血流アップで疲労を癒す
サウナと水風呂による温冷交代浴では血管のポンプ作用の増強によって体全体の血流が良くなります。
当然脳の血流も一気に良くなりたくさんの酸素が供給されます。
それと同時に脳にたまっているたくさんの老廃物が押し出されます。
これらの作用によって脳は疲労から癒されるのです。
脳が冴えわたる
脳が休息して疲労が癒されるとどのような効果が期待されるでしょう?
それは身体と同様で働きの効率がアップします。
脳の働きがアップすると集中力や記憶力が向上したり、創造力が向上して、クリエイティブなものを生み出したりできるようになります。
さらにこれらによって脳のワーキングメモリが広がります。
脳の中で作業できる机の広さは決まっています。
これがワーキングメモリです。
”ワーキングメモリの脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
参考【超わかりやすく解説】センスが良い人と悪い人の違いはどこにある?センスの意味と磨き方を脳科学で探る
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脳が効率的な働きをすると机の上がきれいに整理される=ワーキングメモリが向上して作業効率がグンとアップするのです。
メンタルが強くなる
「サウナでととのう」の状態では交感神経と副交感神経が活発に働きます。
これらの神経は自律神経であり、日々の生活を生き抜いていくには欠かせない神経です。
ストレスの多い現代社会では交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず自律神経失調の状態になりさまざまな支障を来すことが多く見られます。
しかしサウナで自律神経を強制的に切り替えて働かせることで自律神経を鍛えてメンタルを強くすることが可能となるのです。
良質な睡眠がとれるようになる
自律神経は睡眠にも大きく関係しています。
良質な睡眠をとるには交感神経のスイッチをオフにして副交感神経を働かせる必要があります。
この切り替えがうまくいかないと不眠になってしまいます。
”睡眠の脳科学”についてはこちらの記事もご参照ください。
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また先ほど説明した脳内麻薬の1つであるセロトニンはしっかりと睡眠をとることでより多く分泌され「サウナでととのう」をより効果的にします。
まさに相乗効果となるわけです。
体調がととのう
「サウナでととのう」のは脳だけではありません。
身体もととのいます。
温冷交代浴による全身の血流アップにより肩こり、腰痛、目の疲れなどがとれやすくなります。
また全身の血液内の老廃物が排出されるのでお肌がスベスベになり美容に効果的です。
サウナに入った直後にととのうのは脳ですが、その後に体中がととのっていくのです。
あなたもサウナでととのおう!
今日本では空前のサウナブームで多くの人が「サウナでととのう」ためにサウナに通っています。
しかしほとんどの人はサウナの正しい入り方ばかり注目してしまいそれ以外の時間の過ごし方には注目していません。
「サウナでととのう」で得られるドーパミン的幸福感を目指すばかりにセロトニン的幸福感やオキシトシン的幸福感という「幸福の土台」をおろそかにしていては決して満足できるととのいはできません。
日々の生活の中でもド ーパミン的幸福感に偏(かたよ)らす、すでに手に入れているセロトニン的幸福感とオキシトシン的幸福感に気づき噛みしめることができれば、実は あなたは今からでも「幸福」になることができるはずです。
ぜひ日ごろから脳と体をととのえて、より効果的な「サウナでととのう」を体感してみてください。
“「サウナでととのう」の脳科学”のまとめ
「サウナでととのう」とはどのような意味や方法や効果があるのかについてわかりやすく脳科学で説き明かしてみました。
今回のまとめ
- 脳科学的なサウナの正しい入り方は「サウナ5分→水風呂1分→外気浴は10分程度」の温冷交代浴をを3セットこなす方法です。
- サウナに入ったあとはオロポがお勧めです。
- 「サウナでととのう」は正しい順番で脳内麻薬を分泌することでより効果的になります。
- 「サウナでととのう」の一番の効果は脳を休息させ癒すことにあります。
- あなたもぜひ正しい方法で「サウナでととのう」を体感してみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後も長年勤めてきた脳神経外科医の視点からあなたのまわりのありふれた日常を脳科学で探り皆さんに情報を提供していきます。
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